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ほぼ対自分向けメモ録。ブックマーク・リンクは掲示板貼付以外ご自由にどうぞ。著作権は一応ケイトにありますので文章の無断転載等はご遠慮願います。※最近の記事は私生活が詰まりすぎて創作の余裕が欠片もなく、心の闇の吐き出しどころとなっているのでご注意くださいm(__)m
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第二幕感想。(※相変わらず時事への辛口含むよ!)
昔のままのファウストの居室。何年経ってる設定なんだ?メフィストーフェレスのセリフ「(かつて彼がファウストに化けて騙した新人学生について)あの青年は未だにおれがいったことをしゃぶっているだろう。・・・世間様の期待通りに、大学の先生に化けて、もう一度そりくり返ってみせるか。威張ってみせるのは奴らのお手のものだろうが、悪魔はとうの昔にそんな気をなくしてしまった。」ここでも学問や学者への皮肉が覗きまくりですねー(^^;何年も放りっぱなしだった革衣から飛び出す虫たちの合唱に迎えられ、「種を蒔いてさえおけば、しかるべき時に取り入れられる」という言葉が意味深。「こういうがらくたや黴だらけの世界には、いつも気紛れの蟋蟀がいなくてはならないのさ。・・・おれを(革衣の真の持ち主・ファウスト)と認めてくれる奴らはどこにいるんだ。」からの懐かしい助手登場!「苔の生えた先生だ。学者などというものもそんな風に研究を続けて行くのだね、ほかにどうしようもないのだからな。そうやって小じんまりとしたカルタの家を建てるが、どんなに偉い学者だって、その家を建ておおせるということはないのだ。」真理過ぎて絶句・・・(´Д`;)
続いて現れた得業士によると、今では例のワーグネル君が「錚々たる進歩派の一人」として名を成しているらしい。門と扉が空いているのを確認して「これで漸く、今までのように、生きた人間が死人同然、黴の中でちぢこまって腐り、生きながらに死ぬこともなくて済むというものだ。・・・潮時を見て逃げ出さないと崩れ落ちた壁の下敷きになりかねない。僕は誰にもひけをとらぬ大胆者だが、これ以上先へは進めない。・・・もう何年も前に新入生としてここを訪れ、髭の先生方を信用して、奴らのおしゃべりを有難がったところだが。 奴らは古い本を手にして、知っていることや、知っていても自分では信じていないことを言って僕を騙し、お互いの生活を台なしにしてしまった。」ファウストやアーチャー主教の後悔と鏡写しやんけ(@_@;) ホント教師って(嫌いだけど)大変な職業だと思うわ。特に大学の先生となると、自らの研究と並行して指導を行うというのが矛盾を生むというか・・・教えるべきカリキュラム内容とまさに今自分が探求しようとしているヴェールに包まれた事実との差異をどうやって埋めれば良いか悩みもがくんじゃないかなー、って。本当の馬鹿ならそんなこと全く考えずにセンセー呼ばわりでメディアとか取り上げられて悦に入って楽しく過ごせるんだろうけど(笑)
得業士はメフィストーフェレスがファウストに化けてけしかけた新人くんでしたか・・・。再会した彼に「絶対主義者などには成り給うなよ。」とのたまうメフィストーフェレスに、「時勢の推移というものをお考え願って曖昧なお言葉はお慎み下さい。私たちの考え方は全然別なのですから。」と返事したる得業士くん。メフィストーフェレスは「若い人たちに真実ありのままを言ってやると、どうしても快く聴こうとはしない。だがなん年かあとになって、一切を自分の身にしたたかに思い知ると、こんどはそれが自分の独創ででもあるかのようにうぬぼれてしまって、あの先生は馬鹿者だったなどというのだね。」と応じる、この点はある意味でホントそうかも(-_-;) 得業士は更に「恐らく(馬鹿者というより)ずるい人だったという位ではないのですか。われわれに真実を率直に語ってくれる教師はいないのですから。教師なんていうものは、足したり引いたり、真面目くさってやるかと思うと、ぬかりなく学生どもをあしらうもの」と。うわぁ(´Д`;) 「君は経験を積んでもう人に教えてもいいつもりになっているらしい」と言うメフィストーフェレスに「経験などが何の役に立つものですか。問題は実に「精神」なのです。いかがでしょう、人がこれまでに学び知ったことは、果たして知るに値したことでしょうか。」と問いかける得業士、深い・・・!ファウストを超えたっつーか昔のファウストが思い悩んでいた境地というか、きっと今獲物選びをするなら(彼との出会いでそうなった可能性を否定できないとはいえ)彼は悪魔のターゲット第一候補になり得るのでは?
続けて老博士となったファウストに化けているメフィストーフェレスに「老いぼれて、もうなんの値打ちもないのに、自分がひとかどの者だと思うのは不都合ですな。・・・生命から新しい生命を創り出すのは、活きいきとした力も持った活発な血なのだ。・・・人間、三十を越したら、もう死人同然ですなぁ」と語る得業士。わーい、もうすぐ死人の仲間入りだよー!\(´∀`)/「青年の最も高貴なる使命が潮時を見て老害を叩き殺すこと」とか(笑)「人々を狭苦しい思想の枷から解放し、精神の声に服従して自由に内部の光をたのしく追い進み、前方に光明、背後に暗黒を従えてこよなき歓喜のうちに足早に歩いて行く」と意気揚々とする青年の姿を見送りながら、「阿呆めが。・・・どんなばかなことでも立派なことでも、およそ人間が考え出すことは、もうとうに先人が考えていたということがわかったら、奴もさぞかしガッカリするだろうて――だがあんなのがいても別にどうということはなく、少し経てば考えも変る。歳をとったら悪魔の言うこともわかるでしょう。」と毒づくメフィスト―フェレスさん(ノ∀`)

実験室ではあのワーグネル君が、何とホムンクルス(!)を生成しようとしていたのでした・・・(((゜Д゜;)))gkbr 「これまで流行っていたやり方(=錬金術?)は、単なる茶番」と言い切る彼。身近なものから始めて遠いものをわがものにするという力はもう昔の栄光をなくしてしまった、と。「人間は立派な素質を持とうとするなら、将来はもう少しましな生まれ方をすべき」でホムンクルス・試験管ベビーかよ、ゾッとするな!「自然の神秘として賞め称えてきたことを、今はわれわれの知性を働かして敢えて実行して、自然が今まで自分の手で巧みに作ったものを、今はわれわれが結晶させてみようというわけです。」と大真面目に語るワーグネルに、悪魔は「永生きをするといろいろと面白い目にも遭うものですなあ。この世には何一つとして新しいものはないということになる。」と応じる。ワーグネルは気にせずにレトルトの中身に夢中。「偉大な仕事というものは、最初はばかげて見えるが、これから先は偶然に俟つということを笑ってやることができるわけだ。すぐれた思考力を持つ脳髄などは、将来は思考家の手で創られることになるだろう。」・・・思考家の手によるものかは分かんないけどAIですね分かります^^チェスも将棋も人間に勝てる、介護も話し相手も務まっちゃうスグレもの!いやおっそろしー近未来への予言ですねゲーテさん。
生まれたてのホムンクルス「物事の性質上そうなのですが、自然の物にとっては宇宙といえども広すぎるということはありませんが(いや普通に広すぎだよ!><)、人工の物には、限られた空間が必要なのです。」空間じゃなくて時間だけど、寿命が短くて体力もオリジナルより弱いというクローンの鼠や羊や牛のことを想起させられてしまった(;_;) そんなホムンクルスを目の当たりにして「霊と肉体とはこれほど見事に調和し、緊密に結び合って容易なことでは離れそうもないのに、人生の毎日が愉しかったためしがない。これは一体どう説明したらいいのかね。」まるで昔の師・ファウストそのものの状態やんけ(´Д`;)
寝ているファウストに駆け寄り、その夢の光景を垣間見るホムンクルスに皮肉を言うメフィストーフェレス。そんな悪魔に「あなたは育ち上、自由に物事が見られるはずがありません。暗い所で泣ければあなたの本領は発揮できない」と告げる人工物(笑)ファウストが「(かつての居室であったはずの)こんな場所で目を覚ましたら死んでしまう。こんなところにいられるものですか。誰よりも呑気者の僕だって我慢できないここを出ましょう。」と「彼本来の活動舞台」にファウストとメフィストーフェレスを誘うホムンクルス。彼に「本物の幽霊は南方古代の幽霊」と告げられ、「あの暴政と奴隷制度のいざこざなど、七里結界だ。・・・自由の権のために戦っているなどとはいうが、奴隷が奴隷を相手に喧嘩をしているにすぎないじゃないか。」と言うメフィストーフェレスに「人間の喧嘩好きはどうにもなりませんよ。誰にしたって小さい時から、身を守るのに懸命で、それでどうやら一人前になれるのですからね。」と答えるホムンクルスとのやりとり、全く皮肉が効きまくってるゥー!(´∀`)σ)∀`) 現代社会の代理戦争と何も変わらない構図だな☆で、ファウストをどうやったら癒せるか、という話で「異教徒の土地ではそいつも通用しなかろう。そもそもギリシア人はろくでなし揃いさ。そのくせ官能の自由なたわむれで心をまどわし、人間を明るい罪悪へと誘い込む。そうしてわれわれの罪悪の方が陰気だという。」・・・つくづくドイ○とギ○シャの分かり合えない歴史の根深さに溜息が(以下略)ぺーネイオス河に向かうメフィストーフェレスの観客に向っての呟き「われわれは所詮、自分で作ったものに縋るのですな。」あー、真理や((-_-)ウンウン

古代のワルプルギスの夜、初っ端から魔女エリクトーの嘆き「不安で怖ろしかった夜が何度繰返されたかわからないが、しかし永遠に繰返されるでしょう……誰も国を余人に任せようとせず、力ずくで奪い取り、しっかり治めようとする人に任せようとしない。自分を征服できない人に限って、思いあがって他人の意志を自分の思い通りにしようとするのですから」んー、ここでは戦争について言ってんだろうけど、現代日/本人の私的には某壊し屋とか野党再編()のゴタゴタが思い浮かんじゃったかな(´-`) あと米ボス選の相手陣営叩きなんかも。そうやって手に入れた地位でマトモに職責こなした政治家が何人いるってよ? 本当ふざけんな、って話。(と人として最低限の義務すら果たせない虫けらに言われたくないでしょうけど。笑)
メフィストーフェレスの「(各々の目的が違うのだから)てんでに篝火を歴訪して、自分で自分の幸福を見つけ出そうとするよりほかはあるまい。」との一言でバラバラになった三人。ぺーネイオス河上流に来たメフィストーフェレスは古代の怪物たちを見て「こういうのは近代の精神を以って教育し、ここかしこ今風に糊づけして、上塗りをする必要がある」とか呟きやがる^^スフィンクスが指摘するメフィストーフェレスの本性「善人にも悪人にも必要にして、善人には禁慾の戦いの胸甲となり、悪人には無法を行う際の相棒となる。いずれも大神ゼウスの御心を慰めんがためなり」なるほどー(゜O゜) 一方でファウストは口喧嘩するセイレーンとスフィンクスたちを眺めながら「素敵だ、見ているだけで楽しい。醜悪の中に偉大で有為なものの気配がある。・・・この厳粛な一瞥によって、己はいかなる境界に身を移し置かれることになるのだろうか。」古代の様々な神話や伝説に登場する怪物を目の前にして妄想の翼が羽ばたく気持ち、わかるー(*´∀`)遺跡巡りしてる時の私の心情ね!「清新な精神がからだに沁み通ってくるような気がする。姿形も偉大なら、追憶も偉大だ。」感動するファウストに「以前ならこんなものは呪ったことでしょうに、現在はお気に召すと見えますな。」と嫌味を言うメフィストーフェレス。中々良いコンビぶりで(笑)ファウストが消えて古代の怪物たちの見慣れぬ有様に怯えるメフィストーフェレスにスフィンクスが告げる「われら、ピラミッドを前にして、諸々の国民の最期を見届けん。洪水、戦乱、和平の日――いかなる折にもわれらは動ぜず。」マジかっけぇ!そして羨ましい!>< まぁその「動ぜず」ってのが難点でもあるわけだけどさ。

ぺーネイオス河の下流に向ったファウストは、ニンフたちに「いつもあなたを避けがちの眠り」を勧められるが、ヘレネーの姿を忘れられぬ余りに「心は先を急ごうとする。」・・・ホントこのオッサン(^ω^#)ビキビキ 彼女の居所を訪ねようとしてまたがったケイローンを褒めまくる彼にケイローンが語るセリフ、「とどのつまり弟子どもは、なんの教えも受けなかったかのように、自分の流儀でやって行くものだ。」うーん、この辺も現代に通じる皮肉かな? アルゴー船に乗組んだ人たちの話に到り、「誰もそれぞれに勇敢だったな。自分の長所の持ち分で、他人の弱点を庇うという風だった。・・・力を合せてこそ危難を切り抜けることができる。一人が働きをすると、ほかの皆がそれを褒めるという風だった」どうして全ての人間はこんな風に生きられないのだろうか?(´-`)と何だかむしろ切なくなってしまう。でもって本題のヘレネーの話を振ろうとして、「女の美しさなど、何程のことがあろうか。人形のように動きのないものになりがちだ。朗かに楽しく生き動くような、そういう人間の姿でなければ褒めるわけには行かぬ。端麗な美はとかく自己満足に陥るもので、われわれを惹きつけるのは動きのある優美なのだ。」と言うケイローンの気持ちも分かります。お人形はお人形でその良さもあるけどさ。
ケイローンが背に乗せたヘレネーの年齢についての話で、「十になるやならずで……」と感動に打ち震える(笑)ファウストに対し、「いや、それは言語学者が、きみをも自分自身をも騙しているのだ。神話の女というのは詩人が都合のいいように描いてみせるのさ。大人になることもなければ、歳もとらぬ。千年万年経とうとも水もしたたるばかりの女振り、若い時分には誘拐され、年を取っても口説かれる。つまり詩人は時間に縛られんのだな。」うおおコレどこの二次元の世界ですかー!?/(^O^)\全てのキャラクターは18歳以上なんですね分かります。そんな歳月に縛られない彼女との出会いを滅多にない幸運、運命に抗って得た恋と表現するファウスト。自分も彼女を甦らせることのできないわけがない、という彼に「君は人間だから、そんなに夢中になるのも無理はないが、霊の眼から見れば、まず以って狂気の沙汰だ。」とケイローンは諭し、彼の狂気を治すために巫女マント―の元へ導く。けれどファウストはなおも「治してなど貰いたくはないのです。・・・治して貰ったりしたら、余人同様私も単なる俗人にすぎないでしょう。」とうそぶきやがる(´Д`;)

その後に出てくる蟻と侏儒たちのやりとりも現実世界への示唆に富みまくり(@_@;) 長老による「強さより速さだ。まだ平和な世だが、火事場を建てて、鎧、武器を作り、軍隊に納めよ。」かーらーの青鷺たちとの戦争、他の蟻と侏儒たち「誰がおれたちを救ってくれるのだろうか。おれたちが鉄を鋳造すると、やつらはそれで鎖を作る。逃げ出すのには、まだちと早い。だから大人しくしていよう。」そして仲間の鷺を殺された鶴は彼らを永遠の敵と定め、復讐を誓うとか・・・どこの世も(以下略)石の間をさ迷うメフィストーフェレスの前に再び現れたホムンクルスは「最高の意味で「出来上がる」ために方々をさまよい歩いてきたけれど、どの世界へも好き好んで入って行く気にはなれません。」と言い、さかんに「自然、自然」とのたまう哲学者二人と離れたくなくてあとをつけていると語る。彼らから己がどこへ身を託すべきかを学び知ることが出来るだろう、と言うホムンクルスに「それは独力でやった方が良い。・・・迷いがあって初めて分別を持てるようになる。「出来上がろう」と思うなら、独力でやること」と応じるメフィストーフェレスの助言は的を射ているものじゃないかと感じた。
南方世界に上手く馴染めないメフィスト―フェレスを嘲るドリュアスに彼が答える「誰しも残してきたもののことをとかく考えがちなものだ。馴染んだものは、いつまで経ってもいいものさ。」((-_-)ウンウン納得。ポルキュアスたち姉妹に出会って、言葉たくみに彼女たちをからかうメフィストーフェレスに対して彼女たちが答える「やめて頂戴。芸術の題材にされた方が良いと思ったところで、それがなんの足しになるのでしょう。夜の闇に生れ出て、暗黒の一族で、誰にも知られず、自分で自分がよくわからないほどなのだから。」ってセリフに何故か共感してしまった@病んでるー\(^O^)/

ホムンクルスは人間嫌いの不平家、未来のことがわかる神ネーレウスの元を訪れる。「神々になろうと一所懸命だが、いつになっても一箇所で足踏みをしているという哀れな代物」と人間を捉えて嫌いながら「優れた人間を見ると、面倒を見てやらずにはいられない病がある。」何だツンデレかネーレウス(´-`)=3 ホムンクルスが忠告を求めていることを告げるタレースに「立派な忠告も人間にはまず馬耳東風で役に立たず、なん度もしくじって自分で自分に腹を立てるが、それで性懲りもなしに我意を張り通す。」と答えるネーレウスの言葉、全くですねサーセンm(__)m その後に現れたネーレーイデスとトリートーンたちの「類ない神々は、いつも成長なさりつつあるので、得難いものをお求めになって、憧れ飢え苦しんでおられるのです。」何だ、神も人間と一緒じゃん・・・。そんな神々を眺めつつホムンクルスが呟く「あの神さまたちは不細工で、まるで不格好な土器の壺だ。しかし賢い人たちがそれにぶつかって、固い頭を痛めるのですからね。」という言葉に「それこそが人の欲しがるものなのだ。錆がついて初めて貨幣にも値打ちが出る」と返すタレースと「そういうものこそ、わしらのような老空想家にとっては面白い。風変わりなほど、値打ちが出る」と応えるプローテウス、歴オタとして同意せざるを得ない(・・;)
タレースがプロ―テウスにホムンクルスについて説明する「精神的な特性には欠けるところはないのですが、肉体的な能力というものがなさすぎるのです。・・・だから何はともあれ肉体を欲しがっている」というセリフ、それに答えるプロ―テウスの「お前こそ文字通り処女の産んだ子だな。生れない前に、もう生れてしまったというやつだ。」これだったのか、エンジェルの言ってた未成年者の自殺のくだり!Σ(@o@;) 結局プロ―テウスはホムンクルスに「まず小さいところからやり出して、ごく小さいものを飲み込んで満足して置く。そういう風にして次第に大きくなって行って、高度のものを仕上げるようにするのだな。」とアドバイスするが、その結末は(以下略)

「神々の御稜威を厳かな人間の姿に創り刻んだのは、われわれだったのです、われわれが最初だったのです。」とのたまうテルキーネスに対しプロ―テウスが毒づく「太陽の聖なる生命の光の前では、生命のない拵え物など洒落にもならぬ。奴らは相当なものを創り上げた気になっているが、こういう高慢な手合いが一体なんだというのだ。巨大な神像がいくつも立ってはいた――が、一度の地震で滅茶苦茶にされてしまったではないか。・・・地上の営為は、それがどういうものであれ、所詮は無駄な骨折り損なのだ。波の方が生命にはずっと役に立つ。」地震と津波両方くらった宮城県民として、非常に胸に突き刺さる言葉です。人間は何てちっぽけで儚く、この世は虚しいものなのだろう、と。やっぱり仏教、諸行無常に通じる思想をこのセリフからも感じますね。
ホムンクルスに対して「精神だけの存在」として海の中へ入るように告げるプロ―テウス。「無理に上位のものの中に入ろうとするな。人間になってしまったら、それでもう終点だからな。」対してタレースは「それも事情いかんによってのことで、一時代の一人物になるのも悪くはなかろう。」とこの問答もウーン、深い((-_-) その後に現れたプシュレンやマルゼンたちのセリフ「新しい時代の者どもの目に見えずに、われら静かに動く者は、鷲のローマ人も、獅子のヴェネチア人も、キリスト教徒も、回教徒も懼れず、上にどんな支配者が君臨して、入れ代り立ち代りどんな政治をしようとも、逐い合い、殺し合おうとも、畑地や町々を蹂躙しようとも、われらは、この先ざきも永く、美しい姫君の伴をし続けるのだ。」皮肉混じりでしょうけど、いいなー羨ましい!(´Д`*)
水信者タレースの「万物は水から生れ出たものだ。万物は水によってその存在を保たれるのだ。・・・お前こそ最も活きいきとした生命を保たせてくれる源なのだ。」からの一年に一度しか娘に会えないネーレウスの親心「娘の姿は人混みの中に光って見える。こんなに遠方からも、はっきりと明るく光っている、わしの心の中では、いつも間近く、ありのままに。」は泣かせますなー(つД`) そして結局「やむにやまれぬ憧れを示す兆候」に襲われたホムンクルスくん・・・(´;ω;`)ブワッ

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昔のままのファウストの居室。何年経ってる設定なんだ?メフィストーフェレスのセリフ「(かつて彼がファウストに化けて騙した新人学生について)あの青年は未だにおれがいったことをしゃぶっているだろう。・・・世間様の期待通りに、大学の先生に化けて、もう一度そりくり返ってみせるか。威張ってみせるのは奴らのお手のものだろうが、悪魔はとうの昔にそんな気をなくしてしまった。」ここでも学問や学者への皮肉が覗きまくりですねー(^^;何年も放りっぱなしだった革衣から飛び出す虫たちの合唱に迎えられ、「種を蒔いてさえおけば、しかるべき時に取り入れられる」という言葉が意味深。「こういうがらくたや黴だらけの世界には、いつも気紛れの蟋蟀がいなくてはならないのさ。・・・おれを(革衣の真の持ち主・ファウスト)と認めてくれる奴らはどこにいるんだ。」からの懐かしい助手登場!「苔の生えた先生だ。学者などというものもそんな風に研究を続けて行くのだね、ほかにどうしようもないのだからな。そうやって小じんまりとしたカルタの家を建てるが、どんなに偉い学者だって、その家を建ておおせるということはないのだ。」真理過ぎて絶句・・・(´Д`;)
続いて現れた得業士によると、今では例のワーグネル君が「錚々たる進歩派の一人」として名を成しているらしい。門と扉が空いているのを確認して「これで漸く、今までのように、生きた人間が死人同然、黴の中でちぢこまって腐り、生きながらに死ぬこともなくて済むというものだ。・・・潮時を見て逃げ出さないと崩れ落ちた壁の下敷きになりかねない。僕は誰にもひけをとらぬ大胆者だが、これ以上先へは進めない。・・・もう何年も前に新入生としてここを訪れ、髭の先生方を信用して、奴らのおしゃべりを有難がったところだが。 奴らは古い本を手にして、知っていることや、知っていても自分では信じていないことを言って僕を騙し、お互いの生活を台なしにしてしまった。」ファウストやアーチャー主教の後悔と鏡写しやんけ(@_@;) ホント教師って(嫌いだけど)大変な職業だと思うわ。特に大学の先生となると、自らの研究と並行して指導を行うというのが矛盾を生むというか・・・教えるべきカリキュラム内容とまさに今自分が探求しようとしているヴェールに包まれた事実との差異をどうやって埋めれば良いか悩みもがくんじゃないかなー、って。本当の馬鹿ならそんなこと全く考えずにセンセー呼ばわりでメディアとか取り上げられて悦に入って楽しく過ごせるんだろうけど(笑)
得業士はメフィストーフェレスがファウストに化けてけしかけた新人くんでしたか・・・。再会した彼に「絶対主義者などには成り給うなよ。」とのたまうメフィストーフェレスに、「時勢の推移というものをお考え願って曖昧なお言葉はお慎み下さい。私たちの考え方は全然別なのですから。」と返事したる得業士くん。メフィストーフェレスは「若い人たちに真実ありのままを言ってやると、どうしても快く聴こうとはしない。だがなん年かあとになって、一切を自分の身にしたたかに思い知ると、こんどはそれが自分の独創ででもあるかのようにうぬぼれてしまって、あの先生は馬鹿者だったなどというのだね。」と応じる、この点はある意味でホントそうかも(-_-;) 得業士は更に「恐らく(馬鹿者というより)ずるい人だったという位ではないのですか。われわれに真実を率直に語ってくれる教師はいないのですから。教師なんていうものは、足したり引いたり、真面目くさってやるかと思うと、ぬかりなく学生どもをあしらうもの」と。うわぁ(´Д`;) 「君は経験を積んでもう人に教えてもいいつもりになっているらしい」と言うメフィストーフェレスに「経験などが何の役に立つものですか。問題は実に「精神」なのです。いかがでしょう、人がこれまでに学び知ったことは、果たして知るに値したことでしょうか。」と問いかける得業士、深い・・・!ファウストを超えたっつーか昔のファウストが思い悩んでいた境地というか、きっと今獲物選びをするなら(彼との出会いでそうなった可能性を否定できないとはいえ)彼は悪魔のターゲット第一候補になり得るのでは?
続けて老博士となったファウストに化けているメフィストーフェレスに「老いぼれて、もうなんの値打ちもないのに、自分がひとかどの者だと思うのは不都合ですな。・・・生命から新しい生命を創り出すのは、活きいきとした力も持った活発な血なのだ。・・・人間、三十を越したら、もう死人同然ですなぁ」と語る得業士。わーい、もうすぐ死人の仲間入りだよー!\(´∀`)/「青年の最も高貴なる使命が潮時を見て老害を叩き殺すこと」とか(笑)「人々を狭苦しい思想の枷から解放し、精神の声に服従して自由に内部の光をたのしく追い進み、前方に光明、背後に暗黒を従えてこよなき歓喜のうちに足早に歩いて行く」と意気揚々とする青年の姿を見送りながら、「阿呆めが。・・・どんなばかなことでも立派なことでも、およそ人間が考え出すことは、もうとうに先人が考えていたということがわかったら、奴もさぞかしガッカリするだろうて――だがあんなのがいても別にどうということはなく、少し経てば考えも変る。歳をとったら悪魔の言うこともわかるでしょう。」と毒づくメフィスト―フェレスさん(ノ∀`)

実験室ではあのワーグネル君が、何とホムンクルス(!)を生成しようとしていたのでした・・・(((゜Д゜;)))gkbr 「これまで流行っていたやり方(=錬金術?)は、単なる茶番」と言い切る彼。身近なものから始めて遠いものをわがものにするという力はもう昔の栄光をなくしてしまった、と。「人間は立派な素質を持とうとするなら、将来はもう少しましな生まれ方をすべき」でホムンクルス・試験管ベビーかよ、ゾッとするな!「自然の神秘として賞め称えてきたことを、今はわれわれの知性を働かして敢えて実行して、自然が今まで自分の手で巧みに作ったものを、今はわれわれが結晶させてみようというわけです。」と大真面目に語るワーグネルに、悪魔は「永生きをするといろいろと面白い目にも遭うものですなあ。この世には何一つとして新しいものはないということになる。」と応じる。ワーグネルは気にせずにレトルトの中身に夢中。「偉大な仕事というものは、最初はばかげて見えるが、これから先は偶然に俟つということを笑ってやることができるわけだ。すぐれた思考力を持つ脳髄などは、将来は思考家の手で創られることになるだろう。」・・・思考家の手によるものかは分かんないけどAIですね分かります^^チェスも将棋も人間に勝てる、介護も話し相手も務まっちゃうスグレもの!いやおっそろしー近未来への予言ですねゲーテさん。
生まれたてのホムンクルス「物事の性質上そうなのですが、自然の物にとっては宇宙といえども広すぎるということはありませんが(いや普通に広すぎだよ!><)、人工の物には、限られた空間が必要なのです。」空間じゃなくて時間だけど、寿命が短くて体力もオリジナルより弱いというクローンの鼠や羊や牛のことを想起させられてしまった(;_;) そんなホムンクルスを目の当たりにして「霊と肉体とはこれほど見事に調和し、緊密に結び合って容易なことでは離れそうもないのに、人生の毎日が愉しかったためしがない。これは一体どう説明したらいいのかね。」まるで昔の師・ファウストそのものの状態やんけ(´Д`;)
寝ているファウストに駆け寄り、その夢の光景を垣間見るホムンクルスに皮肉を言うメフィストーフェレス。そんな悪魔に「あなたは育ち上、自由に物事が見られるはずがありません。暗い所で泣ければあなたの本領は発揮できない」と告げる人工物(笑)ファウストが「(かつての居室であったはずの)こんな場所で目を覚ましたら死んでしまう。こんなところにいられるものですか。誰よりも呑気者の僕だって我慢できないここを出ましょう。」と「彼本来の活動舞台」にファウストとメフィストーフェレスを誘うホムンクルス。彼に「本物の幽霊は南方古代の幽霊」と告げられ、「あの暴政と奴隷制度のいざこざなど、七里結界だ。・・・自由の権のために戦っているなどとはいうが、奴隷が奴隷を相手に喧嘩をしているにすぎないじゃないか。」と言うメフィストーフェレスに「人間の喧嘩好きはどうにもなりませんよ。誰にしたって小さい時から、身を守るのに懸命で、それでどうやら一人前になれるのですからね。」と答えるホムンクルスとのやりとり、全く皮肉が効きまくってるゥー!(´∀`)σ)∀`) 現代社会の代理戦争と何も変わらない構図だな☆で、ファウストをどうやったら癒せるか、という話で「異教徒の土地ではそいつも通用しなかろう。そもそもギリシア人はろくでなし揃いさ。そのくせ官能の自由なたわむれで心をまどわし、人間を明るい罪悪へと誘い込む。そうしてわれわれの罪悪の方が陰気だという。」・・・つくづくドイ○とギ○シャの分かり合えない歴史の根深さに溜息が(以下略)ぺーネイオス河に向かうメフィストーフェレスの観客に向っての呟き「われわれは所詮、自分で作ったものに縋るのですな。」あー、真理や((-_-)ウンウン

古代のワルプルギスの夜、初っ端から魔女エリクトーの嘆き「不安で怖ろしかった夜が何度繰返されたかわからないが、しかし永遠に繰返されるでしょう……誰も国を余人に任せようとせず、力ずくで奪い取り、しっかり治めようとする人に任せようとしない。自分を征服できない人に限って、思いあがって他人の意志を自分の思い通りにしようとするのですから」んー、ここでは戦争について言ってんだろうけど、現代日/本人の私的には某壊し屋とか野党再編()のゴタゴタが思い浮かんじゃったかな(´-`) あと米ボス選の相手陣営叩きなんかも。そうやって手に入れた地位でマトモに職責こなした政治家が何人いるってよ? 本当ふざけんな、って話。(と人として最低限の義務すら果たせない虫けらに言われたくないでしょうけど。笑)
メフィストーフェレスの「(各々の目的が違うのだから)てんでに篝火を歴訪して、自分で自分の幸福を見つけ出そうとするよりほかはあるまい。」との一言でバラバラになった三人。ぺーネイオス河上流に来たメフィストーフェレスは古代の怪物たちを見て「こういうのは近代の精神を以って教育し、ここかしこ今風に糊づけして、上塗りをする必要がある」とか呟きやがる^^スフィンクスが指摘するメフィストーフェレスの本性「善人にも悪人にも必要にして、善人には禁慾の戦いの胸甲となり、悪人には無法を行う際の相棒となる。いずれも大神ゼウスの御心を慰めんがためなり」なるほどー(゜O゜) 一方でファウストは口喧嘩するセイレーンとスフィンクスたちを眺めながら「素敵だ、見ているだけで楽しい。醜悪の中に偉大で有為なものの気配がある。・・・この厳粛な一瞥によって、己はいかなる境界に身を移し置かれることになるのだろうか。」古代の様々な神話や伝説に登場する怪物を目の前にして妄想の翼が羽ばたく気持ち、わかるー(*´∀`)遺跡巡りしてる時の私の心情ね!「清新な精神がからだに沁み通ってくるような気がする。姿形も偉大なら、追憶も偉大だ。」感動するファウストに「以前ならこんなものは呪ったことでしょうに、現在はお気に召すと見えますな。」と嫌味を言うメフィストーフェレス。中々良いコンビぶりで(笑)ファウストが消えて古代の怪物たちの見慣れぬ有様に怯えるメフィストーフェレスにスフィンクスが告げる「われら、ピラミッドを前にして、諸々の国民の最期を見届けん。洪水、戦乱、和平の日――いかなる折にもわれらは動ぜず。」マジかっけぇ!そして羨ましい!>< まぁその「動ぜず」ってのが難点でもあるわけだけどさ。

ぺーネイオス河の下流に向ったファウストは、ニンフたちに「いつもあなたを避けがちの眠り」を勧められるが、ヘレネーの姿を忘れられぬ余りに「心は先を急ごうとする。」・・・ホントこのオッサン(^ω^#)ビキビキ 彼女の居所を訪ねようとしてまたがったケイローンを褒めまくる彼にケイローンが語るセリフ、「とどのつまり弟子どもは、なんの教えも受けなかったかのように、自分の流儀でやって行くものだ。」うーん、この辺も現代に通じる皮肉かな? アルゴー船に乗組んだ人たちの話に到り、「誰もそれぞれに勇敢だったな。自分の長所の持ち分で、他人の弱点を庇うという風だった。・・・力を合せてこそ危難を切り抜けることができる。一人が働きをすると、ほかの皆がそれを褒めるという風だった」どうして全ての人間はこんな風に生きられないのだろうか?(´-`)と何だかむしろ切なくなってしまう。でもって本題のヘレネーの話を振ろうとして、「女の美しさなど、何程のことがあろうか。人形のように動きのないものになりがちだ。朗かに楽しく生き動くような、そういう人間の姿でなければ褒めるわけには行かぬ。端麗な美はとかく自己満足に陥るもので、われわれを惹きつけるのは動きのある優美なのだ。」と言うケイローンの気持ちも分かります。お人形はお人形でその良さもあるけどさ。
ケイローンが背に乗せたヘレネーの年齢についての話で、「十になるやならずで……」と感動に打ち震える(笑)ファウストに対し、「いや、それは言語学者が、きみをも自分自身をも騙しているのだ。神話の女というのは詩人が都合のいいように描いてみせるのさ。大人になることもなければ、歳もとらぬ。千年万年経とうとも水もしたたるばかりの女振り、若い時分には誘拐され、年を取っても口説かれる。つまり詩人は時間に縛られんのだな。」うおおコレどこの二次元の世界ですかー!?/(^O^)\全てのキャラクターは18歳以上なんですね分かります。そんな歳月に縛られない彼女との出会いを滅多にない幸運、運命に抗って得た恋と表現するファウスト。自分も彼女を甦らせることのできないわけがない、という彼に「君は人間だから、そんなに夢中になるのも無理はないが、霊の眼から見れば、まず以って狂気の沙汰だ。」とケイローンは諭し、彼の狂気を治すために巫女マント―の元へ導く。けれどファウストはなおも「治してなど貰いたくはないのです。・・・治して貰ったりしたら、余人同様私も単なる俗人にすぎないでしょう。」とうそぶきやがる(´Д`;)

その後に出てくる蟻と侏儒たちのやりとりも現実世界への示唆に富みまくり(@_@;) 長老による「強さより速さだ。まだ平和な世だが、火事場を建てて、鎧、武器を作り、軍隊に納めよ。」かーらーの青鷺たちとの戦争、他の蟻と侏儒たち「誰がおれたちを救ってくれるのだろうか。おれたちが鉄を鋳造すると、やつらはそれで鎖を作る。逃げ出すのには、まだちと早い。だから大人しくしていよう。」そして仲間の鷺を殺された鶴は彼らを永遠の敵と定め、復讐を誓うとか・・・どこの世も(以下略)石の間をさ迷うメフィストーフェレスの前に再び現れたホムンクルスは「最高の意味で「出来上がる」ために方々をさまよい歩いてきたけれど、どの世界へも好き好んで入って行く気にはなれません。」と言い、さかんに「自然、自然」とのたまう哲学者二人と離れたくなくてあとをつけていると語る。彼らから己がどこへ身を託すべきかを学び知ることが出来るだろう、と言うホムンクルスに「それは独力でやった方が良い。・・・迷いがあって初めて分別を持てるようになる。「出来上がろう」と思うなら、独力でやること」と応じるメフィストーフェレスの助言は的を射ているものじゃないかと感じた。
南方世界に上手く馴染めないメフィスト―フェレスを嘲るドリュアスに彼が答える「誰しも残してきたもののことをとかく考えがちなものだ。馴染んだものは、いつまで経ってもいいものさ。」((-_-)ウンウン納得。ポルキュアスたち姉妹に出会って、言葉たくみに彼女たちをからかうメフィストーフェレスに対して彼女たちが答える「やめて頂戴。芸術の題材にされた方が良いと思ったところで、それがなんの足しになるのでしょう。夜の闇に生れ出て、暗黒の一族で、誰にも知られず、自分で自分がよくわからないほどなのだから。」ってセリフに何故か共感してしまった@病んでるー\(^O^)/

ホムンクルスは人間嫌いの不平家、未来のことがわかる神ネーレウスの元を訪れる。「神々になろうと一所懸命だが、いつになっても一箇所で足踏みをしているという哀れな代物」と人間を捉えて嫌いながら「優れた人間を見ると、面倒を見てやらずにはいられない病がある。」何だツンデレかネーレウス(´-`)=3 ホムンクルスが忠告を求めていることを告げるタレースに「立派な忠告も人間にはまず馬耳東風で役に立たず、なん度もしくじって自分で自分に腹を立てるが、それで性懲りもなしに我意を張り通す。」と答えるネーレウスの言葉、全くですねサーセンm(__)m その後に現れたネーレーイデスとトリートーンたちの「類ない神々は、いつも成長なさりつつあるので、得難いものをお求めになって、憧れ飢え苦しんでおられるのです。」何だ、神も人間と一緒じゃん・・・。そんな神々を眺めつつホムンクルスが呟く「あの神さまたちは不細工で、まるで不格好な土器の壺だ。しかし賢い人たちがそれにぶつかって、固い頭を痛めるのですからね。」という言葉に「それこそが人の欲しがるものなのだ。錆がついて初めて貨幣にも値打ちが出る」と返すタレースと「そういうものこそ、わしらのような老空想家にとっては面白い。風変わりなほど、値打ちが出る」と応えるプローテウス、歴オタとして同意せざるを得ない(・・;)
タレースがプロ―テウスにホムンクルスについて説明する「精神的な特性には欠けるところはないのですが、肉体的な能力というものがなさすぎるのです。・・・だから何はともあれ肉体を欲しがっている」というセリフ、それに答えるプロ―テウスの「お前こそ文字通り処女の産んだ子だな。生れない前に、もう生れてしまったというやつだ。」これだったのか、エンジェルの言ってた未成年者の自殺のくだり!Σ(@o@;) 結局プロ―テウスはホムンクルスに「まず小さいところからやり出して、ごく小さいものを飲み込んで満足して置く。そういう風にして次第に大きくなって行って、高度のものを仕上げるようにするのだな。」とアドバイスするが、その結末は(以下略)

「神々の御稜威を厳かな人間の姿に創り刻んだのは、われわれだったのです、われわれが最初だったのです。」とのたまうテルキーネスに対しプロ―テウスが毒づく「太陽の聖なる生命の光の前では、生命のない拵え物など洒落にもならぬ。奴らは相当なものを創り上げた気になっているが、こういう高慢な手合いが一体なんだというのだ。巨大な神像がいくつも立ってはいた――が、一度の地震で滅茶苦茶にされてしまったではないか。・・・地上の営為は、それがどういうものであれ、所詮は無駄な骨折り損なのだ。波の方が生命にはずっと役に立つ。」地震と津波両方くらった宮城県民として、非常に胸に突き刺さる言葉です。人間は何てちっぽけで儚く、この世は虚しいものなのだろう、と。やっぱり仏教、諸行無常に通じる思想をこのセリフからも感じますね。
ホムンクルスに対して「精神だけの存在」として海の中へ入るように告げるプロ―テウス。「無理に上位のものの中に入ろうとするな。人間になってしまったら、それでもう終点だからな。」対してタレースは「それも事情いかんによってのことで、一時代の一人物になるのも悪くはなかろう。」とこの問答もウーン、深い((-_-) その後に現れたプシュレンやマルゼンたちのセリフ「新しい時代の者どもの目に見えずに、われら静かに動く者は、鷲のローマ人も、獅子のヴェネチア人も、キリスト教徒も、回教徒も懼れず、上にどんな支配者が君臨して、入れ代り立ち代りどんな政治をしようとも、逐い合い、殺し合おうとも、畑地や町々を蹂躙しようとも、われらは、この先ざきも永く、美しい姫君の伴をし続けるのだ。」皮肉混じりでしょうけど、いいなー羨ましい!(´Д`*)
水信者タレースの「万物は水から生れ出たものだ。万物は水によってその存在を保たれるのだ。・・・お前こそ最も活きいきとした生命を保たせてくれる源なのだ。」からの一年に一度しか娘に会えないネーレウスの親心「娘の姿は人混みの中に光って見える。こんなに遠方からも、はっきりと明るく光っている、わしの心の中では、いつも間近く、ありのままに。」は泣かせますなー(つД`) そして結局「やむにやまれぬ憧れを示す兆候」に襲われたホムンクルスくん・・・(´;ω;`)ブワッ

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