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昔のままのファウストの居室。何年経ってる設定なんだ?メフィストーフェレスのセリフ「(かつて彼がファウストに化けて騙した新人学生について)あの青年は未だにおれがいったことをしゃぶっているだろう。・・・世間様の期待通りに、大学の先生に化けて、もう一度そりくり返ってみせるか。威張ってみせるのは奴らのお手のものだろうが、悪魔はとうの昔にそんな気をなくしてしまった。」ここでも学問や学者への皮肉が覗きまくりですねー(^^;何年も放りっぱなしだった革衣から飛び出す虫たちの合唱に迎えられ、「種を蒔いてさえおけば、しかるべき時に取り入れられる」という言葉が意味深。「こういうがらくたや黴だらけの世界には、いつも気紛れの蟋蟀がいなくてはならないのさ。・・・おれを(革衣の真の持ち主・ファウスト)と認めてくれる奴らはどこにいるんだ。」からの懐かしい助手登場!「苔の生えた先生だ。学者などというものもそんな風に研究を続けて行くのだね、ほかにどうしようもないのだからな。そうやって小じんまりとしたカルタの家を建てるが、どんなに偉い学者だって、その家を建ておおせるということはないのだ。」真理過ぎて絶句・・・(´Д`;)
続いて現れた得業士によると、今では例のワーグネル君が「錚々たる進歩派の一人」として名を成しているらしい。門と扉が空いているのを確認して「これで漸く、今までのように、生きた人間が死人同然、黴の中でちぢこまって腐り、生きながらに死ぬこともなくて済むというものだ。・・・潮時を見て逃げ出さないと崩れ落ちた壁の下敷きになりかねない。僕は誰にもひけをとらぬ大胆者だが、これ以上先へは進めない。・・・もう何年も前に新入生としてここを訪れ、髭の先生方を信用して、奴らのおしゃべりを有難がったところだが。 奴らは古い本を手にして、知っていることや、知っていても自分では信じていないことを言って僕を騙し、お互いの生活を台なしにしてしまった。」ファウストやアーチャー主教の後悔と鏡写しやんけ(@_@;) ホント教師って(嫌いだけど)大変な職業だと思うわ。特に大学の先生となると、自らの研究と並行して指導を行うというのが矛盾を生むというか・・・教えるべきカリキュラム内容とまさに今自分が探求しようとしているヴェールに包まれた事実との差異をどうやって埋めれば良いか悩みもがくんじゃないかなー、って。本当の馬鹿ならそんなこと全く考えずにセンセー呼ばわりでメディアとか取り上げられて悦に入って楽しく過ごせるんだろうけど(笑)
得業士はメフィストーフェレスがファウストに化けてけしかけた新人くんでしたか・・・。再会した彼に「絶対主義者などには成り給うなよ。」とのたまうメフィストーフェレスに、「時勢の推移というものをお考え願って曖昧なお言葉はお慎み下さい。私たちの考え方は全然別なのですから。」と返事したる得業士くん。メフィストーフェレスは「若い人たちに真実ありのままを言ってやると、どうしても快く聴こうとはしない。だがなん年かあとになって、一切を自分の身にしたたかに思い知ると、こんどはそれが自分の独創ででもあるかのようにうぬぼれてしまって、あの先生は馬鹿者だったなどというのだね。」と応じる、この点はある意味でホントそうかも(-_-;) 得業士は更に「恐らく(馬鹿者というより)ずるい人だったという位ではないのですか。われわれに真実を率直に語ってくれる教師はいないのですから。教師なんていうものは、足したり引いたり、真面目くさってやるかと思うと、ぬかりなく学生どもをあしらうもの」と。うわぁ(´Д`;) 「君は経験を積んでもう人に教えてもいいつもりになっているらしい」と言うメフィストーフェレスに「経験などが何の役に立つものですか。問題は実に「精神」なのです。いかがでしょう、人がこれまでに学び知ったことは、果たして知るに値したことでしょうか。」と問いかける得業士、深い・・・!ファウストを超えたっつーか昔のファウストが思い悩んでいた境地というか、きっと今獲物選びをするなら(彼との出会いでそうなった可能性を否定できないとはいえ)彼は悪魔のターゲット第一候補になり得るのでは?
続けて老博士となったファウストに化けているメフィストーフェレスに「老いぼれて、もうなんの値打ちもないのに、自分がひとかどの者だと思うのは不都合ですな。・・・生命から新しい生命を創り出すのは、活きいきとした力も持った活発な血なのだ。・・・人間、三十を越したら、もう死人同然ですなぁ」と語る得業士。わーい、もうすぐ死人の仲間入りだよー!\(´∀`)/「青年の最も高貴なる使命が潮時を見て老害を叩き殺すこと」とか(笑)「人々を狭苦しい思想の枷から解放し、精神の声に服従して自由に内部の光をたのしく追い進み、前方に光明、背後に暗黒を従えてこよなき歓喜のうちに足早に歩いて行く」と意気揚々とする青年の姿を見送りながら、「阿呆めが。・・・どんなばかなことでも立派なことでも、およそ人間が考え出すことは、もうとうに先人が考えていたということがわかったら、奴もさぞかしガッカリするだろうて――だがあんなのがいても別にどうということはなく、少し経てば考えも変る。歳をとったら悪魔の言うこともわかるでしょう。」と毒づくメフィスト―フェレスさん(ノ∀`)
実験室ではあのワーグネル君が、何とホムンクルス(!)を生成しようとしていたのでした・・・(((゜Д゜;)))gkbr 「これまで流行っていたやり方(=錬金術?)は、単なる茶番」と言い切る彼。身近なものから始めて遠いものをわがものにするという力はもう昔の栄光をなくしてしまった、と。「人間は立派な素質を持とうとするなら、将来はもう少しましな生まれ方をすべき」でホムンクルス・試験管ベビーかよ、ゾッとするな!「自然の神秘として賞め称えてきたことを、今はわれわれの知性を働かして敢えて実行して、自然が今まで自分の手で巧みに作ったものを、今はわれわれが結晶させてみようというわけです。」と大真面目に語るワーグネルに、悪魔は「永生きをするといろいろと面白い目にも遭うものですなあ。この世には何一つとして新しいものはないということになる。」と応じる。ワーグネルは気にせずにレトルトの中身に夢中。「偉大な仕事というものは、最初はばかげて見えるが、これから先は偶然に俟つということを笑ってやることができるわけだ。すぐれた思考力を持つ脳髄などは、将来は思考家の手で創られることになるだろう。」・・・思考家の手によるものかは分かんないけどAIですね分かります^^チェスも将棋も人間に勝てる、介護も話し相手も務まっちゃうスグレもの!いやおっそろしー近未来への予言ですねゲーテさん。
生まれたてのホムンクルス「物事の性質上そうなのですが、自然の物にとっては宇宙といえども広すぎるということはありませんが(いや普通に広すぎだよ!><)、人工の物には、限られた空間が必要なのです。」空間じゃなくて時間だけど、寿命が短くて体力もオリジナルより弱いというクローンの鼠や羊や牛のことを想起させられてしまった(;_;) そんなホムンクルスを目の当たりにして「霊と肉体とはこれほど見事に調和し、緊密に結び合って容易なことでは離れそうもないのに、人生の毎日が愉しかったためしがない。これは一体どう説明したらいいのかね。」まるで昔の師・ファウストそのものの状態やんけ(´Д`;)
寝ているファウストに駆け寄り、その夢の光景を垣間見るホムンクルスに皮肉を言うメフィストーフェレス。そんな悪魔に「あなたは育ち上、自由に物事が見られるはずがありません。暗い所で泣ければあなたの本領は発揮できない」と告げる人工物(笑)ファウストが「(かつての居室であったはずの)こんな場所で目を覚ましたら死んでしまう。こんなところにいられるものですか。誰よりも呑気者の僕だって我慢できないここを出ましょう。」と「彼本来の活動舞台」にファウストとメフィストーフェレスを誘うホムンクルス。彼に「本物の幽霊は南方古代の幽霊」と告げられ、「あの暴政と奴隷制度のいざこざなど、七里結界だ。・・・自由の権のために戦っているなどとはいうが、奴隷が奴隷を相手に喧嘩をしているにすぎないじゃないか。」と言うメフィストーフェレスに「人間の喧嘩好きはどうにもなりませんよ。誰にしたって小さい時から、身を守るのに懸命で、それでどうやら一人前になれるのですからね。」と答えるホムンクルスとのやりとり、全く皮肉が効きまくってるゥー!(´∀`)σ)∀`) 現代社会の代理戦争と何も変わらない構図だな☆で、ファウストをどうやったら癒せるか、という話で「異教徒の土地ではそいつも通用しなかろう。そもそもギリシア人はろくでなし揃いさ。そのくせ官能の自由なたわむれで心をまどわし、人間を明るい罪悪へと誘い込む。そうしてわれわれの罪悪の方が陰気だという。」・・・つくづくドイ○とギ○シャの分かり合えない歴史の根深さに溜息が(以下略)ぺーネイオス河に向かうメフィストーフェレスの観客に向っての呟き「われわれは所詮、自分で作ったものに縋るのですな。」あー、真理や((-_-)ウンウン
古代のワルプルギスの夜、初っ端から魔女エリクトーの嘆き「不安で怖ろしかった夜が何度繰返されたかわからないが、しかし永遠に繰返されるでしょう……誰も国を余人に任せようとせず、力ずくで奪い取り、しっかり治めようとする人に任せようとしない。自分を征服できない人に限って、思いあがって他人の意志を自分の思い通りにしようとするのですから」んー、ここでは戦争について言ってんだろうけど、現代日/本人の私的には某壊し屋とか野党再編()のゴタゴタが思い浮かんじゃったかな(´-`) あと米ボス選の相手陣営叩きなんかも。そうやって手に入れた地位でマトモに職責こなした政治家が何人いるってよ? 本当ふざけんな、って話。(と人として最低限の義務すら果たせない虫けらに言われたくないでしょうけど。笑)
メフィストーフェレスの「(各々の目的が違うのだから)てんでに篝火を歴訪して、自分で自分の幸福を見つけ出そうとするよりほかはあるまい。」との一言でバラバラになった三人。ぺーネイオス河上流に来たメフィストーフェレスは古代の怪物たちを見て「こういうのは近代の精神を以って教育し、ここかしこ今風に糊づけして、上塗りをする必要がある」とか呟きやがる^^スフィンクスが指摘するメフィストーフェレスの本性「善人にも悪人にも必要にして、善人には禁慾の戦いの胸甲となり、悪人には無法を行う際の相棒となる。いずれも大神ゼウスの御心を慰めんがためなり」なるほどー(゜O゜) 一方でファウストは口喧嘩するセイレーンとスフィンクスたちを眺めながら「素敵だ、見ているだけで楽しい。醜悪の中に偉大で有為なものの気配がある。・・・この厳粛な一瞥によって、己はいかなる境界に身を移し置かれることになるのだろうか。」古代の様々な神話や伝説に登場する怪物を目の前にして妄想の翼が羽ばたく気持ち、わかるー(*´∀`)遺跡巡りしてる時の私の心情ね!「清新な精神がからだに沁み通ってくるような気がする。姿形も偉大なら、追憶も偉大だ。」感動するファウストに「以前ならこんなものは呪ったことでしょうに、現在はお気に召すと見えますな。」と嫌味を言うメフィストーフェレス。中々良いコンビぶりで(笑)ファウストが消えて古代の怪物たちの見慣れぬ有様に怯えるメフィストーフェレスにスフィンクスが告げる「われら、ピラミッドを前にして、諸々の国民の最期を見届けん。洪水、戦乱、和平の日――いかなる折にもわれらは動ぜず。」マジかっけぇ!そして羨ましい!>< まぁその「動ぜず」ってのが難点でもあるわけだけどさ。
ぺーネイオス河の下流に向ったファウストは、ニンフたちに「いつもあなたを避けがちの眠り」を勧められるが、ヘレネーの姿を忘れられぬ余りに「心は先を急ごうとする。」・・・ホントこのオッサン(^ω^#)ビキビキ 彼女の居所を訪ねようとしてまたがったケイローンを褒めまくる彼にケイローンが語るセリフ、「とどのつまり弟子どもは、なんの教えも受けなかったかのように、自分の流儀でやって行くものだ。」うーん、この辺も現代に通じる皮肉かな? アルゴー船に乗組んだ人たちの話に到り、「誰もそれぞれに勇敢だったな。自分の長所の持ち分で、他人の弱点を庇うという風だった。・・・力を合せてこそ危難を切り抜けることができる。一人が働きをすると、ほかの皆がそれを褒めるという風だった」どうして全ての人間はこんな風に生きられないのだろうか?(´-`)と何だかむしろ切なくなってしまう。でもって本題のヘレネーの話を振ろうとして、「女の美しさなど、何程のことがあろうか。人形のように動きのないものになりがちだ。朗かに楽しく生き動くような、そういう人間の姿でなければ褒めるわけには行かぬ。端麗な美はとかく自己満足に陥るもので、われわれを惹きつけるのは動きのある優美なのだ。」と言うケイローンの気持ちも分かります。お人形はお人形でその良さもあるけどさ。
ケイローンが背に乗せたヘレネーの年齢についての話で、「十になるやならずで……」と感動に打ち震える(笑)ファウストに対し、「いや、それは言語学者が、きみをも自分自身をも騙しているのだ。神話の女というのは詩人が都合のいいように描いてみせるのさ。大人になることもなければ、歳もとらぬ。千年万年経とうとも水もしたたるばかりの女振り、若い時分には誘拐され、年を取っても口説かれる。つまり詩人は時間に縛られんのだな。」うおおコレどこの二次元の世界ですかー!?/(^O^)\全てのキャラクターは18歳以上なんですね分かります。そんな歳月に縛られない彼女との出会いを滅多にない幸運、運命に抗って得た恋と表現するファウスト。自分も彼女を甦らせることのできないわけがない、という彼に「君は人間だから、そんなに夢中になるのも無理はないが、霊の眼から見れば、まず以って狂気の沙汰だ。」とケイローンは諭し、彼の狂気を治すために巫女マント―の元へ導く。けれどファウストはなおも「治してなど貰いたくはないのです。・・・治して貰ったりしたら、余人同様私も単なる俗人にすぎないでしょう。」とうそぶきやがる(´Д`;)
その後に出てくる蟻と侏儒たちのやりとりも現実世界への示唆に富みまくり(@_@;) 長老による「強さより速さだ。まだ平和な世だが、火事場を建てて、鎧、武器を作り、軍隊に納めよ。」かーらーの青鷺たちとの戦争、他の蟻と侏儒たち「誰がおれたちを救ってくれるのだろうか。おれたちが鉄を鋳造すると、やつらはそれで鎖を作る。逃げ出すのには、まだちと早い。だから大人しくしていよう。」そして仲間の鷺を殺された鶴は彼らを永遠の敵と定め、復讐を誓うとか・・・どこの世も(以下略)石の間をさ迷うメフィストーフェレスの前に再び現れたホムンクルスは「最高の意味で「出来上がる」ために方々をさまよい歩いてきたけれど、どの世界へも好き好んで入って行く気にはなれません。」と言い、さかんに「自然、自然」とのたまう哲学者二人と離れたくなくてあとをつけていると語る。彼らから己がどこへ身を託すべきかを学び知ることが出来るだろう、と言うホムンクルスに「それは独力でやった方が良い。・・・迷いがあって初めて分別を持てるようになる。「出来上がろう」と思うなら、独力でやること」と応じるメフィストーフェレスの助言は的を射ているものじゃないかと感じた。
南方世界に上手く馴染めないメフィスト―フェレスを嘲るドリュアスに彼が答える「誰しも残してきたもののことをとかく考えがちなものだ。馴染んだものは、いつまで経ってもいいものさ。」((-_-)ウンウン納得。ポルキュアスたち姉妹に出会って、言葉たくみに彼女たちをからかうメフィストーフェレスに対して彼女たちが答える「やめて頂戴。芸術の題材にされた方が良いと思ったところで、それがなんの足しになるのでしょう。夜の闇に生れ出て、暗黒の一族で、誰にも知られず、自分で自分がよくわからないほどなのだから。」ってセリフに何故か共感してしまった@病んでるー\(^O^)/
ホムンクルスは人間嫌いの不平家、未来のことがわかる神ネーレウスの元を訪れる。「神々になろうと一所懸命だが、いつになっても一箇所で足踏みをしているという哀れな代物」と人間を捉えて嫌いながら「優れた人間を見ると、面倒を見てやらずにはいられない病がある。」何だツンデレかネーレウス(´-`)=3 ホムンクルスが忠告を求めていることを告げるタレースに「立派な忠告も人間にはまず馬耳東風で役に立たず、なん度もしくじって自分で自分に腹を立てるが、それで性懲りもなしに我意を張り通す。」と答えるネーレウスの言葉、全くですねサーセンm(__)m その後に現れたネーレーイデスとトリートーンたちの「類ない神々は、いつも成長なさりつつあるので、得難いものをお求めになって、憧れ飢え苦しんでおられるのです。」何だ、神も人間と一緒じゃん・・・。そんな神々を眺めつつホムンクルスが呟く「あの神さまたちは不細工で、まるで不格好な土器の壺だ。しかし賢い人たちがそれにぶつかって、固い頭を痛めるのですからね。」という言葉に「それこそが人の欲しがるものなのだ。錆がついて初めて貨幣にも値打ちが出る」と返すタレースと「そういうものこそ、わしらのような老空想家にとっては面白い。風変わりなほど、値打ちが出る」と応えるプローテウス、歴オタとして同意せざるを得ない(・・;)
タレースがプロ―テウスにホムンクルスについて説明する「精神的な特性には欠けるところはないのですが、肉体的な能力というものがなさすぎるのです。・・・だから何はともあれ肉体を欲しがっている」というセリフ、それに答えるプロ―テウスの「お前こそ文字通り処女の産んだ子だな。生れない前に、もう生れてしまったというやつだ。」これだったのか、エンジェルの言ってた未成年者の自殺のくだり!Σ(@o@;) 結局プロ―テウスはホムンクルスに「まず小さいところからやり出して、ごく小さいものを飲み込んで満足して置く。そういう風にして次第に大きくなって行って、高度のものを仕上げるようにするのだな。」とアドバイスするが、その結末は(以下略)
「神々の御稜威を厳かな人間の姿に創り刻んだのは、われわれだったのです、われわれが最初だったのです。」とのたまうテルキーネスに対しプロ―テウスが毒づく「太陽の聖なる生命の光の前では、生命のない拵え物など洒落にもならぬ。奴らは相当なものを創り上げた気になっているが、こういう高慢な手合いが一体なんだというのだ。巨大な神像がいくつも立ってはいた――が、一度の地震で滅茶苦茶にされてしまったではないか。・・・地上の営為は、それがどういうものであれ、所詮は無駄な骨折り損なのだ。波の方が生命にはずっと役に立つ。」地震と津波両方くらった宮城県民として、非常に胸に突き刺さる言葉です。人間は何てちっぽけで儚く、この世は虚しいものなのだろう、と。やっぱり仏教、諸行無常に通じる思想をこのセリフからも感じますね。
ホムンクルスに対して「精神だけの存在」として海の中へ入るように告げるプロ―テウス。「無理に上位のものの中に入ろうとするな。人間になってしまったら、それでもう終点だからな。」対してタレースは「それも事情いかんによってのことで、一時代の一人物になるのも悪くはなかろう。」とこの問答もウーン、深い((-_-) その後に現れたプシュレンやマルゼンたちのセリフ「新しい時代の者どもの目に見えずに、われら静かに動く者は、鷲のローマ人も、獅子のヴェネチア人も、キリスト教徒も、回教徒も懼れず、上にどんな支配者が君臨して、入れ代り立ち代りどんな政治をしようとも、逐い合い、殺し合おうとも、畑地や町々を蹂躙しようとも、われらは、この先ざきも永く、美しい姫君の伴をし続けるのだ。」皮肉混じりでしょうけど、いいなー羨ましい!(´Д`*)
水信者タレースの「万物は水から生れ出たものだ。万物は水によってその存在を保たれるのだ。・・・お前こそ最も活きいきとした生命を保たせてくれる源なのだ。」からの一年に一度しか娘に会えないネーレウスの親心「娘の姿は人混みの中に光って見える。こんなに遠方からも、はっきりと明るく光っている、わしの心の中では、いつも間近く、ありのままに。」は泣かせますなー(つД`) そして結局「やむにやまれぬ憧れを示す兆候」に襲われたホムンクルスくん・・・(´;ω;`)ブワッ
続いて現れた得業士によると、今では例のワーグネル君が「錚々たる進歩派の一人」として名を成しているらしい。門と扉が空いているのを確認して「これで漸く、今までのように、生きた人間が死人同然、黴の中でちぢこまって腐り、生きながらに死ぬこともなくて済むというものだ。・・・潮時を見て逃げ出さないと崩れ落ちた壁の下敷きになりかねない。僕は誰にもひけをとらぬ大胆者だが、これ以上先へは進めない。・・・もう何年も前に新入生としてここを訪れ、髭の先生方を信用して、奴らのおしゃべりを有難がったところだが。 奴らは古い本を手にして、知っていることや、知っていても自分では信じていないことを言って僕を騙し、お互いの生活を台なしにしてしまった。」ファウストやアーチャー主教の後悔と鏡写しやんけ(@_@;) ホント教師って(嫌いだけど)大変な職業だと思うわ。特に大学の先生となると、自らの研究と並行して指導を行うというのが矛盾を生むというか・・・教えるべきカリキュラム内容とまさに今自分が探求しようとしているヴェールに包まれた事実との差異をどうやって埋めれば良いか悩みもがくんじゃないかなー、って。本当の馬鹿ならそんなこと全く考えずにセンセー呼ばわりでメディアとか取り上げられて悦に入って楽しく過ごせるんだろうけど(笑)
得業士はメフィストーフェレスがファウストに化けてけしかけた新人くんでしたか・・・。再会した彼に「絶対主義者などには成り給うなよ。」とのたまうメフィストーフェレスに、「時勢の推移というものをお考え願って曖昧なお言葉はお慎み下さい。私たちの考え方は全然別なのですから。」と返事したる得業士くん。メフィストーフェレスは「若い人たちに真実ありのままを言ってやると、どうしても快く聴こうとはしない。だがなん年かあとになって、一切を自分の身にしたたかに思い知ると、こんどはそれが自分の独創ででもあるかのようにうぬぼれてしまって、あの先生は馬鹿者だったなどというのだね。」と応じる、この点はある意味でホントそうかも(-_-;) 得業士は更に「恐らく(馬鹿者というより)ずるい人だったという位ではないのですか。われわれに真実を率直に語ってくれる教師はいないのですから。教師なんていうものは、足したり引いたり、真面目くさってやるかと思うと、ぬかりなく学生どもをあしらうもの」と。うわぁ(´Д`;) 「君は経験を積んでもう人に教えてもいいつもりになっているらしい」と言うメフィストーフェレスに「経験などが何の役に立つものですか。問題は実に「精神」なのです。いかがでしょう、人がこれまでに学び知ったことは、果たして知るに値したことでしょうか。」と問いかける得業士、深い・・・!ファウストを超えたっつーか昔のファウストが思い悩んでいた境地というか、きっと今獲物選びをするなら(彼との出会いでそうなった可能性を否定できないとはいえ)彼は悪魔のターゲット第一候補になり得るのでは?
続けて老博士となったファウストに化けているメフィストーフェレスに「老いぼれて、もうなんの値打ちもないのに、自分がひとかどの者だと思うのは不都合ですな。・・・生命から新しい生命を創り出すのは、活きいきとした力も持った活発な血なのだ。・・・人間、三十を越したら、もう死人同然ですなぁ」と語る得業士。わーい、もうすぐ死人の仲間入りだよー!\(´∀`)/「青年の最も高貴なる使命が潮時を見て老害を叩き殺すこと」とか(笑)「人々を狭苦しい思想の枷から解放し、精神の声に服従して自由に内部の光をたのしく追い進み、前方に光明、背後に暗黒を従えてこよなき歓喜のうちに足早に歩いて行く」と意気揚々とする青年の姿を見送りながら、「阿呆めが。・・・どんなばかなことでも立派なことでも、およそ人間が考え出すことは、もうとうに先人が考えていたということがわかったら、奴もさぞかしガッカリするだろうて――だがあんなのがいても別にどうということはなく、少し経てば考えも変る。歳をとったら悪魔の言うこともわかるでしょう。」と毒づくメフィスト―フェレスさん(ノ∀`)
実験室ではあのワーグネル君が、何とホムンクルス(!)を生成しようとしていたのでした・・・(((゜Д゜;)))gkbr 「これまで流行っていたやり方(=錬金術?)は、単なる茶番」と言い切る彼。身近なものから始めて遠いものをわがものにするという力はもう昔の栄光をなくしてしまった、と。「人間は立派な素質を持とうとするなら、将来はもう少しましな生まれ方をすべき」でホムンクルス・試験管ベビーかよ、ゾッとするな!「自然の神秘として賞め称えてきたことを、今はわれわれの知性を働かして敢えて実行して、自然が今まで自分の手で巧みに作ったものを、今はわれわれが結晶させてみようというわけです。」と大真面目に語るワーグネルに、悪魔は「永生きをするといろいろと面白い目にも遭うものですなあ。この世には何一つとして新しいものはないということになる。」と応じる。ワーグネルは気にせずにレトルトの中身に夢中。「偉大な仕事というものは、最初はばかげて見えるが、これから先は偶然に俟つということを笑ってやることができるわけだ。すぐれた思考力を持つ脳髄などは、将来は思考家の手で創られることになるだろう。」・・・思考家の手によるものかは分かんないけどAIですね分かります^^チェスも将棋も人間に勝てる、介護も話し相手も務まっちゃうスグレもの!いやおっそろしー近未来への予言ですねゲーテさん。
生まれたてのホムンクルス「物事の性質上そうなのですが、自然の物にとっては宇宙といえども広すぎるということはありませんが(いや普通に広すぎだよ!><)、人工の物には、限られた空間が必要なのです。」空間じゃなくて時間だけど、寿命が短くて体力もオリジナルより弱いというクローンの鼠や羊や牛のことを想起させられてしまった(;_;) そんなホムンクルスを目の当たりにして「霊と肉体とはこれほど見事に調和し、緊密に結び合って容易なことでは離れそうもないのに、人生の毎日が愉しかったためしがない。これは一体どう説明したらいいのかね。」まるで昔の師・ファウストそのものの状態やんけ(´Д`;)
寝ているファウストに駆け寄り、その夢の光景を垣間見るホムンクルスに皮肉を言うメフィストーフェレス。そんな悪魔に「あなたは育ち上、自由に物事が見られるはずがありません。暗い所で泣ければあなたの本領は発揮できない」と告げる人工物(笑)ファウストが「(かつての居室であったはずの)こんな場所で目を覚ましたら死んでしまう。こんなところにいられるものですか。誰よりも呑気者の僕だって我慢できないここを出ましょう。」と「彼本来の活動舞台」にファウストとメフィストーフェレスを誘うホムンクルス。彼に「本物の幽霊は南方古代の幽霊」と告げられ、「あの暴政と奴隷制度のいざこざなど、七里結界だ。・・・自由の権のために戦っているなどとはいうが、奴隷が奴隷を相手に喧嘩をしているにすぎないじゃないか。」と言うメフィストーフェレスに「人間の喧嘩好きはどうにもなりませんよ。誰にしたって小さい時から、身を守るのに懸命で、それでどうやら一人前になれるのですからね。」と答えるホムンクルスとのやりとり、全く皮肉が効きまくってるゥー!(´∀`)σ)∀`) 現代社会の代理戦争と何も変わらない構図だな☆で、ファウストをどうやったら癒せるか、という話で「異教徒の土地ではそいつも通用しなかろう。そもそもギリシア人はろくでなし揃いさ。そのくせ官能の自由なたわむれで心をまどわし、人間を明るい罪悪へと誘い込む。そうしてわれわれの罪悪の方が陰気だという。」・・・つくづくドイ○とギ○シャの分かり合えない歴史の根深さに溜息が(以下略)ぺーネイオス河に向かうメフィストーフェレスの観客に向っての呟き「われわれは所詮、自分で作ったものに縋るのですな。」あー、真理や((-_-)ウンウン
古代のワルプルギスの夜、初っ端から魔女エリクトーの嘆き「不安で怖ろしかった夜が何度繰返されたかわからないが、しかし永遠に繰返されるでしょう……誰も国を余人に任せようとせず、力ずくで奪い取り、しっかり治めようとする人に任せようとしない。自分を征服できない人に限って、思いあがって他人の意志を自分の思い通りにしようとするのですから」んー、ここでは戦争について言ってんだろうけど、現代日/本人の私的には某壊し屋とか野党再編()のゴタゴタが思い浮かんじゃったかな(´-`) あと米ボス選の相手陣営叩きなんかも。そうやって手に入れた地位でマトモに職責こなした政治家が何人いるってよ? 本当ふざけんな、って話。(と人として最低限の義務すら果たせない虫けらに言われたくないでしょうけど。笑)
メフィストーフェレスの「(各々の目的が違うのだから)てんでに篝火を歴訪して、自分で自分の幸福を見つけ出そうとするよりほかはあるまい。」との一言でバラバラになった三人。ぺーネイオス河上流に来たメフィストーフェレスは古代の怪物たちを見て「こういうのは近代の精神を以って教育し、ここかしこ今風に糊づけして、上塗りをする必要がある」とか呟きやがる^^スフィンクスが指摘するメフィストーフェレスの本性「善人にも悪人にも必要にして、善人には禁慾の戦いの胸甲となり、悪人には無法を行う際の相棒となる。いずれも大神ゼウスの御心を慰めんがためなり」なるほどー(゜O゜) 一方でファウストは口喧嘩するセイレーンとスフィンクスたちを眺めながら「素敵だ、見ているだけで楽しい。醜悪の中に偉大で有為なものの気配がある。・・・この厳粛な一瞥によって、己はいかなる境界に身を移し置かれることになるのだろうか。」古代の様々な神話や伝説に登場する怪物を目の前にして妄想の翼が羽ばたく気持ち、わかるー(*´∀`)遺跡巡りしてる時の私の心情ね!「清新な精神がからだに沁み通ってくるような気がする。姿形も偉大なら、追憶も偉大だ。」感動するファウストに「以前ならこんなものは呪ったことでしょうに、現在はお気に召すと見えますな。」と嫌味を言うメフィストーフェレス。中々良いコンビぶりで(笑)ファウストが消えて古代の怪物たちの見慣れぬ有様に怯えるメフィストーフェレスにスフィンクスが告げる「われら、ピラミッドを前にして、諸々の国民の最期を見届けん。洪水、戦乱、和平の日――いかなる折にもわれらは動ぜず。」マジかっけぇ!そして羨ましい!>< まぁその「動ぜず」ってのが難点でもあるわけだけどさ。
ぺーネイオス河の下流に向ったファウストは、ニンフたちに「いつもあなたを避けがちの眠り」を勧められるが、ヘレネーの姿を忘れられぬ余りに「心は先を急ごうとする。」・・・ホントこのオッサン(^ω^#)ビキビキ 彼女の居所を訪ねようとしてまたがったケイローンを褒めまくる彼にケイローンが語るセリフ、「とどのつまり弟子どもは、なんの教えも受けなかったかのように、自分の流儀でやって行くものだ。」うーん、この辺も現代に通じる皮肉かな? アルゴー船に乗組んだ人たちの話に到り、「誰もそれぞれに勇敢だったな。自分の長所の持ち分で、他人の弱点を庇うという風だった。・・・力を合せてこそ危難を切り抜けることができる。一人が働きをすると、ほかの皆がそれを褒めるという風だった」どうして全ての人間はこんな風に生きられないのだろうか?(´-`)と何だかむしろ切なくなってしまう。でもって本題のヘレネーの話を振ろうとして、「女の美しさなど、何程のことがあろうか。人形のように動きのないものになりがちだ。朗かに楽しく生き動くような、そういう人間の姿でなければ褒めるわけには行かぬ。端麗な美はとかく自己満足に陥るもので、われわれを惹きつけるのは動きのある優美なのだ。」と言うケイローンの気持ちも分かります。お人形はお人形でその良さもあるけどさ。
ケイローンが背に乗せたヘレネーの年齢についての話で、「十になるやならずで……」と感動に打ち震える(笑)ファウストに対し、「いや、それは言語学者が、きみをも自分自身をも騙しているのだ。神話の女というのは詩人が都合のいいように描いてみせるのさ。大人になることもなければ、歳もとらぬ。千年万年経とうとも水もしたたるばかりの女振り、若い時分には誘拐され、年を取っても口説かれる。つまり詩人は時間に縛られんのだな。」うおおコレどこの二次元の世界ですかー!?/(^O^)\全てのキャラクターは18歳以上なんですね分かります。そんな歳月に縛られない彼女との出会いを滅多にない幸運、運命に抗って得た恋と表現するファウスト。自分も彼女を甦らせることのできないわけがない、という彼に「君は人間だから、そんなに夢中になるのも無理はないが、霊の眼から見れば、まず以って狂気の沙汰だ。」とケイローンは諭し、彼の狂気を治すために巫女マント―の元へ導く。けれどファウストはなおも「治してなど貰いたくはないのです。・・・治して貰ったりしたら、余人同様私も単なる俗人にすぎないでしょう。」とうそぶきやがる(´Д`;)
その後に出てくる蟻と侏儒たちのやりとりも現実世界への示唆に富みまくり(@_@;) 長老による「強さより速さだ。まだ平和な世だが、火事場を建てて、鎧、武器を作り、軍隊に納めよ。」かーらーの青鷺たちとの戦争、他の蟻と侏儒たち「誰がおれたちを救ってくれるのだろうか。おれたちが鉄を鋳造すると、やつらはそれで鎖を作る。逃げ出すのには、まだちと早い。だから大人しくしていよう。」そして仲間の鷺を殺された鶴は彼らを永遠の敵と定め、復讐を誓うとか・・・どこの世も(以下略)石の間をさ迷うメフィストーフェレスの前に再び現れたホムンクルスは「最高の意味で「出来上がる」ために方々をさまよい歩いてきたけれど、どの世界へも好き好んで入って行く気にはなれません。」と言い、さかんに「自然、自然」とのたまう哲学者二人と離れたくなくてあとをつけていると語る。彼らから己がどこへ身を託すべきかを学び知ることが出来るだろう、と言うホムンクルスに「それは独力でやった方が良い。・・・迷いがあって初めて分別を持てるようになる。「出来上がろう」と思うなら、独力でやること」と応じるメフィストーフェレスの助言は的を射ているものじゃないかと感じた。
南方世界に上手く馴染めないメフィスト―フェレスを嘲るドリュアスに彼が答える「誰しも残してきたもののことをとかく考えがちなものだ。馴染んだものは、いつまで経ってもいいものさ。」((-_-)ウンウン納得。ポルキュアスたち姉妹に出会って、言葉たくみに彼女たちをからかうメフィストーフェレスに対して彼女たちが答える「やめて頂戴。芸術の題材にされた方が良いと思ったところで、それがなんの足しになるのでしょう。夜の闇に生れ出て、暗黒の一族で、誰にも知られず、自分で自分がよくわからないほどなのだから。」ってセリフに何故か共感してしまった@病んでるー\(^O^)/
ホムンクルスは人間嫌いの不平家、未来のことがわかる神ネーレウスの元を訪れる。「神々になろうと一所懸命だが、いつになっても一箇所で足踏みをしているという哀れな代物」と人間を捉えて嫌いながら「優れた人間を見ると、面倒を見てやらずにはいられない病がある。」何だツンデレかネーレウス(´-`)=3 ホムンクルスが忠告を求めていることを告げるタレースに「立派な忠告も人間にはまず馬耳東風で役に立たず、なん度もしくじって自分で自分に腹を立てるが、それで性懲りもなしに我意を張り通す。」と答えるネーレウスの言葉、全くですねサーセンm(__)m その後に現れたネーレーイデスとトリートーンたちの「類ない神々は、いつも成長なさりつつあるので、得難いものをお求めになって、憧れ飢え苦しんでおられるのです。」何だ、神も人間と一緒じゃん・・・。そんな神々を眺めつつホムンクルスが呟く「あの神さまたちは不細工で、まるで不格好な土器の壺だ。しかし賢い人たちがそれにぶつかって、固い頭を痛めるのですからね。」という言葉に「それこそが人の欲しがるものなのだ。錆がついて初めて貨幣にも値打ちが出る」と返すタレースと「そういうものこそ、わしらのような老空想家にとっては面白い。風変わりなほど、値打ちが出る」と応えるプローテウス、歴オタとして同意せざるを得ない(・・;)
タレースがプロ―テウスにホムンクルスについて説明する「精神的な特性には欠けるところはないのですが、肉体的な能力というものがなさすぎるのです。・・・だから何はともあれ肉体を欲しがっている」というセリフ、それに答えるプロ―テウスの「お前こそ文字通り処女の産んだ子だな。生れない前に、もう生れてしまったというやつだ。」これだったのか、エンジェルの言ってた未成年者の自殺のくだり!Σ(@o@;) 結局プロ―テウスはホムンクルスに「まず小さいところからやり出して、ごく小さいものを飲み込んで満足して置く。そういう風にして次第に大きくなって行って、高度のものを仕上げるようにするのだな。」とアドバイスするが、その結末は(以下略)
「神々の御稜威を厳かな人間の姿に創り刻んだのは、われわれだったのです、われわれが最初だったのです。」とのたまうテルキーネスに対しプロ―テウスが毒づく「太陽の聖なる生命の光の前では、生命のない拵え物など洒落にもならぬ。奴らは相当なものを創り上げた気になっているが、こういう高慢な手合いが一体なんだというのだ。巨大な神像がいくつも立ってはいた――が、一度の地震で滅茶苦茶にされてしまったではないか。・・・地上の営為は、それがどういうものであれ、所詮は無駄な骨折り損なのだ。波の方が生命にはずっと役に立つ。」地震と津波両方くらった宮城県民として、非常に胸に突き刺さる言葉です。人間は何てちっぽけで儚く、この世は虚しいものなのだろう、と。やっぱり仏教、諸行無常に通じる思想をこのセリフからも感じますね。
ホムンクルスに対して「精神だけの存在」として海の中へ入るように告げるプロ―テウス。「無理に上位のものの中に入ろうとするな。人間になってしまったら、それでもう終点だからな。」対してタレースは「それも事情いかんによってのことで、一時代の一人物になるのも悪くはなかろう。」とこの問答もウーン、深い((-_-) その後に現れたプシュレンやマルゼンたちのセリフ「新しい時代の者どもの目に見えずに、われら静かに動く者は、鷲のローマ人も、獅子のヴェネチア人も、キリスト教徒も、回教徒も懼れず、上にどんな支配者が君臨して、入れ代り立ち代りどんな政治をしようとも、逐い合い、殺し合おうとも、畑地や町々を蹂躙しようとも、われらは、この先ざきも永く、美しい姫君の伴をし続けるのだ。」皮肉混じりでしょうけど、いいなー羨ましい!(´Д`*)
水信者タレースの「万物は水から生れ出たものだ。万物は水によってその存在を保たれるのだ。・・・お前こそ最も活きいきとした生命を保たせてくれる源なのだ。」からの一年に一度しか娘に会えないネーレウスの親心「娘の姿は人混みの中に光って見える。こんなに遠方からも、はっきりと明るく光っている、わしの心の中では、いつも間近く、ありのままに。」は泣かせますなー(つД`) そして結局「やむにやまれぬ憧れを示す兆候」に襲われたホムンクルスくん・・・(´;ω;`)ブワッ
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優雅な土地、妖精さんのおかげでグレートヒェンちゃんの悲劇忘れやがったコイツー!(^ω^#)ビッキビキビキ でも結局太陽の眩さに耐えかねて背を向けるとか(笑)「虹は人間の営為を映し出す鏡だ。虹を見れば、人生とは色とりどりの影にすぎぬということが、よくよく納得できるはずだ。」このフレーズはうちらの現世は所詮夢幻に過ぎない、という考え方に近いですね。
で、今度は皇帝の居城に潜り込んだ悪魔コンビ。宰相が皇帝に奏上する「誤りの世界の繰広げられておりまするその有様」が今の世界とピッタリ同じ。「罪なき者も有力な後ろ盾がなければ有罪になり、世間の万事がばらばらになって当然のことが当然でなくなる。このような有様で人を正道へ導く徳義心が育つものでしょうか。とどのつまりは心正しき者も、へつらい者や賄賂を使う者になびくようになり、正しく断罪することのできぬ裁判官は、ついには悪人の仲間入りを致します。・・・なろうことならこの一幅の画面を厚い布で覆いたいのでございます。・・・万人が互いに害を加え合う有様では、帝王の尊厳すら安泰だとは申せますまい。」スッゲー阿Qの世界が過った(´-`)つーか現代中.国もそうかな。近/衛兵さんかな。あとは高速鉄道の選定で浅はかな決断下して更迭されたイ○ドネシアの閣僚とか、何の役にも立ってない某国.連とか? ウチの政治家どももそうっすかね。
続く兵部卿の世の乱れを嘆く言葉「本来兵士たちが護るべきであった帝国は、掠奪の犠牲となり、荒廃の手に委ねられております。われわれは拱手傍観するの余儀なきに到り、すでに国の大半は収拾のつかぬ状態にございます。国外にも諸王が支配しておられまするが、どなたもこのような世の乱れを真剣にお考えにはなりません。」更に大蔵卿「盟邦の支配者たちが頼りになるものでございましょうか。・・・陛下のしろしめす広大な国土も、今では一体何人の有に帰しておるのでございましょうか。・・・もう権利らしい権利は何一つわれわれの手許には残っておりませぬ。それからまた数々の党派も、今では全く頼りになりませぬ。党派の連中の賛成も非難も、好意も憎悪も、ただもうお座なりのものにすぎぬようになってしまいました。・・・当節では隣国に救いの手をのべようなどとはどの国も致しませぬ。国という国が自分たちの事に追われて手一杯という有様でございます。金の流入口はふさがれてしまいましたので、銘々で引っ掻いたり、掘ったり、寄せ集めたりで、国庫はいつも空なのでございます。」え、これまさに現代社会そのものじゃね?Σ(゜Д゜;)
そんな中でメフィストーフェレス、その苦境を乗り越えるには「有意な男の資性と精神の力」が必要だとのたまわる。(ついに出てきたね、エンジェルちゃん!)それに対する宰相のブチ切れっぷり、「そのような考えが危険この上もないからこそ、無神論者は焼き殺してしまうのだ。資性は罪悪、精神は悪魔、これら二つが夫婦になって懐疑という名の見るもぶざまなふたなり児を産むのだ。・・・反抗などと申すものは、精神の混乱せる愚民の気紛れから生ずるのだ。・・・この手合いこそ国家、国土を危うくする。」王権神授説というか、キリ○ト教が封建制維持のために民衆を管理するための宗教として用いられてきた理由・発想が何となく理解できました。儒教こそが最もそのシステムに適した思想なんじゃないかと考えてきたんだけど(上下関係の秩序が絶対、という意味で)、なるほど一度コレを植え付けちゃうと植民地支配されようが奴隷のように搾取されようが納得というか全てを正当化できてしまうわけね。外れたら宗教的罪人の側に堕ちてしまうから。異端者のあぶり出しもできる。それが魔女狩り、まさに近/衛兵と同じ制度。ウチの連帯責任とどっちが有用だったのかな?^^
そんな宰相に「自分の目で見て触れぬものはないも同然だと考えておられる」と嫌味を言うメフィストーフェレスの企み。「恐ろしい暗闇の中にこそすばらしいものが隠れている」とうそぶく彼に、皇帝は「暗闇にあるものなど、なんの役に立つか。値打ちのあるものは、白日の下に出てこなければならぬ。」と答え、メフィストーフェレスと彼にせりふをもらった天文博士は「自らの手で得ようとしなければ欲しいものは手に入らない」と訴える。それでも謝肉祭の宴へ戻ってしまった皇帝にメフィストーフェレスが呟く「功労あっての幸福ということを、愚人は悟る時がない。よしんば賢者の石を得たとしても、石あって賢者なしというやつさ。」という言葉がさすが長く生きた悪魔ゆえに捉えられた真理だな、と(^^;
そして会堂の仮想舞踏会、司会者の皮肉の効いたオープニングトーク「陛下は私どものために道化の帽子をお持ち帰りになり、私どもは皆生れ変りました。世慣れた人間は誰しもこの帽子をいい気分になってすっぽりかぶるのです。なるほど多少は阿保じみますが、帽子の下はいくらでも利口でいられます。・・・所詮この世は茶番沢山で、昔も今も変りなく、ひとりの大馬鹿者のようなものですからね。」庭作りの男女と造花、生きた植物のやりとりは「流行」と「本物」への皮肉が込められているのかな? その後に出てくる俗世に生きる様々な人々のセリフには今も変らぬ人間の生活のリアルが見えるなぁ。
運命の女神アトロポス「命の糸は細くて切れやすい・・・この糸の限りのある強さをお考えになり、用心なさいまし」その姉に対してクロートー「あの人は無益な運命の糸を引っ張って、一番すばらしい希望の糸を断ち切って墓穴へ引きずって行く」秩序を保つラケシスの「ひょっとしてわたしが気を許すと、世の中は大変なことになるでしょう。」という言葉が意味深長ですね(´∀`;) 続いて復讐の女神たちの登場を知らせる司会者「なるほど気の許せない連中だが、今日という日は天下の馬鹿者という馬鹿者が自分の欠点を自慢するのだから、あの連中も厄介者と名告って出るのです。」恋人や夫婦を引き裂く彼女たちの一神、メガイラのセリフ「人の心はいつまでも同じではないし、時も移り変わって行く。人間というものは望んで得たものをしっかりと握ってはいないで、愚かにももっといいものが欲しいと憧れ、一番すばらしい幸福にもすぐに慣れっこになってしまうのです。」あ、あー確かに!と感じざるを得ない(´Д`;) 次に登場したのは怪物に乗った貴婦人と鎖に繋がれた女二人。「ひとりは自由を求め、もうひとりは自在を得ている」この正体が恐怖と希望!でもって貴婦人が賢明とは(((゜Д゜;)))gkbr「私は人類最大の敵のふたり、恐怖と希望を鎖につないで、社会から遠ざけておくのです。さあ、道を空けて下さい。皆さんは救われたのだ。」おおう!(@_@;)
富の神プルートスが従える童形の馭者が浪費であり詩、というのが面白い。「自分の一番大切な宝を惜しみなく浪費する時にこそ、自分の本分を尽したことになる詩人なのです。・・・全ての富を持つプルートス様にないものを私は差上げるのです。」と言って彼が指で弾いて出した宝に群がる人々、まるで『千と千尋~』の湯屋に潜り込んだカオナシのエピソードみたい。宝がみんな虫になって、馭者は司会者に向かい「物事の奥底を見極めるにはもっと目が利かなければ」と告げてからプルートスに己の献身について尋ねる。「そちはわしの精神の精神だ」と返され、馭者(詩人)が群衆に語る「私の燃やした小さな炎は、皆さんの頭の上で燃え輝いています。それは人の頭から頭へ跳ね飛んで、ある人の頭では燃え続けるが、別の人からは逃げて行く。燃え上がることは滅多になく、ぱっと燃えさかるのも束の間のことです。そうして大抵は知らないうちに哀れにも燃え尽きてしまうのです。」これはゲーテ自身の作家・詩人・文学者として世に在ろうとした、社会に抗おうとした行為や生き方への虚しさを示しているのではないか、と思えてならない(>_<;)
貪欲の言う「おれは遮二無二ためこんだ。それが今じゃ没趣味なことらしい。」からの遊苑の場面で詐欺のような紙幣が出てくるくだり、まさにアベ○ミクス、金融緩和のお話ですかー!?と(ノ∀`) 担保が地中に眠っているはずの金塊、って、将来世代にツケ払わせる積み上がった国債なの? 中.国さんの不動産バブルなの? はたまた弾け飛んだサブプラ○ムか、人間って二百年経っても何も変わってませんよゲーテさーん!(∩^O^∩) 「詐欺も同然の重大な犯罪」とおののく皇帝に「高邁な見識を持った人間なら、無際限のものに対しして、無際限な信を置くことが出来るのでございます。」とのたまうファウスト、すっかり悪魔の仲間入りやでぇ。
でもってまたプルートスと馭者のくだりに戻ると、「さてこれでそちは厄介極まりない重荷から解放された。自由な身の上と相成った今、さっさと自分の世界へ戻って行くがよい。ここはその方の世界ではない。・・・善と美のみが支配するところ、孤独の境界へ住くがよい――そこにその方の世界を創るがよい。」ファウストも初めはそこを目指してたはずなんだけどな(´;ω;`) 主にそう言われて応じる馭者の「あなた様がおわしますところには富裕があり、私がおりまするところでは誰もが大変な得をした気になることでしょう。あなた様にお仕えしようか、それとも私の味方になろうか、とどちらつかずの生き方をして迷う者もおりましょう。・・・私の仕事というものは、出来上がってしまうと隠しておくというわけには参りません。ちょっと息をしただけでも、もう私という事がわかってしまうのです。」んー、芸術か富か、現実的な問答だなぁ((-_-)ウンウン
で、今度こそ自分の宝箱を開けてみせたプルートスに再び群がる群衆を見て呆れ返る司会者、「諸君、少し頭が悪いね。洒落た空の遊び事が、剥き出しの真実でなければならんというのですか。諸君のいわゆる真実とはなんです――空々漠々の、妄想の尻尾をつかまえて、これぞ真実と思っているにすぎないのにねぇ」群集を追っ払い、貪欲の馬鹿ぶりを放り出したプルートスが近づくただならぬ気配に言う言葉「もうじきにあんな茶番などはやっていられなくなるだろう。法の力は強いが、必然の力はさらに強い。」もまた意味深。「わしは誰もが知らぬことをよく知っておるのだ。この狭い縄張りを解いてやろう。幸運にぶつかればいいが。不思議この上ないことが起るかも知れぬ。あれらは、自分たちがどこへ向って進んで行くのか知らぬのだ。一向に用心ということをせぬようだ。」・・・だって、それが群集心理というものだもの(´-`) 土の精グノームたちの「根っからの善意で掘り出した黄金も盗人や女衒を作る基になるのだから情けない。鉄に不自由な想いをさせまいとすれば、傲った奴は刀を作って戦争などをやらかす。三つの戒律を軽んずる奴は、ほかの戒律も守りはしないのさ。」ってセリフにお馬鹿な人間の一人として心からサーセン、と思いましたm(__)m
最後は炎の中の宝を求めて皇帝も臣下もまとめて焼け死ぬ光景を目の当たりにした司会者の「諸人を破滅の淵へ誘い込んだ奴は誰だ。ああ、青春よ、お前は悦びの清らかな限界内に踏みとどまることはできないのか。ああ皇帝陛下よ、全能であらせられて、かつ又、御思慮深くお振舞い遊ばすことはお出来にならないのであろうか。・・・果たしてわれわれは助かるだろうか。帝室の栄華も、この一夜にしてむなしく灰燼に帰するのか」ってセリフがもう!世界中の為政者(+そうなろうとしている立場の人たち)に聞かせてやりたい、と感じた(つД`) U Nも米ボス選候補者も隣も北も南もE Uの連中も南米も東南アジアも何やってんの? 民衆から実権預けられてる身で情けないことこの上ない。みみっちい己の権力の保持だけにこだわってんじゃないよ、ちゃんと問題と向き合って解決してみせろっての、世襲の王や皇帝と違って少なくとも自ら望んでその立場に立ったんだから、と言いたくなってしまうよね☆
遊苑のくだりで「まやかしの紙幣」を作り出して目下の問題を解決し(たように見せかけ。笑)、今度は古代の伝説の英雄と美女を蘇らせるようムチャぶりされた悪魔コンビ。暗い回廊で己の過去を振り返るファウストの「空しいことを学び、教えた――己が考えた通りを筋道立てて並べると、反対の声がその倍も大きく起ってきたものだ。だから己は不快な世俗を逃れて、寂寥と荒涼の中へ赴いて、そして全くひとりぼっちでいるのもいやで、結局は悪魔に身を委ねた」うーん、この学問否定の矛盾と葛藤の心境、エンジェルも共感しただろうなぁ。そしてもちろん私も\(^O^)/
メフィストーフェレスにそそのかされるまま、「よろしい、底の底を極めてみようか。君のいわゆる虚無の中に万有が見出されるだろう。」と冥府から亡霊を連れてくる覚悟を決めたファウスト。メフィストーフェレスが「母の国」と呼ぶその響きに戦慄するファウストに「耳慣れない言葉に尻込みするほど器量が狭いのか。聴き慣れた言葉ばかりを聴こうというのですか。」とこの辺は悪魔の方便と分かっていても胸に刺さるな(・・;)「それでも己は物に動じないということを必ずしもいいことだとは考えないのだ。驚く、これは人間の最善の特性ではあるまいか。世間はこの「驚き」という感情を味わわせてくれないようになってきたが、驚き撃たれてこそ、巨大な神秘に参入しうるのだ。」・・・やっぱりファウストは知性が鋭すぎる故に悪魔に魅入られてしまったのだ、と感じる一言。メフィストーフェレス曰く、現世は「すでに創り終えられたものの国」そしてファウストの赴く場所は「対象の揺らめく絶対の世界」、「もうとうに存在しなくなったもの」がおり、彼の「母たち」はその時次第で形を変える。永遠のたわむれ。・・・正直ちょっと行ってみたい(ゴクリ)
騎士の広間でまた始まったヒネクレやりとり、建築家の古代様式落とし(笑)「気がきかなくて、重たすぎるとでも評すべきか。未開が高貴と言われ、不器用なのが偉大といわれる」全くこれだから地震のない国は(´Д`)=3パルテノンの柱の耐震性は凄いんやで!第二幕終盤に地中海古代の怪物たちの世界を訪ったメフィストーフェレスが地震におののく様とか見ても感じられますよね。「変わらないものは何一つない」世界。それでも決して動じぬと決意するスフィンクスに胸打たれ過ぎてウチにある子を眺めながら読んでました(笑)スノードームと同じ仕組みで、ピラミッド型の中に金粉が降り注ぐ仕組みになってます。どこで買ったんだかもらったんだか忘れたけど(^^; パピルスの栞とか色々あるなーエジプ○グッズ。最初に歴史にハマったキッカケだし、結構好きなの知られてたからお土産とかでも結構いただいた(-m-)ありがたや!建築家に対する天文博士の「魔法の言葉で理性の口を封ずるがよろしい。・・・不可能だからこそ、信ずるに値するというものではありますまいか。」悪魔にセリフ付けてもらってた点といい、ダメだなこのオッサンは(呆)
「母たち」の世界から帰って来たファウスト、「おんみらの頭の周囲には生命なき生命の像が活発に漂い動いている。かつて光耀と仮象のうちに在ったものがそこには動いている。なぜならそれは永遠に存在しようと欲するからだ。」そんな理由で霊魂が存在するとしたら、それほど哀しいことはない、と私なぞは考えてしまう(´・ω・`) で、自ら呼び出したヘレネ―にウッカリ魅せられやがるクソ野郎(^^#)ビキビキ 「己にとって今日までの世界は、なんと下らぬ、訳のわからぬものだっただろうか。ところが己が美の司祭になってこの方、一体どうだろうか。この世はそれ以来初めて生き甲斐のある、根のしっかりとした、永続きのするものになったのだ。・・・お前こそ、己が己の一切の力の働きを、情熱のすべてを、憧れと愛と、拝跪と狂気とを捧ぐるに足る存在だ。」だと? おーいムネモシュネさーん!相方のレテさんが忘れさせたグレートヒェンちゃんの記憶を今すぐコイツに戻してやって!∩(゜Д゜∩)
でもってパリスとヘレネーに対する宮廷の男女の反応も今と全く変わりませんな(笑)嫉妬と羨望、男はイケメンを、女は美女を貶める。学者の「人はとかく眼前のものに眩惑されがちで、わたしとしては書かれたものを最も信用したいのです。」アーチャー主教かよ、ってセリフにこの場は何故か救われる思い。ファウストは完全にイッてしまっている。「己はここにこうしてしっかりと足を踏まえている。ここには現実の場がある。ここでなら精神は亡霊どもと相戦って、偉大な、二重の帝国を築くことができるのだ。・・・己はあの女を救うのだ、あの女は二重の意味で己のものなのだ。」まぁ元ネタ伝説のお約束で、神話上有名な戦いの元になっただけの美女とはいえ(-_-;) 「やれやれ、とうとうこのざまだ。馬鹿者を背負い込むと、結局悪魔でさえ割を食ってしまうのさ。」ってメフィストーフェレスの言葉に初めて同情したわ。
一幕の感想だけでこの時間になってたので、二幕の感想は明日?あたり時間あったら書きますm(__)m いやー、昔の戯曲だの何だのって改めて真理詰まってて面白いな!
で、今度は皇帝の居城に潜り込んだ悪魔コンビ。宰相が皇帝に奏上する「誤りの世界の繰広げられておりまするその有様」が今の世界とピッタリ同じ。「罪なき者も有力な後ろ盾がなければ有罪になり、世間の万事がばらばらになって当然のことが当然でなくなる。このような有様で人を正道へ導く徳義心が育つものでしょうか。とどのつまりは心正しき者も、へつらい者や賄賂を使う者になびくようになり、正しく断罪することのできぬ裁判官は、ついには悪人の仲間入りを致します。・・・なろうことならこの一幅の画面を厚い布で覆いたいのでございます。・・・万人が互いに害を加え合う有様では、帝王の尊厳すら安泰だとは申せますまい。」スッゲー阿Qの世界が過った(´-`)つーか現代中.国もそうかな。近/衛兵さんかな。あとは高速鉄道の選定で浅はかな決断下して更迭されたイ○ドネシアの閣僚とか、何の役にも立ってない某国.連とか? ウチの政治家どももそうっすかね。
続く兵部卿の世の乱れを嘆く言葉「本来兵士たちが護るべきであった帝国は、掠奪の犠牲となり、荒廃の手に委ねられております。われわれは拱手傍観するの余儀なきに到り、すでに国の大半は収拾のつかぬ状態にございます。国外にも諸王が支配しておられまするが、どなたもこのような世の乱れを真剣にお考えにはなりません。」更に大蔵卿「盟邦の支配者たちが頼りになるものでございましょうか。・・・陛下のしろしめす広大な国土も、今では一体何人の有に帰しておるのでございましょうか。・・・もう権利らしい権利は何一つわれわれの手許には残っておりませぬ。それからまた数々の党派も、今では全く頼りになりませぬ。党派の連中の賛成も非難も、好意も憎悪も、ただもうお座なりのものにすぎぬようになってしまいました。・・・当節では隣国に救いの手をのべようなどとはどの国も致しませぬ。国という国が自分たちの事に追われて手一杯という有様でございます。金の流入口はふさがれてしまいましたので、銘々で引っ掻いたり、掘ったり、寄せ集めたりで、国庫はいつも空なのでございます。」え、これまさに現代社会そのものじゃね?Σ(゜Д゜;)
そんな中でメフィストーフェレス、その苦境を乗り越えるには「有意な男の資性と精神の力」が必要だとのたまわる。(ついに出てきたね、エンジェルちゃん!)それに対する宰相のブチ切れっぷり、「そのような考えが危険この上もないからこそ、無神論者は焼き殺してしまうのだ。資性は罪悪、精神は悪魔、これら二つが夫婦になって懐疑という名の見るもぶざまなふたなり児を産むのだ。・・・反抗などと申すものは、精神の混乱せる愚民の気紛れから生ずるのだ。・・・この手合いこそ国家、国土を危うくする。」王権神授説というか、キリ○ト教が封建制維持のために民衆を管理するための宗教として用いられてきた理由・発想が何となく理解できました。儒教こそが最もそのシステムに適した思想なんじゃないかと考えてきたんだけど(上下関係の秩序が絶対、という意味で)、なるほど一度コレを植え付けちゃうと植民地支配されようが奴隷のように搾取されようが納得というか全てを正当化できてしまうわけね。外れたら宗教的罪人の側に堕ちてしまうから。異端者のあぶり出しもできる。それが魔女狩り、まさに近/衛兵と同じ制度。ウチの連帯責任とどっちが有用だったのかな?^^
そんな宰相に「自分の目で見て触れぬものはないも同然だと考えておられる」と嫌味を言うメフィストーフェレスの企み。「恐ろしい暗闇の中にこそすばらしいものが隠れている」とうそぶく彼に、皇帝は「暗闇にあるものなど、なんの役に立つか。値打ちのあるものは、白日の下に出てこなければならぬ。」と答え、メフィストーフェレスと彼にせりふをもらった天文博士は「自らの手で得ようとしなければ欲しいものは手に入らない」と訴える。それでも謝肉祭の宴へ戻ってしまった皇帝にメフィストーフェレスが呟く「功労あっての幸福ということを、愚人は悟る時がない。よしんば賢者の石を得たとしても、石あって賢者なしというやつさ。」という言葉がさすが長く生きた悪魔ゆえに捉えられた真理だな、と(^^;
そして会堂の仮想舞踏会、司会者の皮肉の効いたオープニングトーク「陛下は私どものために道化の帽子をお持ち帰りになり、私どもは皆生れ変りました。世慣れた人間は誰しもこの帽子をいい気分になってすっぽりかぶるのです。なるほど多少は阿保じみますが、帽子の下はいくらでも利口でいられます。・・・所詮この世は茶番沢山で、昔も今も変りなく、ひとりの大馬鹿者のようなものですからね。」庭作りの男女と造花、生きた植物のやりとりは「流行」と「本物」への皮肉が込められているのかな? その後に出てくる俗世に生きる様々な人々のセリフには今も変らぬ人間の生活のリアルが見えるなぁ。
運命の女神アトロポス「命の糸は細くて切れやすい・・・この糸の限りのある強さをお考えになり、用心なさいまし」その姉に対してクロートー「あの人は無益な運命の糸を引っ張って、一番すばらしい希望の糸を断ち切って墓穴へ引きずって行く」秩序を保つラケシスの「ひょっとしてわたしが気を許すと、世の中は大変なことになるでしょう。」という言葉が意味深長ですね(´∀`;) 続いて復讐の女神たちの登場を知らせる司会者「なるほど気の許せない連中だが、今日という日は天下の馬鹿者という馬鹿者が自分の欠点を自慢するのだから、あの連中も厄介者と名告って出るのです。」恋人や夫婦を引き裂く彼女たちの一神、メガイラのセリフ「人の心はいつまでも同じではないし、時も移り変わって行く。人間というものは望んで得たものをしっかりと握ってはいないで、愚かにももっといいものが欲しいと憧れ、一番すばらしい幸福にもすぐに慣れっこになってしまうのです。」あ、あー確かに!と感じざるを得ない(´Д`;) 次に登場したのは怪物に乗った貴婦人と鎖に繋がれた女二人。「ひとりは自由を求め、もうひとりは自在を得ている」この正体が恐怖と希望!でもって貴婦人が賢明とは(((゜Д゜;)))gkbr「私は人類最大の敵のふたり、恐怖と希望を鎖につないで、社会から遠ざけておくのです。さあ、道を空けて下さい。皆さんは救われたのだ。」おおう!(@_@;)
富の神プルートスが従える童形の馭者が浪費であり詩、というのが面白い。「自分の一番大切な宝を惜しみなく浪費する時にこそ、自分の本分を尽したことになる詩人なのです。・・・全ての富を持つプルートス様にないものを私は差上げるのです。」と言って彼が指で弾いて出した宝に群がる人々、まるで『千と千尋~』の湯屋に潜り込んだカオナシのエピソードみたい。宝がみんな虫になって、馭者は司会者に向かい「物事の奥底を見極めるにはもっと目が利かなければ」と告げてからプルートスに己の献身について尋ねる。「そちはわしの精神の精神だ」と返され、馭者(詩人)が群衆に語る「私の燃やした小さな炎は、皆さんの頭の上で燃え輝いています。それは人の頭から頭へ跳ね飛んで、ある人の頭では燃え続けるが、別の人からは逃げて行く。燃え上がることは滅多になく、ぱっと燃えさかるのも束の間のことです。そうして大抵は知らないうちに哀れにも燃え尽きてしまうのです。」これはゲーテ自身の作家・詩人・文学者として世に在ろうとした、社会に抗おうとした行為や生き方への虚しさを示しているのではないか、と思えてならない(>_<;)
貪欲の言う「おれは遮二無二ためこんだ。それが今じゃ没趣味なことらしい。」からの遊苑の場面で詐欺のような紙幣が出てくるくだり、まさにアベ○ミクス、金融緩和のお話ですかー!?と(ノ∀`) 担保が地中に眠っているはずの金塊、って、将来世代にツケ払わせる積み上がった国債なの? 中.国さんの不動産バブルなの? はたまた弾け飛んだサブプラ○ムか、人間って二百年経っても何も変わってませんよゲーテさーん!(∩^O^∩) 「詐欺も同然の重大な犯罪」とおののく皇帝に「高邁な見識を持った人間なら、無際限のものに対しして、無際限な信を置くことが出来るのでございます。」とのたまうファウスト、すっかり悪魔の仲間入りやでぇ。
でもってまたプルートスと馭者のくだりに戻ると、「さてこれでそちは厄介極まりない重荷から解放された。自由な身の上と相成った今、さっさと自分の世界へ戻って行くがよい。ここはその方の世界ではない。・・・善と美のみが支配するところ、孤独の境界へ住くがよい――そこにその方の世界を創るがよい。」ファウストも初めはそこを目指してたはずなんだけどな(´;ω;`) 主にそう言われて応じる馭者の「あなた様がおわしますところには富裕があり、私がおりまするところでは誰もが大変な得をした気になることでしょう。あなた様にお仕えしようか、それとも私の味方になろうか、とどちらつかずの生き方をして迷う者もおりましょう。・・・私の仕事というものは、出来上がってしまうと隠しておくというわけには参りません。ちょっと息をしただけでも、もう私という事がわかってしまうのです。」んー、芸術か富か、現実的な問答だなぁ((-_-)ウンウン
で、今度こそ自分の宝箱を開けてみせたプルートスに再び群がる群衆を見て呆れ返る司会者、「諸君、少し頭が悪いね。洒落た空の遊び事が、剥き出しの真実でなければならんというのですか。諸君のいわゆる真実とはなんです――空々漠々の、妄想の尻尾をつかまえて、これぞ真実と思っているにすぎないのにねぇ」群集を追っ払い、貪欲の馬鹿ぶりを放り出したプルートスが近づくただならぬ気配に言う言葉「もうじきにあんな茶番などはやっていられなくなるだろう。法の力は強いが、必然の力はさらに強い。」もまた意味深。「わしは誰もが知らぬことをよく知っておるのだ。この狭い縄張りを解いてやろう。幸運にぶつかればいいが。不思議この上ないことが起るかも知れぬ。あれらは、自分たちがどこへ向って進んで行くのか知らぬのだ。一向に用心ということをせぬようだ。」・・・だって、それが群集心理というものだもの(´-`) 土の精グノームたちの「根っからの善意で掘り出した黄金も盗人や女衒を作る基になるのだから情けない。鉄に不自由な想いをさせまいとすれば、傲った奴は刀を作って戦争などをやらかす。三つの戒律を軽んずる奴は、ほかの戒律も守りはしないのさ。」ってセリフにお馬鹿な人間の一人として心からサーセン、と思いましたm(__)m
最後は炎の中の宝を求めて皇帝も臣下もまとめて焼け死ぬ光景を目の当たりにした司会者の「諸人を破滅の淵へ誘い込んだ奴は誰だ。ああ、青春よ、お前は悦びの清らかな限界内に踏みとどまることはできないのか。ああ皇帝陛下よ、全能であらせられて、かつ又、御思慮深くお振舞い遊ばすことはお出来にならないのであろうか。・・・果たしてわれわれは助かるだろうか。帝室の栄華も、この一夜にしてむなしく灰燼に帰するのか」ってセリフがもう!世界中の為政者(+そうなろうとしている立場の人たち)に聞かせてやりたい、と感じた(つД`) U Nも米ボス選候補者も隣も北も南もE Uの連中も南米も東南アジアも何やってんの? 民衆から実権預けられてる身で情けないことこの上ない。みみっちい己の権力の保持だけにこだわってんじゃないよ、ちゃんと問題と向き合って解決してみせろっての、世襲の王や皇帝と違って少なくとも自ら望んでその立場に立ったんだから、と言いたくなってしまうよね☆
遊苑のくだりで「まやかしの紙幣」を作り出して目下の問題を解決し(たように見せかけ。笑)、今度は古代の伝説の英雄と美女を蘇らせるようムチャぶりされた悪魔コンビ。暗い回廊で己の過去を振り返るファウストの「空しいことを学び、教えた――己が考えた通りを筋道立てて並べると、反対の声がその倍も大きく起ってきたものだ。だから己は不快な世俗を逃れて、寂寥と荒涼の中へ赴いて、そして全くひとりぼっちでいるのもいやで、結局は悪魔に身を委ねた」うーん、この学問否定の矛盾と葛藤の心境、エンジェルも共感しただろうなぁ。そしてもちろん私も\(^O^)/
メフィストーフェレスにそそのかされるまま、「よろしい、底の底を極めてみようか。君のいわゆる虚無の中に万有が見出されるだろう。」と冥府から亡霊を連れてくる覚悟を決めたファウスト。メフィストーフェレスが「母の国」と呼ぶその響きに戦慄するファウストに「耳慣れない言葉に尻込みするほど器量が狭いのか。聴き慣れた言葉ばかりを聴こうというのですか。」とこの辺は悪魔の方便と分かっていても胸に刺さるな(・・;)「それでも己は物に動じないということを必ずしもいいことだとは考えないのだ。驚く、これは人間の最善の特性ではあるまいか。世間はこの「驚き」という感情を味わわせてくれないようになってきたが、驚き撃たれてこそ、巨大な神秘に参入しうるのだ。」・・・やっぱりファウストは知性が鋭すぎる故に悪魔に魅入られてしまったのだ、と感じる一言。メフィストーフェレス曰く、現世は「すでに創り終えられたものの国」そしてファウストの赴く場所は「対象の揺らめく絶対の世界」、「もうとうに存在しなくなったもの」がおり、彼の「母たち」はその時次第で形を変える。永遠のたわむれ。・・・正直ちょっと行ってみたい(ゴクリ)
騎士の広間でまた始まったヒネクレやりとり、建築家の古代様式落とし(笑)「気がきかなくて、重たすぎるとでも評すべきか。未開が高貴と言われ、不器用なのが偉大といわれる」全くこれだから地震のない国は(´Д`)=3パルテノンの柱の耐震性は凄いんやで!第二幕終盤に地中海古代の怪物たちの世界を訪ったメフィストーフェレスが地震におののく様とか見ても感じられますよね。「変わらないものは何一つない」世界。それでも決して動じぬと決意するスフィンクスに胸打たれ過ぎてウチにある子を眺めながら読んでました(笑)スノードームと同じ仕組みで、ピラミッド型の中に金粉が降り注ぐ仕組みになってます。どこで買ったんだかもらったんだか忘れたけど(^^; パピルスの栞とか色々あるなーエジプ○グッズ。最初に歴史にハマったキッカケだし、結構好きなの知られてたからお土産とかでも結構いただいた(-m-)ありがたや!建築家に対する天文博士の「魔法の言葉で理性の口を封ずるがよろしい。・・・不可能だからこそ、信ずるに値するというものではありますまいか。」悪魔にセリフ付けてもらってた点といい、ダメだなこのオッサンは(呆)
「母たち」の世界から帰って来たファウスト、「おんみらの頭の周囲には生命なき生命の像が活発に漂い動いている。かつて光耀と仮象のうちに在ったものがそこには動いている。なぜならそれは永遠に存在しようと欲するからだ。」そんな理由で霊魂が存在するとしたら、それほど哀しいことはない、と私なぞは考えてしまう(´・ω・`) で、自ら呼び出したヘレネ―にウッカリ魅せられやがるクソ野郎(^^#)ビキビキ 「己にとって今日までの世界は、なんと下らぬ、訳のわからぬものだっただろうか。ところが己が美の司祭になってこの方、一体どうだろうか。この世はそれ以来初めて生き甲斐のある、根のしっかりとした、永続きのするものになったのだ。・・・お前こそ、己が己の一切の力の働きを、情熱のすべてを、憧れと愛と、拝跪と狂気とを捧ぐるに足る存在だ。」だと? おーいムネモシュネさーん!相方のレテさんが忘れさせたグレートヒェンちゃんの記憶を今すぐコイツに戻してやって!∩(゜Д゜∩)
でもってパリスとヘレネーに対する宮廷の男女の反応も今と全く変わりませんな(笑)嫉妬と羨望、男はイケメンを、女は美女を貶める。学者の「人はとかく眼前のものに眩惑されがちで、わたしとしては書かれたものを最も信用したいのです。」アーチャー主教かよ、ってセリフにこの場は何故か救われる思い。ファウストは完全にイッてしまっている。「己はここにこうしてしっかりと足を踏まえている。ここには現実の場がある。ここでなら精神は亡霊どもと相戦って、偉大な、二重の帝国を築くことができるのだ。・・・己はあの女を救うのだ、あの女は二重の意味で己のものなのだ。」まぁ元ネタ伝説のお約束で、神話上有名な戦いの元になっただけの美女とはいえ(-_-;) 「やれやれ、とうとうこのざまだ。馬鹿者を背負い込むと、結局悪魔でさえ割を食ってしまうのさ。」ってメフィストーフェレスの言葉に初めて同情したわ。
一幕の感想だけでこの時間になってたので、二幕の感想は明日?あたり時間あったら書きますm(__)m いやー、昔の戯曲だの何だのって改めて真理詰まってて面白いな!
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ぶっちゃけ朝から妹に5回くらい「タヒね」言われてちょっとファウスト行けるテンションじゃねーわ、と絵巻物本と昨日見っけた諸々パラパラめくってたんですけど。いやー、日/本のマンガ文化って今に始まったもんじゃないね!デフォルメの美しさと押し引きの技術が半端ない(@_@;) 西洋絵画ってまぁ大体がパトロンありの宗教画・偉人像ばっかでとにかくこれでもか!って解読しないといけないメッセージやキャラクター詰め込んでくるじゃないですか。でも日.本の絵巻って違うの、全体のバランス、余白だったり背景をどこまで描くかとか、人の表情や動きをどこまで見せるか、そっちの方に重点を置いてる。繋がって眺める巻物のせいか、とてもシンプルなんですよね。あくまでその場面で起こったこと、伝えたいストーリーだけを効果的に集中して描いている。でもってそこに登場する人々や動物たちの生き生きとしてコミカルな様!可愛いったらねーっつの(;´д`*)ハァハァ 「かわいい」の表面的概念は変わっても、ずーっとそういうネタやものを好んできたのは変わらないんだなウチら(笑)って改めて思います。
あと某放屁絵巻の結末が結構ブラックでビックリした(*_*; ほら、いざ展示されてるのって一部だけだったり混み混みでじっくり解説読めなかったりするじゃない・・・だからそん時に買った図録を見返してたらね、ちゃんとフルストーリーが書いてあって(^ω^)うおお知りたくなかったでござる! それと、鳥獣戯画の風刺画としての側面を改めて見直して、寺がソレを保管してきたのがすごいな、って。日/本って平気でそういうことやりよるよねー(^-^; 他の国だったら焚書もんやで、ってものが当の揶揄られてる相手のトコに大事に残ってる、とか。兎と蛙と猿と狐、それぞれに人格というか込められた皮肉があって、一般的なおちゃらけひょうきん者・茶化す側のビョンピョン兎とちょっとマヌケな勘違い蛙、賢ぶって偉そうに振る舞う猿、表には余り出なくてもコッソリたち振る舞って周囲のおこぼれ狙う狐、と上手く人間の個性それぞれを表してるなー、と。もちろんその滑稽さを含め、動きや表情は抜群に可愛いしね!
追記:安野さんの平家物語も見返してやっぱり大好きだなー、と涙が出た。敗者、一瞬で権力が入れ替わり都を追われる身となった人々、世の儚さをこうまで美しく描けるものか。オフィーリアの死にだって負けてないよ!しかも史実だ!(あちらさんは諸事情により?平家を発禁なさろうとしたこともあるようで・・・)私、こういうストーリーが盲目の琵琶法師によって全国津々浦々に語り続けられてきたような、それが赦されてきた日.本の文化や精神が大好きなんです。誇りを持って平家の落人を名乗る集落が全国にいくつある?(母方の祖父によると私もその血を引いているらしいですが^^)大鏡も吾妻鏡も容赦なく為政者のスキャンダルや悪口と取れないこともない記述載せてるし、帝と呼ばれる存在が唯一の国でフィクションのネタにどんだけ使われてんだよ(ノ∀`) 『とはずがたり』なんか文/春も真っ青の暴露本も良いとこ。しかも南北朝もめてる真っ最中に何やってんすか主.上(笑)そういうのを焼かない、処分しない、どころか貴族や当のネタにされてる一族の側で残してたり文化や教養として深く広く親しまれてきたり、って歴史が良いよネー、と思っちゃうんだ。恨むのではなく、貶め消し去るのでもなく、和して融け合う。このやり方は非常に誇れる発想なのではないかと。
で、今日もう一つ元気くれたのは何とも切ない山田詠美『タイニー・ストーリーズ』収録の電信柱とプリムラの恋話。笑えるんだけど、とっても切ない(´;ω;`) これも色々暗喩が秘められているのかなー? 世間の不条理に耐え、仲間以外にはグチも言えず動くこともできない電信柱さんが初めて知った恋。偶然足元に訪れた幸福を、プリムラの成長をずっと見守って、咲かんとする蕾に胸を高鳴らせて。そして迎えた蜜月、初めての幸せ。束の間のソレはあっという間に突然の終わりを迎え、プリムラの花言葉通り、電信柱は本当に無言の電信柱に戻ってしまう。何かすごくおかしくて哀しくて愛しい読後感でした( TДT)山田詠美やっぱ好きだな!
あと某放屁絵巻の結末が結構ブラックでビックリした(*_*; ほら、いざ展示されてるのって一部だけだったり混み混みでじっくり解説読めなかったりするじゃない・・・だからそん時に買った図録を見返してたらね、ちゃんとフルストーリーが書いてあって(^ω^)うおお知りたくなかったでござる! それと、鳥獣戯画の風刺画としての側面を改めて見直して、寺がソレを保管してきたのがすごいな、って。日/本って平気でそういうことやりよるよねー(^-^; 他の国だったら焚書もんやで、ってものが当の揶揄られてる相手のトコに大事に残ってる、とか。兎と蛙と猿と狐、それぞれに人格というか込められた皮肉があって、一般的なおちゃらけひょうきん者・茶化す側のビョンピョン兎とちょっとマヌケな勘違い蛙、賢ぶって偉そうに振る舞う猿、表には余り出なくてもコッソリたち振る舞って周囲のおこぼれ狙う狐、と上手く人間の個性それぞれを表してるなー、と。もちろんその滑稽さを含め、動きや表情は抜群に可愛いしね!
追記:安野さんの平家物語も見返してやっぱり大好きだなー、と涙が出た。敗者、一瞬で権力が入れ替わり都を追われる身となった人々、世の儚さをこうまで美しく描けるものか。オフィーリアの死にだって負けてないよ!しかも史実だ!(あちらさんは諸事情により?平家を発禁なさろうとしたこともあるようで・・・)私、こういうストーリーが盲目の琵琶法師によって全国津々浦々に語り続けられてきたような、それが赦されてきた日.本の文化や精神が大好きなんです。誇りを持って平家の落人を名乗る集落が全国にいくつある?(母方の祖父によると私もその血を引いているらしいですが^^)大鏡も吾妻鏡も容赦なく為政者のスキャンダルや悪口と取れないこともない記述載せてるし、帝と呼ばれる存在が唯一の国でフィクションのネタにどんだけ使われてんだよ(ノ∀`) 『とはずがたり』なんか文/春も真っ青の暴露本も良いとこ。しかも南北朝もめてる真っ最中に何やってんすか主.上(笑)そういうのを焼かない、処分しない、どころか貴族や当のネタにされてる一族の側で残してたり文化や教養として深く広く親しまれてきたり、って歴史が良いよネー、と思っちゃうんだ。恨むのではなく、貶め消し去るのでもなく、和して融け合う。このやり方は非常に誇れる発想なのではないかと。
で、今日もう一つ元気くれたのは何とも切ない山田詠美『タイニー・ストーリーズ』収録の電信柱とプリムラの恋話。笑えるんだけど、とっても切ない(´;ω;`) これも色々暗喩が秘められているのかなー? 世間の不条理に耐え、仲間以外にはグチも言えず動くこともできない電信柱さんが初めて知った恋。偶然足元に訪れた幸福を、プリムラの成長をずっと見守って、咲かんとする蕾に胸を高鳴らせて。そして迎えた蜜月、初めての幸せ。束の間のソレはあっという間に突然の終わりを迎え、プリムラの花言葉通り、電信柱は本当に無言の電信柱に戻ってしまう。何かすごくおかしくて哀しくて愛しい読後感でした( TДT)山田詠美やっぱ好きだな!
伏せ字( ノ∀`) 当てこすりと内輪ネタ(笑)おまえは紫.式部か!(主に清/少/納言へのコンプレックスや同僚への悪口ぶっちゃけまくりの日記の方で^^)・・・やっぱりド○ツ人と日.本人て似てるわー、と全体的に思ってしまった。ファウストの独白部分やラスト近くのこの時代に存在していた各人・各派の主張に、徒然草・方丈記・平家物語だのに見られる世の儚さや不条理やソレに対する厭世的な物の見方、そういう浮世でのうのうと生き永らえている自分自身をすら斜に捉える気持ちの表れを思い起こさせるし、グレートヒェンの結末(涙)には源氏物語後半部分の薄暗さ、源氏が己の仕出かした過ちへの手痛いしっぺ返しを食らい、どうしようもない後悔の果てに悟りを得ようともがく様にスッゲー被る。つまり日/本人の精神世界にキリ○ト教的価値観が合わさったらドイ○ロマン主義に近いもんが生まれるのか・・・?(゜ロ゜;)ゴクリ
てか私、阿Qに余りにも共感できなかったことがショック過ぎた、って読んでから何回も書いたし実際今も引きずり過ぎていて、他の収録短編どころか大陸ネタ(『大地』も含めて)に当分触れられそうにもないくらいの気持ちなんだけど、もしかして欧米文学の方に共感できるのって何だかんだ言って小さい頃からフツーにキ○スト教に馴染みというか免疫があるせいなんじゃねーの?と気づいたかもしれず、別の意味でショックを受けつつある\(^o^)/ 一般日.本人はどこまでキリス○ネタ分かってるもんなんだろうか・・・? 通ったことないから知らないけど、ミッション系だとある程度礼拝や宗教の授業があるんだよね? 私が教育の場でソッチの分野に接したのは公立高校の倫理で触れたのと、大学で西洋美術史、キリ○ト教史、宗教学取った辺りだったかな?(-_-;) やっぱり祖父母と同居するようになってから家庭での経験というのが最も根深い。そこら中に本や啓示的な御言葉?が貼ってあったり、クリスマスの時期はどでかいツリーやリース用意するだけじゃなく、アドベントカレンダーに生誕模した馬小屋人形セットもバッチリ飾り付けてあった。プレゼントも親からはともかく祖父母からはお約束通り手袋か靴下+聖書系・模範的信者の行いネタ的な絵本や寓話、成長すると啓発系の本になるんですね。知らず知らず刷り込まれないわけないっつの/(^o^)\ 『ティモシー・アーチャー~』といい、一々ネタが自然と理解できるから共感できんのか!?と何かもうアイデンティティがまたカオスにさ迷い始めてしまうわ。
あ、でもやっぱり普通に日/本神話だの大陸古典にも親しんできた辺り、別に関係ないのかな?お兄さんマンガがあんだけヒットしてたり、欧米のアニオタさんがこれでもか!って日.本的なアニメにドハマりしてるのを見ると、共感は育った環境や文化的背景に余り影響されない・・・?ってことはやっぱり心情や価値観的に大陸の人々とはどうやっても(以下略)ってことかorzとまた落ち込むのだった@以下エンドレス(-_-;)
冒頭でゲーテが揶揄ってる「詩人」は彼自身をも含むのだろうか? のちの世に残る本物であることばかりを気にする詩人に、「のちの世とやらを慮ったら、一体誰が現在只今の人たちを笑わせるのですか。現在只今生きている人たちが問題さね。」と答えるセリフを聞かせてやりたいエセ芸術家気取りが現代にも何人も存在するな、とつい思い浮かべてしまう(^m^)プッフー! 下手な鉄砲数打ちゃ当たる、みたいな座長の言葉も真理を突いてて良いですね。ぶっちゃけ個人的にストーンズを好きな理由だよ(笑)でもって詩人は調和を為さしめる天与の人権をお持ちなんですかー、スゲェなこのゲーテの文壇というか自己批評。それに応じる道化の「間違いの中に真理をチラリと覗かせれば、誰もが自分の心にあるものを知るようになる」という言葉も真実だと感じた。「出来上がってしまった人間は手のつけようがなくて、これからおとなになろうという方が相手にする甲斐がある」というのも(^^;「ぐずぐずしていちゃいけない。今日だめなことは明日もだめ、一日だって無駄にしちゃいけない」同じ意のフレーズが作中に何度も出てきますが、正直胸に刺さりますね。ゲーテってあんな長生きして、何十年もかけてコレ書きながら忙しなくアチコチ飛び回っては恋をして、ライバルに張り合っては偉いさん方に会ったり、正直とても真似できないし、そういう人からどうしてこういう作品が生まれたのかも理解不能(・・;) だって私はファウストにはどうしようもなく共感できるけど、作者である彼のような生き方は全くもってできる気がしないから。
んでもって今のイス○ム圏とそう変わらないくらい、ドギツく残酷な教えに縛られていた時代がキリ○ト教世界にもあったのだと、現代のム○リムを野蛮人であるかのように糾弾する人々は忘れてしまったのだろうか、とも悲しくなった。そして自分たちは「進歩」してその慣習を捨て去ったから他者も変わるべきだ、と? 元は同じ根から生まれた教えだろうに、何故それを捨て去ったのか、その必要を感じたのか、こういう作品を通して教えさとすことがまず第一ではないのか、と改めて思ってしまいました。(『イミテーション・ゲーム』のホルモン治療のくだりでも感じたけど、ほんの少し前まで自分たちもやってたような話で偉そうな面はできないだろ、と(´-`) うちらも中.国人の爆買いやマナーを笑う前に考えないといけないのはこの点では?と思う)端っから「遅れている」と相手を見下すんじゃなくて、「前はうちらもそうだったよ、でもこういうわけで、それは間違っていると気づいたんだ」と上からじゃなくて、同じ目線で向き合って話すことができれば解決できることはもっと増えそうな気がするんだけど。やっぱり理想論に過ぎないのかな?
とにかく難民流入のスピードが速すぎてそんな余裕ないだろうしなー欧州人。ホント頭が良さそうでいて、変に奢ってしまっているというか上から目線というか、自分の考え=絶対正義・欧州=この世で最も進歩した世界の頂点、という認識の時代が長すぎて失敗してしまったパターンだな、と>< (・・・関係ないけど、捕鯨とか行き過ぎた動物保護騒ぎについてもそうでしょ? シー・○ェパードに寄付する金があるなら、ユニ○フに寄付して人間の子ども救ってあげた方がよっぽど「人道主義的」だと思うし、動物園の年老いたゾウを移動させるのに署名する労力があるなら、すぐにでもお近くの孤児院や老人ホームに慰問に出かけてやれば良いんだよ。年老いた役に立たないゾウをイキナリ大自然の群れの中に放り込んでみ? まさに現地のゾウ社会でヨーロッパの小さな国や村に押しつけられた難民と同じ扱いを受けること請け合いだから(^^)b)
神が学者に悪魔をけしかける、この出だしからゲーテ先生のキリ○ト原理主義社会(笑)への反骨精神ガンガンで良いね!学問を極め尽くしたのに結局何も知ることができない、と傲りのような絶望を抱き、霊すら呼び出して縛り付けようとするファウスト(´・ω・`) 研究室にこもりっぱなしで、「これが世界と言えようか」ってそりゃそうだわ、知識欲は罪深い。惜しみなく知識の泉はこんこんと湧き出で続けるのに、その欲望は決して満たされることなく永遠に渇し続けなければならない。凝り固まった欲望は狂気に変貌しつつあり、神の似姿として作られた人間であるはずの己が神そのものではないのか、とイッちゃい始めてその思い上がりを地霊に諌められるとか(ノ∀`) 途中までは大変共感できたけど、オッサン落ち着いて!
教え子ワーグネルとのやりとり、「わが身にしかと納得せずには、人の心は動かせぬ。真に心の底から出たことでなければ、決して人の心には訴えぬものなのだ」と本人が苦しみ惑っている最中のファウストがどんな気持ちで告げたのかは分からないけど、確かに納得させられた。それでも話術で成功したいと続ける彼に、「真剣にいいたいことがあるのならば、言葉を飾る必要がどこにあろうか。下手に光っていて内容が空疎な演説は気持のわるいものだ」ってコレ誰かー!米ボス選候補者の皆様に言ってあげて!( ̄□ ̄;) 古文書についての語りも刺さるわ。「君方が時代の精神と呼んでいるものは、つまるところは時代時代の影の映った歴史家先生御自身の精神にすぎぬ。そういう次第だから、時には目も当てられぬことにもなる。・・・ごみ箱だ、物置小屋だ。・・・一応世間に通用する教訓がついているくらいのもの」自分語りになってしまいますが、私もぶっちゃけ一度そう考えたら止まらなくなり、全てが無意味に感じられてしまったんだよね、自分のしたかったこと。言い訳なのかもしれないけど。まだ「これフィクションだから!」で通せる物語系古典の文学専攻すれば良かったのかも。真理への努力を無意味に感じ、己が神に似ているのではなく塵を食い人の足に踏み殺される蛆虫だと自覚したファウスト。自殺しようとして結局天上から響く歌声に救われてしまった彼の哀しみが解りすぎてツラい(;_;)
街頭の市民たちの会話はまさに「ポップコーンは持った(^^)b」状態ですな。日/本人はそれすらしなくなって久しいけど。同盟国が絡んでる最中の中東の混乱も、ヨーロッパの難民危機もどうでも良い。南シ○海に自A隊派遣されるようになってようやく気づき出すんじゃない? それもこのままじゃ良くない方向に。「ハヘイハンタイ、センソーハンタイ!」って(笑)うち、非資源国でアソコ大事な輸送ルートなんだわ、って説明を国民の皆様が理解できる日は・・・@遠い目(´-`) ついでに言うと欧米の皆様が散々中東で暴れまくってふんだくった石油のおこぼれに長年あずかってきたおかげで一定水準の生活・経済規模を維持し続けられたとも言えますし、そのためにお金も出して来ちゃいましたし。よく「平.和主義」だの「九/条にノーベ○賞を」だの言えるよ、恥を知れ!と私が彼の地域の住民なら思うね。そろそろ恥ずかしいからお花畑もいい加減にしてほしい。
あと破壊を業とする悪魔メフィストーフェレスの、災害とか色々世界に対して攻めてみせるけど、あとには依然として海と陸とが残り、あとからあとから新しい生命が芽吹くというセリフに泣きそうになった。津波で何も無くなった跡にも、ちゃんと草が生えてるもん。台/湾で今苦しんでいる人たちにも、新しい何かが訪れると良いな、って祈りたい(;人;)加油!
ファウストの朝の目覚めのうとましさの話にもウンウン頷いてしまう((-_-) 夜が来れば来たで今度は不安にさいなまれ、見る夢は恐ろしい悪夢ばかり。「望ましいのは死、生は疎ましい」どんなに薬飲んでも三時間で目覚ますからね、追加で薬飲んで何とか朝。今は安定剤の影響もあって昼間もうつらうつらしてたり、ぶっちゃけヒキってて余り活発に動いてないせいもあるでしょうけど。人間として生を得ながら、人の世の何もかもを呪うファウストに、人間らしさを取り戻させるという誘惑を持ちかけるメフィストーフェレス。そんな悪魔との契約に「あの世のことはどうでもいい。・・・己の喜びが涌き出るのは、この世の、この大地からなのだ。己の苦しみを照らすのは、この世の、この太陽なのだ。」と答えるファウスト、何故こんなにも現世に執着している彼が絶望してしまっているのか? うーん、でも私も世の中と世界は大好きだからなぁ(*_*; 歪みの方向性の問題と説明すれば理解してもらえるのだろうか?そしてキター、「己がある刹那に向かって「とまれ、お前はあまりにも美しい」といったら~」のくだり!「己がもう前に進もうとしなくなった時は、己が奴隷になる時だ」彼と違ってネガティブな方向にだけど私既にその状態なんで、誰か連れ去ってくれないですかね?@夜中のテンション\(^o^)/ 「己がこれまで背伸びをしすぎていて、久しく一切の知識に吐き気を催しているから、全人類に課せられた苦悩と幸福を己の心で受け止め、人類同様に滅びるために」悪魔と契約を交わす、そんなファウストに「結局あなたは――あなた」と告げるメフィストーフェレス。けれど悪魔は神との賭けの元、「どの途破滅せざるをえない運命」へと彼を導く。
ファウストに化けたメフィストーフェレスと新人学生のやりとりでは「法律や制度というものが永遠に遺伝し移り動く病気」と表現されているのに爆笑した(ノ∀`)ハライテー!「その間に正は邪となり、善は悪となる。末世に生れた者はまことに分がわるい。基本的人権などというものが、問題になったためしはないのだからな。」全くその通り、ゲーテさんの皮肉屋ぶりに笑うしかない。
魔女の厨で野良仕事を馬鹿にするファウストの前に現れるけものたち、「われわれだって、運さえよければ、思想を持てる」というのは当時の農民たちと学識者となり得る立場にあった人々との距離を暗に風刺しているように感じた。魔女との会話で己の名前を呼ぶな、と言うメフィストーフェレスの「人間どもが文化というもののために少しでもましにはなっちゃいない。悪魔と手は切ったが、自分たちが悪魔になったんじゃ埒口はない。」って、恐らく当時ヨーロッパを支配していたキリ○ト教的倫理観の偽善や矛盾に対しての強烈なセリフ。魔女の呪文へのファウストの感想に応じる「完全な矛盾は、賢者にも愚者にも等しく神秘的に聞こえる。・・・人間というやつは言葉をきいただけで、そこには何か思索に値するものがあるに違いないと思い込む」というの、まさにアーチャー主教やんけ(;´д`) その後に続く魔女の「気高き力は・・・思惟せぬ者にこそ与えられる」という文言がまた意味深。
魔法によってファウストが一目惚れしたマルガレーテちゃんの素朴さと清らかさが(´;ω;`) 彼女との逢瀬のために隣人マルテの旦那の死を偽証する必要に迫られ、拒否するファウストにメフィストーフェレスが告げる「偽証をするのは、こんどがはじめてのことですかい。神や世界や人間やその中に動いているものについて、懼れ気もなく、大胆に、やっきになって定義を下したりしたことはないんですか。」って、学者先生の痛いトコ突くなぁ。で、恋の炎に一瞬身を焦がしながらまた荒野をさ迷いつつ、悪魔の存在が己にとって不可欠なものになってしまった事実に気がつくファウスト。そんな彼をマルガレーテとの肉体的な快楽に誘おうとするメフィストーフェレス。結局ファウストはその誘惑に負ける。「目的もなく心の平安も知らぬ人非人、・・・欲望に狂って奈落へ落ち込んで行く、それが己だ。」ウワーン(TДT) 彼の気持ちは解りすぎるほど解るけど、マルガレーテちゃん、全部忘れて早く逃げてー! ファウストに早く彼女の元へ行くようにけしかけながら、「(マルガレーテについて)ああいうちっぽけな頭は、出口が見つからないと、すぐにもう死ぬことを考えちまう。・・・あなたはもうかなり悪魔じみてきているが、何が没趣味だといって、絶望している悪魔ほど没趣味なものはまずありますまい」と告げるメフィストーフェレス、まさに鬼畜のような外道・悪魔そのものだな!
でもって敬虔なクリスチャンであるマルガレーテは恋人となったファウストの信仰を確かめたがるが、神学を極めた余りにソレ自体の真理を得られずもがき苦しみ、果てに悪魔と契約を結んで彼女と恋に落ちたファウストには彼女の望む答えをどうしても与えられない。「気持が一番大切」とごまかして、すっかり骨抜きにされる一方でメフィストーフェレスの正体を薄々察して怯えるマルガレーテ。罪に塗れて初めて己の無知と傲慢を自覚しつつも、その罪の一切合切が幸せだった、と回想する彼女が(つд`)ブワッ グレートヒェン(マルガレーテ)のお兄さんのやろうとしてること、まさに昨今話題の名.誉殺人そのものやでコレ(@_@;) 結局メフィストーフェレスとファウストに殺されてしまったが・・・可哀想なグレートヒェン。悪魔にそそのかされたファウストの言いなりになって、母親まで殺した末に身ごもるとか><
その頃ファウストは呑気にワルプルギスの祭見物で魔女と踊り戯れていたのであった・・・(^ω^#)ビッキビキビキ 育休議員もビックリだね!この後に続く作者とシラー氏の情念のこもった怒涛の当てこすり攻勢が、当時の彼らを取り巻く環境について色々照らし合わせてみると実に面白い。日/本は閉じた島国で、たまーに大陸→半島経由で入ってきたものも独自進化させるしかなく、基本的に自国内だけで思想を形成・発展させるしかなかったから、激しい議論や対立も(もちろん完全になかったとは言えないけど)そこまで表立って体系的なものと化す機会は少なかった。でも大陸に在った今のド○ツ・ヨーロッパ一帯では「外国」からの思想もガンガン入ってくるし、容赦なくあちこちから反駁が飛んできて議論せざるを得ない状況が生まれたり、同時期に多様な考え方が存在し、流れというものがあるようで無いような、相反する観念が相互に作用し合う状態が常に続いていたんだなぁ、と改めて興味深く惹かれてしまいます(´∀`*)
かーらーの、一人で産み落とした赤ん坊を処分し、とうとう心が壊れてしまった処刑直前のグレートヒェンをファウストが救い出そうとするくだり。彼の言いなりになって神を裏切るという罪を犯してもなお信仰を捨てられない、頭がイカれても神の正しい裁きを望み、とうとう彼の愛より神の救いにすがろうとするグレートヒェンに、「とうとう裁かれた」と呟くメフィストーフェレス。天から響く「救われたのだ。」という声がこのエピソードで唯一のまさに“救い”ではなかろうか(ノ_;)ウッウッ 最後にファウストの名を呼び続ける彼女の声が・・・うわあぁん切ない、グレートヒェンちゃああぁーん!!!・゜・(つД`)・゜・ ファウストとメフィストーフェレスの鬼、悪魔!いやメフィストーフェレスは最初からそうだけど、いくらヤツの魔法のせいっつっても己の退屈と絶望を癒すためだけに悪魔と契約した挙句、清く正しく生きてきた純粋なお嬢さんをあんな目に合わせるとか、テメェも十二分に悪魔だわファウスト!とね、女性だからさー私も。・・・基本的には彼に共感できるし、それもまた人間のどうしようもない弱さ、と受け止めることもできるんだけど。あーやべ、長々と感想打ってたら夜中の3時\(^o^)/ 2巻も楽しみ過ぎる!
てか私、阿Qに余りにも共感できなかったことがショック過ぎた、って読んでから何回も書いたし実際今も引きずり過ぎていて、他の収録短編どころか大陸ネタ(『大地』も含めて)に当分触れられそうにもないくらいの気持ちなんだけど、もしかして欧米文学の方に共感できるのって何だかんだ言って小さい頃からフツーにキ○スト教に馴染みというか免疫があるせいなんじゃねーの?と気づいたかもしれず、別の意味でショックを受けつつある\(^o^)/ 一般日.本人はどこまでキリス○ネタ分かってるもんなんだろうか・・・? 通ったことないから知らないけど、ミッション系だとある程度礼拝や宗教の授業があるんだよね? 私が教育の場でソッチの分野に接したのは公立高校の倫理で触れたのと、大学で西洋美術史、キリ○ト教史、宗教学取った辺りだったかな?(-_-;) やっぱり祖父母と同居するようになってから家庭での経験というのが最も根深い。そこら中に本や啓示的な御言葉?が貼ってあったり、クリスマスの時期はどでかいツリーやリース用意するだけじゃなく、アドベントカレンダーに生誕模した馬小屋人形セットもバッチリ飾り付けてあった。プレゼントも親からはともかく祖父母からはお約束通り手袋か靴下+聖書系・模範的信者の行いネタ的な絵本や寓話、成長すると啓発系の本になるんですね。知らず知らず刷り込まれないわけないっつの/(^o^)\ 『ティモシー・アーチャー~』といい、一々ネタが自然と理解できるから共感できんのか!?と何かもうアイデンティティがまたカオスにさ迷い始めてしまうわ。
あ、でもやっぱり普通に日/本神話だの大陸古典にも親しんできた辺り、別に関係ないのかな?お兄さんマンガがあんだけヒットしてたり、欧米のアニオタさんがこれでもか!って日.本的なアニメにドハマりしてるのを見ると、共感は育った環境や文化的背景に余り影響されない・・・?ってことはやっぱり心情や価値観的に大陸の人々とはどうやっても(以下略)ってことかorzとまた落ち込むのだった@以下エンドレス(-_-;)
冒頭でゲーテが揶揄ってる「詩人」は彼自身をも含むのだろうか? のちの世に残る本物であることばかりを気にする詩人に、「のちの世とやらを慮ったら、一体誰が現在只今の人たちを笑わせるのですか。現在只今生きている人たちが問題さね。」と答えるセリフを聞かせてやりたいエセ芸術家気取りが現代にも何人も存在するな、とつい思い浮かべてしまう(^m^)プッフー! 下手な鉄砲数打ちゃ当たる、みたいな座長の言葉も真理を突いてて良いですね。ぶっちゃけ個人的にストーンズを好きな理由だよ(笑)でもって詩人は調和を為さしめる天与の人権をお持ちなんですかー、スゲェなこのゲーテの文壇というか自己批評。それに応じる道化の「間違いの中に真理をチラリと覗かせれば、誰もが自分の心にあるものを知るようになる」という言葉も真実だと感じた。「出来上がってしまった人間は手のつけようがなくて、これからおとなになろうという方が相手にする甲斐がある」というのも(^^;「ぐずぐずしていちゃいけない。今日だめなことは明日もだめ、一日だって無駄にしちゃいけない」同じ意のフレーズが作中に何度も出てきますが、正直胸に刺さりますね。ゲーテってあんな長生きして、何十年もかけてコレ書きながら忙しなくアチコチ飛び回っては恋をして、ライバルに張り合っては偉いさん方に会ったり、正直とても真似できないし、そういう人からどうしてこういう作品が生まれたのかも理解不能(・・;) だって私はファウストにはどうしようもなく共感できるけど、作者である彼のような生き方は全くもってできる気がしないから。
んでもって今のイス○ム圏とそう変わらないくらい、ドギツく残酷な教えに縛られていた時代がキリ○ト教世界にもあったのだと、現代のム○リムを野蛮人であるかのように糾弾する人々は忘れてしまったのだろうか、とも悲しくなった。そして自分たちは「進歩」してその慣習を捨て去ったから他者も変わるべきだ、と? 元は同じ根から生まれた教えだろうに、何故それを捨て去ったのか、その必要を感じたのか、こういう作品を通して教えさとすことがまず第一ではないのか、と改めて思ってしまいました。(『イミテーション・ゲーム』のホルモン治療のくだりでも感じたけど、ほんの少し前まで自分たちもやってたような話で偉そうな面はできないだろ、と(´-`) うちらも中.国人の爆買いやマナーを笑う前に考えないといけないのはこの点では?と思う)端っから「遅れている」と相手を見下すんじゃなくて、「前はうちらもそうだったよ、でもこういうわけで、それは間違っていると気づいたんだ」と上からじゃなくて、同じ目線で向き合って話すことができれば解決できることはもっと増えそうな気がするんだけど。やっぱり理想論に過ぎないのかな?
とにかく難民流入のスピードが速すぎてそんな余裕ないだろうしなー欧州人。ホント頭が良さそうでいて、変に奢ってしまっているというか上から目線というか、自分の考え=絶対正義・欧州=この世で最も進歩した世界の頂点、という認識の時代が長すぎて失敗してしまったパターンだな、と>< (・・・関係ないけど、捕鯨とか行き過ぎた動物保護騒ぎについてもそうでしょ? シー・○ェパードに寄付する金があるなら、ユニ○フに寄付して人間の子ども救ってあげた方がよっぽど「人道主義的」だと思うし、動物園の年老いたゾウを移動させるのに署名する労力があるなら、すぐにでもお近くの孤児院や老人ホームに慰問に出かけてやれば良いんだよ。年老いた役に立たないゾウをイキナリ大自然の群れの中に放り込んでみ? まさに現地のゾウ社会でヨーロッパの小さな国や村に押しつけられた難民と同じ扱いを受けること請け合いだから(^^)b)
神が学者に悪魔をけしかける、この出だしからゲーテ先生のキリ○ト原理主義社会(笑)への反骨精神ガンガンで良いね!学問を極め尽くしたのに結局何も知ることができない、と傲りのような絶望を抱き、霊すら呼び出して縛り付けようとするファウスト(´・ω・`) 研究室にこもりっぱなしで、「これが世界と言えようか」ってそりゃそうだわ、知識欲は罪深い。惜しみなく知識の泉はこんこんと湧き出で続けるのに、その欲望は決して満たされることなく永遠に渇し続けなければならない。凝り固まった欲望は狂気に変貌しつつあり、神の似姿として作られた人間であるはずの己が神そのものではないのか、とイッちゃい始めてその思い上がりを地霊に諌められるとか(ノ∀`) 途中までは大変共感できたけど、オッサン落ち着いて!
教え子ワーグネルとのやりとり、「わが身にしかと納得せずには、人の心は動かせぬ。真に心の底から出たことでなければ、決して人の心には訴えぬものなのだ」と本人が苦しみ惑っている最中のファウストがどんな気持ちで告げたのかは分からないけど、確かに納得させられた。それでも話術で成功したいと続ける彼に、「真剣にいいたいことがあるのならば、言葉を飾る必要がどこにあろうか。下手に光っていて内容が空疎な演説は気持のわるいものだ」ってコレ誰かー!米ボス選候補者の皆様に言ってあげて!( ̄□ ̄;) 古文書についての語りも刺さるわ。「君方が時代の精神と呼んでいるものは、つまるところは時代時代の影の映った歴史家先生御自身の精神にすぎぬ。そういう次第だから、時には目も当てられぬことにもなる。・・・ごみ箱だ、物置小屋だ。・・・一応世間に通用する教訓がついているくらいのもの」自分語りになってしまいますが、私もぶっちゃけ一度そう考えたら止まらなくなり、全てが無意味に感じられてしまったんだよね、自分のしたかったこと。言い訳なのかもしれないけど。まだ「これフィクションだから!」で通せる物語系古典の文学専攻すれば良かったのかも。真理への努力を無意味に感じ、己が神に似ているのではなく塵を食い人の足に踏み殺される蛆虫だと自覚したファウスト。自殺しようとして結局天上から響く歌声に救われてしまった彼の哀しみが解りすぎてツラい(;_;)
街頭の市民たちの会話はまさに「ポップコーンは持った(^^)b」状態ですな。日/本人はそれすらしなくなって久しいけど。同盟国が絡んでる最中の中東の混乱も、ヨーロッパの難民危機もどうでも良い。南シ○海に自A隊派遣されるようになってようやく気づき出すんじゃない? それもこのままじゃ良くない方向に。「ハヘイハンタイ、センソーハンタイ!」って(笑)うち、非資源国でアソコ大事な輸送ルートなんだわ、って説明を国民の皆様が理解できる日は・・・@遠い目(´-`) ついでに言うと欧米の皆様が散々中東で暴れまくってふんだくった石油のおこぼれに長年あずかってきたおかげで一定水準の生活・経済規模を維持し続けられたとも言えますし、そのためにお金も出して来ちゃいましたし。よく「平.和主義」だの「九/条にノーベ○賞を」だの言えるよ、恥を知れ!と私が彼の地域の住民なら思うね。そろそろ恥ずかしいからお花畑もいい加減にしてほしい。
あと破壊を業とする悪魔メフィストーフェレスの、災害とか色々世界に対して攻めてみせるけど、あとには依然として海と陸とが残り、あとからあとから新しい生命が芽吹くというセリフに泣きそうになった。津波で何も無くなった跡にも、ちゃんと草が生えてるもん。台/湾で今苦しんでいる人たちにも、新しい何かが訪れると良いな、って祈りたい(;人;)加油!
ファウストの朝の目覚めのうとましさの話にもウンウン頷いてしまう((-_-) 夜が来れば来たで今度は不安にさいなまれ、見る夢は恐ろしい悪夢ばかり。「望ましいのは死、生は疎ましい」どんなに薬飲んでも三時間で目覚ますからね、追加で薬飲んで何とか朝。今は安定剤の影響もあって昼間もうつらうつらしてたり、ぶっちゃけヒキってて余り活発に動いてないせいもあるでしょうけど。人間として生を得ながら、人の世の何もかもを呪うファウストに、人間らしさを取り戻させるという誘惑を持ちかけるメフィストーフェレス。そんな悪魔との契約に「あの世のことはどうでもいい。・・・己の喜びが涌き出るのは、この世の、この大地からなのだ。己の苦しみを照らすのは、この世の、この太陽なのだ。」と答えるファウスト、何故こんなにも現世に執着している彼が絶望してしまっているのか? うーん、でも私も世の中と世界は大好きだからなぁ(*_*; 歪みの方向性の問題と説明すれば理解してもらえるのだろうか?そしてキター、「己がある刹那に向かって「とまれ、お前はあまりにも美しい」といったら~」のくだり!「己がもう前に進もうとしなくなった時は、己が奴隷になる時だ」彼と違ってネガティブな方向にだけど私既にその状態なんで、誰か連れ去ってくれないですかね?@夜中のテンション\(^o^)/ 「己がこれまで背伸びをしすぎていて、久しく一切の知識に吐き気を催しているから、全人類に課せられた苦悩と幸福を己の心で受け止め、人類同様に滅びるために」悪魔と契約を交わす、そんなファウストに「結局あなたは――あなた」と告げるメフィストーフェレス。けれど悪魔は神との賭けの元、「どの途破滅せざるをえない運命」へと彼を導く。
ファウストに化けたメフィストーフェレスと新人学生のやりとりでは「法律や制度というものが永遠に遺伝し移り動く病気」と表現されているのに爆笑した(ノ∀`)ハライテー!「その間に正は邪となり、善は悪となる。末世に生れた者はまことに分がわるい。基本的人権などというものが、問題になったためしはないのだからな。」全くその通り、ゲーテさんの皮肉屋ぶりに笑うしかない。
魔女の厨で野良仕事を馬鹿にするファウストの前に現れるけものたち、「われわれだって、運さえよければ、思想を持てる」というのは当時の農民たちと学識者となり得る立場にあった人々との距離を暗に風刺しているように感じた。魔女との会話で己の名前を呼ぶな、と言うメフィストーフェレスの「人間どもが文化というもののために少しでもましにはなっちゃいない。悪魔と手は切ったが、自分たちが悪魔になったんじゃ埒口はない。」って、恐らく当時ヨーロッパを支配していたキリ○ト教的倫理観の偽善や矛盾に対しての強烈なセリフ。魔女の呪文へのファウストの感想に応じる「完全な矛盾は、賢者にも愚者にも等しく神秘的に聞こえる。・・・人間というやつは言葉をきいただけで、そこには何か思索に値するものがあるに違いないと思い込む」というの、まさにアーチャー主教やんけ(;´д`) その後に続く魔女の「気高き力は・・・思惟せぬ者にこそ与えられる」という文言がまた意味深。
魔法によってファウストが一目惚れしたマルガレーテちゃんの素朴さと清らかさが(´;ω;`) 彼女との逢瀬のために隣人マルテの旦那の死を偽証する必要に迫られ、拒否するファウストにメフィストーフェレスが告げる「偽証をするのは、こんどがはじめてのことですかい。神や世界や人間やその中に動いているものについて、懼れ気もなく、大胆に、やっきになって定義を下したりしたことはないんですか。」って、学者先生の痛いトコ突くなぁ。で、恋の炎に一瞬身を焦がしながらまた荒野をさ迷いつつ、悪魔の存在が己にとって不可欠なものになってしまった事実に気がつくファウスト。そんな彼をマルガレーテとの肉体的な快楽に誘おうとするメフィストーフェレス。結局ファウストはその誘惑に負ける。「目的もなく心の平安も知らぬ人非人、・・・欲望に狂って奈落へ落ち込んで行く、それが己だ。」ウワーン(TДT) 彼の気持ちは解りすぎるほど解るけど、マルガレーテちゃん、全部忘れて早く逃げてー! ファウストに早く彼女の元へ行くようにけしかけながら、「(マルガレーテについて)ああいうちっぽけな頭は、出口が見つからないと、すぐにもう死ぬことを考えちまう。・・・あなたはもうかなり悪魔じみてきているが、何が没趣味だといって、絶望している悪魔ほど没趣味なものはまずありますまい」と告げるメフィストーフェレス、まさに鬼畜のような外道・悪魔そのものだな!
でもって敬虔なクリスチャンであるマルガレーテは恋人となったファウストの信仰を確かめたがるが、神学を極めた余りにソレ自体の真理を得られずもがき苦しみ、果てに悪魔と契約を結んで彼女と恋に落ちたファウストには彼女の望む答えをどうしても与えられない。「気持が一番大切」とごまかして、すっかり骨抜きにされる一方でメフィストーフェレスの正体を薄々察して怯えるマルガレーテ。罪に塗れて初めて己の無知と傲慢を自覚しつつも、その罪の一切合切が幸せだった、と回想する彼女が(つд`)ブワッ グレートヒェン(マルガレーテ)のお兄さんのやろうとしてること、まさに昨今話題の名.誉殺人そのものやでコレ(@_@;) 結局メフィストーフェレスとファウストに殺されてしまったが・・・可哀想なグレートヒェン。悪魔にそそのかされたファウストの言いなりになって、母親まで殺した末に身ごもるとか><
その頃ファウストは呑気にワルプルギスの祭見物で魔女と踊り戯れていたのであった・・・(^ω^#)ビッキビキビキ 育休議員もビックリだね!この後に続く作者とシラー氏の情念のこもった怒涛の当てこすり攻勢が、当時の彼らを取り巻く環境について色々照らし合わせてみると実に面白い。日/本は閉じた島国で、たまーに大陸→半島経由で入ってきたものも独自進化させるしかなく、基本的に自国内だけで思想を形成・発展させるしかなかったから、激しい議論や対立も(もちろん完全になかったとは言えないけど)そこまで表立って体系的なものと化す機会は少なかった。でも大陸に在った今のド○ツ・ヨーロッパ一帯では「外国」からの思想もガンガン入ってくるし、容赦なくあちこちから反駁が飛んできて議論せざるを得ない状況が生まれたり、同時期に多様な考え方が存在し、流れというものがあるようで無いような、相反する観念が相互に作用し合う状態が常に続いていたんだなぁ、と改めて興味深く惹かれてしまいます(´∀`*)
かーらーの、一人で産み落とした赤ん坊を処分し、とうとう心が壊れてしまった処刑直前のグレートヒェンをファウストが救い出そうとするくだり。彼の言いなりになって神を裏切るという罪を犯してもなお信仰を捨てられない、頭がイカれても神の正しい裁きを望み、とうとう彼の愛より神の救いにすがろうとするグレートヒェンに、「とうとう裁かれた」と呟くメフィストーフェレス。天から響く「救われたのだ。」という声がこのエピソードで唯一のまさに“救い”ではなかろうか(ノ_;)ウッウッ 最後にファウストの名を呼び続ける彼女の声が・・・うわあぁん切ない、グレートヒェンちゃああぁーん!!!・゜・(つД`)・゜・ ファウストとメフィストーフェレスの鬼、悪魔!いやメフィストーフェレスは最初からそうだけど、いくらヤツの魔法のせいっつっても己の退屈と絶望を癒すためだけに悪魔と契約した挙句、清く正しく生きてきた純粋なお嬢さんをあんな目に合わせるとか、テメェも十二分に悪魔だわファウスト!とね、女性だからさー私も。・・・基本的には彼に共感できるし、それもまた人間のどうしようもない弱さ、と受け止めることもできるんだけど。あーやべ、長々と感想打ってたら夜中の3時\(^o^)/ 2巻も楽しみ過ぎる!
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欠片も共感できないんだよ、阿Qにも周囲の人々にも。文化も宗教も遠く離れた欧米文学には感じるシンパシーが、何故お隣の、ウチの今に到る全ての文化的基礎を与えてくれたはずの国の文学から得られないのか?ということに絶望しそうになるorz 今なら右.翼様のおっしゃる南/京市民皇/軍大歓迎・虐殺否定説すら信じてしまいそうだ@革命党が来た時の人々の寝返りっぷり。この簡単に寝返る文化、相手の態度や風貌や身分によって、あっという間に見方や接し方を変える彼らの気持ちが私には永遠に理解できそうもない。(何たって奥.羽越列.藩同盟の東北育ちなもんですから・・・(´-`) 修学旅行で会津行って白/虎隊の歴史学ぶのはお約束だよね。五稜郭も行って、土.方歳.三最期の地も見てきたし)
阿Qの「精神勝利」の発想も全くもって理解不能。ずっと自分がウッカリ人間様の皮を被って生まれてきてしまった虫けらだと思っているせいか、あるいは接する相手のランク付けのようなものをした経験が無いせいか、「アイツに勝ちたい」とか「コイツよりは上の立場」だと考えたことがないので・・・(@_@;) 中学の教師に対して抱いた理不尽への抵抗くらいが精いっぱいの激しい感情の発露だったかな?一回で満足したけど。何だろう、儒教精神と長く続いた官僚制度の弊害なのかな? 半島もこういうとこあるけど、全く理解できなくて絶望しそうになる。(ホント今回この表現しか出てこない><)寝返りは王朝コロコロ変わって異民族による長年の支配を経験し、常に一握りのエリートに搾取される立場に置かれ、大人数の競争の中で何とか生き残る知恵として大陸の民衆が育んできたやり方なのかもしれないですけど。そう考えると大陸の掲示板ですぐ「漢/奸」という言葉が出てくる理由も分かるかな・・・。ぶっちゃけ海外華僑もそんな感じだもんな。祖国を捨てておきながら利用するというか、悪びれずにスパイはするわ、同胞は騙すわ、そのくせ差別と権利は声高に主張するわ、平気でその国の同盟国に対するアンチ活動もするわ(´-`)
生活や心理面で痛めつけられ、追いつめられた彼らの唯一すがる先がその儒教、「上下関係」という秩序、金や身分や賢さによるランク付け、時に華夷秩序における「中華」華夏の一員であることそれ自体にあり、だから「下にあるべき者」に屈辱を受けることは決して許せない行為と見なし、夷による支配や侵入は忌避していたのだろうか。(つまり元や清の上流階級を心の底で見下していたり、かと思えば今は必死に「中華民族」とやらを創り出してその歴史・領土を自国のものとして取り込もうとしている矛盾溢れる態度も・・・(´-`))阿Qの強烈な外国への嫌悪、また当時の清/国で実際に起こった義.和.団の乱、そして現代に到りねつ造を含めてまで熱心に繰り広げる日/本軍/国主義を貶める思想や教育の根底はそこにあるのだろうか?同じ漢人の革命軍には瞬時に降った人々が、ウチに対してだけ熱心に抗戦を試みたというのはにわかに信じがたいのだが。だって革命軍も略奪や残虐な見せしめ・処刑やりまくってるじゃん。(この辺り帝政ロ○ア期のプガチョ○の乱も思い起こさせますね)西洋かぶれの東夷、裏切者の日.本相手だから、許容できずに憎しみも深まったと?
話変わるが、ぶっちゃけ半島は間違いなく当時は一部のよっぽど学識と気概のある人物以外は大日○帝国の一員であることに納得というか、ある程度満足してたっぽいんだよな。(在/日一世の親御さんが存命中の二世の方のお話を聞く限り)差別がゼロだったとは言いません。ただ、暮らし向きや教育環境が少なくとも朝.鮮時代よりはマシになったという意味で。画家の李さんの奥様のエピソード(李姓が三人いたので日.本人はそれぞれにあだ名を付けて呼び分けていた、とか)等を見ても、『藤野先生』読んでも大陸・半島からの留学生と日.本人学生が普通に交流してたり友情育んでた話が残ってるし。
人間、それもどんなに困った人物であったとしてもよく知っている同胞の死に喝采を叫ぶ人々の気持ちもわからない。だってコレ二十世紀に入ろうかという時代の話だよ?どんだけ冷たいの?『三国志』の時代に見られた仁・義・徳はドコへ消えたんや?大陸はそんなに長く深く病んで中世に留まってしまったのか?(-_-;) イギ○スの阿片のせい?外来王朝のロクデナシ施政のせい?わからん・・・マジでわからん。「殺されるのは悪だから、悪でなければ殺されるはずがない」これも一種の運命論、孔子の教えなのか?「人として天地の間に生まれてきた以上、こういうこともあろう」という阿Qの達観をむしろ尊敬する。彼こそがある意味で死の直前に悟りを得た仙人になり得たのかもしれない。彼の「精神勝利」の方程式ゆえに。でもやっぱり理解はできない。日/本人の悟りや諦めのかたちと似ているようで違う。私たちは己の運命を無理に納得させるためではなく、現実をありのまま受け入れるためにその言葉を使うから。(個人的に震災時の人々の振る舞いを見ていてそう感じました)
あー何か華夷秩序を初めて学んだ時と同じくらいの悲しみと、どうしようもない絶望感に押しつぶされそう(;_;) だって大陸が好きで、アジアが大好きなんだもん。いつか西側の呪縛から解き放たれて、元々近しいはずだった国々と上手く行くようになればそれが一番幸せなのに、って心の奥底では考えてたから@アジア主義歴オタ的に。だから華夷秩序を知って、それじゃ彼らとウチらが理解し合えるはずがない、彼らの立場ではウチのことを許せるはずがなく、認められる日も決して来ないだろう、と絶望した。それは大陸・半島の人々の中に二千年近く染みついてきた「あるべき秩序」を全否定することになるから。そして私たちは永遠に彼らのそういう態度が理解できず受け入れることも不可能だろう、と。でもあるいは、それに染まりきる前の子供たちに正しい教育を施すように体制が変われば、新しい世代が育てば、というかすかな希みもこの作品を読んだことで潰えてしまった。余りに虐げられることに慣れ過ぎて、大勢の中で競い淘汰されることに慣れ過ぎて、彼の地の人々はそのようにしか考えられず、そのようにしか生きられないのだ、と。そしてそれは私たちとは決して相容れることのできない在り方だ、と感じずにはいられなかった。悲しい・・・とても悲しい(´;ω;`)
日.本に、仙台に留学してくれた魯迅がこう書いたというのなら、それでいて大陸があの現状に留まっている(どころかますます酷くなっている)ことを考えるともう無理なのではないか。どうしてアメ○カやイギ○スやロ○アやド○ツの文学を読んで得られる共感が、最も近い国の、最も近い存在が書いた小説からどうしても得られないのか。ウチはやっぱり東アジアの異端、文化・思想的孤児なのだろうか、とorz このままじゃW W 3は避けられないし、それこそ無理やり統合・民族浄化でもされない限り永遠に解り合えたり、同じ陣営に属せる日は来ないんじゃないかとさえ考えざるを得なかった。歴史を学んで、ずっと憧れ尊敬してきた。行ってみたいと思っていた。友達もいる。何年にドコいたかバレるかもしれませんが、前主席の姿も見たことがあります。漢詩も一番満点取りやすい項目で好きだった(^^; これを読んで感じたことは、日/本人、いや私の目から見た大陸は、あくまで理想をおっ被せていただけのまがい物だったのだと。勝手にイメージ押し付けて失望して、これほど失礼なことはないな、とその点については謝りたいm(__)m 大陸信者としての最後の希望が粉々に打ち砕かれた感じ。今ならSM○Pファンの気持ちが分かる・・・。(何その例え)
これからは彼の国の現実について、庇うのでも貶めるのでもなく、より真面目に、冷静に本当の現地の方の言葉を、そして甘辛両方のウチの国や外信様方の大陸レポートをよくよく見極めていきたいと思います@やっぱり懲りずに興味は尽きない。(日.本人として言えば隣国・かつ最も敵視されていると同時に経済面での相互依存が深い国として、歴オタ的に見れば世界に新しい混沌・あるいは秩序をもたらすかもしれない国として)
阿Qの「精神勝利」の発想も全くもって理解不能。ずっと自分がウッカリ人間様の皮を被って生まれてきてしまった虫けらだと思っているせいか、あるいは接する相手のランク付けのようなものをした経験が無いせいか、「アイツに勝ちたい」とか「コイツよりは上の立場」だと考えたことがないので・・・(@_@;) 中学の教師に対して抱いた理不尽への抵抗くらいが精いっぱいの激しい感情の発露だったかな?一回で満足したけど。何だろう、儒教精神と長く続いた官僚制度の弊害なのかな? 半島もこういうとこあるけど、全く理解できなくて絶望しそうになる。(ホント今回この表現しか出てこない><)寝返りは王朝コロコロ変わって異民族による長年の支配を経験し、常に一握りのエリートに搾取される立場に置かれ、大人数の競争の中で何とか生き残る知恵として大陸の民衆が育んできたやり方なのかもしれないですけど。そう考えると大陸の掲示板ですぐ「漢/奸」という言葉が出てくる理由も分かるかな・・・。ぶっちゃけ海外華僑もそんな感じだもんな。祖国を捨てておきながら利用するというか、悪びれずにスパイはするわ、同胞は騙すわ、そのくせ差別と権利は声高に主張するわ、平気でその国の同盟国に対するアンチ活動もするわ(´-`)
生活や心理面で痛めつけられ、追いつめられた彼らの唯一すがる先がその儒教、「上下関係」という秩序、金や身分や賢さによるランク付け、時に華夷秩序における「中華」華夏の一員であることそれ自体にあり、だから「下にあるべき者」に屈辱を受けることは決して許せない行為と見なし、夷による支配や侵入は忌避していたのだろうか。(つまり元や清の上流階級を心の底で見下していたり、かと思えば今は必死に「中華民族」とやらを創り出してその歴史・領土を自国のものとして取り込もうとしている矛盾溢れる態度も・・・(´-`))阿Qの強烈な外国への嫌悪、また当時の清/国で実際に起こった義.和.団の乱、そして現代に到りねつ造を含めてまで熱心に繰り広げる日/本軍/国主義を貶める思想や教育の根底はそこにあるのだろうか?同じ漢人の革命軍には瞬時に降った人々が、ウチに対してだけ熱心に抗戦を試みたというのはにわかに信じがたいのだが。だって革命軍も略奪や残虐な見せしめ・処刑やりまくってるじゃん。(この辺り帝政ロ○ア期のプガチョ○の乱も思い起こさせますね)西洋かぶれの東夷、裏切者の日.本相手だから、許容できずに憎しみも深まったと?
話変わるが、ぶっちゃけ半島は間違いなく当時は一部のよっぽど学識と気概のある人物以外は大日○帝国の一員であることに納得というか、ある程度満足してたっぽいんだよな。(在/日一世の親御さんが存命中の二世の方のお話を聞く限り)差別がゼロだったとは言いません。ただ、暮らし向きや教育環境が少なくとも朝.鮮時代よりはマシになったという意味で。画家の李さんの奥様のエピソード(李姓が三人いたので日.本人はそれぞれにあだ名を付けて呼び分けていた、とか)等を見ても、『藤野先生』読んでも大陸・半島からの留学生と日.本人学生が普通に交流してたり友情育んでた話が残ってるし。
人間、それもどんなに困った人物であったとしてもよく知っている同胞の死に喝采を叫ぶ人々の気持ちもわからない。だってコレ二十世紀に入ろうかという時代の話だよ?どんだけ冷たいの?『三国志』の時代に見られた仁・義・徳はドコへ消えたんや?大陸はそんなに長く深く病んで中世に留まってしまったのか?(-_-;) イギ○スの阿片のせい?外来王朝のロクデナシ施政のせい?わからん・・・マジでわからん。「殺されるのは悪だから、悪でなければ殺されるはずがない」これも一種の運命論、孔子の教えなのか?「人として天地の間に生まれてきた以上、こういうこともあろう」という阿Qの達観をむしろ尊敬する。彼こそがある意味で死の直前に悟りを得た仙人になり得たのかもしれない。彼の「精神勝利」の方程式ゆえに。でもやっぱり理解はできない。日/本人の悟りや諦めのかたちと似ているようで違う。私たちは己の運命を無理に納得させるためではなく、現実をありのまま受け入れるためにその言葉を使うから。(個人的に震災時の人々の振る舞いを見ていてそう感じました)
あー何か華夷秩序を初めて学んだ時と同じくらいの悲しみと、どうしようもない絶望感に押しつぶされそう(;_;) だって大陸が好きで、アジアが大好きなんだもん。いつか西側の呪縛から解き放たれて、元々近しいはずだった国々と上手く行くようになればそれが一番幸せなのに、って心の奥底では考えてたから@アジア主義歴オタ的に。だから華夷秩序を知って、それじゃ彼らとウチらが理解し合えるはずがない、彼らの立場ではウチのことを許せるはずがなく、認められる日も決して来ないだろう、と絶望した。それは大陸・半島の人々の中に二千年近く染みついてきた「あるべき秩序」を全否定することになるから。そして私たちは永遠に彼らのそういう態度が理解できず受け入れることも不可能だろう、と。でもあるいは、それに染まりきる前の子供たちに正しい教育を施すように体制が変われば、新しい世代が育てば、というかすかな希みもこの作品を読んだことで潰えてしまった。余りに虐げられることに慣れ過ぎて、大勢の中で競い淘汰されることに慣れ過ぎて、彼の地の人々はそのようにしか考えられず、そのようにしか生きられないのだ、と。そしてそれは私たちとは決して相容れることのできない在り方だ、と感じずにはいられなかった。悲しい・・・とても悲しい(´;ω;`)
日.本に、仙台に留学してくれた魯迅がこう書いたというのなら、それでいて大陸があの現状に留まっている(どころかますます酷くなっている)ことを考えるともう無理なのではないか。どうしてアメ○カやイギ○スやロ○アやド○ツの文学を読んで得られる共感が、最も近い国の、最も近い存在が書いた小説からどうしても得られないのか。ウチはやっぱり東アジアの異端、文化・思想的孤児なのだろうか、とorz このままじゃW W 3は避けられないし、それこそ無理やり統合・民族浄化でもされない限り永遠に解り合えたり、同じ陣営に属せる日は来ないんじゃないかとさえ考えざるを得なかった。歴史を学んで、ずっと憧れ尊敬してきた。行ってみたいと思っていた。友達もいる。何年にドコいたかバレるかもしれませんが、前主席の姿も見たことがあります。漢詩も一番満点取りやすい項目で好きだった(^^; これを読んで感じたことは、日/本人、いや私の目から見た大陸は、あくまで理想をおっ被せていただけのまがい物だったのだと。勝手にイメージ押し付けて失望して、これほど失礼なことはないな、とその点については謝りたいm(__)m 大陸信者としての最後の希望が粉々に打ち砕かれた感じ。今ならSM○Pファンの気持ちが分かる・・・。(何その例え)
これからは彼の国の現実について、庇うのでも貶めるのでもなく、より真面目に、冷静に本当の現地の方の言葉を、そして甘辛両方のウチの国や外信様方の大陸レポートをよくよく見極めていきたいと思います@やっぱり懲りずに興味は尽きない。(日.本人として言えば隣国・かつ最も敵視されていると同時に経済面での相互依存が深い国として、歴オタ的に見れば世界に新しい混沌・あるいは秩序をもたらすかもしれない国として)
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