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ほぼ対自分向けメモ録。ブックマーク・リンクは掲示板貼付以外ご自由にどうぞ。著作権は一応ケイトにありますので文章の無断転載等はご遠慮願います。※最近の記事は私生活が詰まりすぎて創作の余裕が欠片もなく、心の闇の吐き出しどころとなっているのでご注意くださいm(__)m
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美と醜は表裏一体であり、真実の美を知るのは醜なるものだけで、また醜なるものを秘めてこそ美そのものもまた輝ける真価を発揮する、まさにそういう話で素直に沁み入るように感動してしまった。

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川端康成の描く世界、文章は透明な水のように美しい。それは踊り子かじった時も感じたし、問題集や模試なんかで『雪国』『細雪』の一部あたりを覗いた時も思った。でもそれが、その余りの透明な美しさが私にはどうも物足りないというか響かなかった。“リアル”じゃない、こんなのは男性の描く幻想の世界というだけ、みたいな。(何てひねくれた女子高生だったんでしょーね、我ながら(^-^;)でもこの作品は違った。病み(闇)を抱える主人公が追いかける女性たちも同じように薄暗い感情や欲望を孕んでいて、絶妙に絡み合った人間関係のパズルのピースのハマり様に作者の美学の枠をはみ出せないむず痒さというかもどかしさみたいなものは覚えるけど、その各々のピース・登場人物の抱える醜さが、哀愁が、弱さが愛しくて堪らない。美しいのに、人間らしくて生々しい、 こんな話も書けたんだこの人、って知らなかったことに今すごく損した気分。・・・ぶっちゃけ英語記事のコメント欄で知ったんすよ。こんなにも日.本的で美しい文化的叙情すら詰め込まれた話を!o(;´皿`)キイィ悔しい~!
昭和のタクシーの窓ガラスから見える景色の色の変化が、胸が痛くなるほど切なく共感できる部分だった。そしてその全ての色が混ざり合う荒れた高山こそが、みどりの山より何よりこの世で一番美しい山なのだ、と。同意します。緑の山は癒されるけど、活きた火山の岩肌が放つ圧倒的な存在感、遠目から見たかたち、カルデラ湖の鮮やかさ、そして天の色そのままにどんな色にも染まり行くその光景こそが、何物にも代えがたく人の心を捕らえゾクリとするほど魅了してしまうものなのだ、と。そこら中に火山のある日/本に生まれ育った人間じゃないと分かんないんじゃないかな? この感覚。あと蛍の象徴するものとかさー。
幽霊に足がないのは万国共通?っぽいけど(笑)身体のどこか一部分に執着、あるいはコンプレックスを抱く主人公は純文定番ですね。彼にとってはそれが醜い父の記憶とも結び付き、ある意味心の底では愛着を持ってさえいるものなのだ、と赤ん坊の足を確認しなかったことを悔やむくだりで感じた。久子との別れも切ないね><「僕の世界なんかにおりて来ない方がいいよ。・・・僕は君とは別の世界から、一生君の思い出にあこがれて、感謝しているよ。」。・゜゜(ノД`)ウワアァン 相手を引きずり降ろして放り投げたファウストに聞かせてやりたい!これが日/本男児・・・あー、っと某鴎外さんがいたんだったわ彼の国でやらかした日.本人に(^ω^;)サーセンしたエリスちゃん! まぁ私教え子に手ぇ出す教師は教育者・職業人として最低だと思ってるし、例え責任取って結婚まで行ったとしても半々の割合で次々繰り返す病気(痴漢や万引きと同じ)みたいなタイプの人間だと考えてるクチなんで、この点は全く同情できないというか恩田さんや久子の身内側に立っちゃいますけどね。
女が怖くて嫌いなのに、母性を求めて若い女性にすがらずにはいられない有田老人と、お嬢様育ちながらその囲われ者という立場に甘んじている宮子さんの、傷の舐め合いのような共依存のような複雑な関係もグッとくる(´;ω;`) 誰もが認める幸せを掴めるはずの少女、町枝にも今後明らかに痛みを覚え、傷を知る運命が待ち構えている予兆が・・・無垢な美、疑うことのない完全な幸福に浸れる時間は本当に束の間で、長くは続かないんだよね。だからこそ少女というものは清らかで美しく、痛みを知る女性は匂い立つような色香や魔性を秘めて美しいのだ、と川端御大の理想にやっと心から納得できたというか受け入れることができたかな@何故か偉そう(笑)
解説でコレを紹介したの三島、って書いてあって超うなずいたわ^^ 彼の好むのは枠に収まるんじゃなくてひたすら迸ってしまうパッション溢れるままの美だもんね。毒も醜もそのまんま。全部ごた混ぜにしてそれでも圧倒的な美しさというか眩さというかメラメラ燃える炎みたいなもので覆い隠してしまう。確かにソレはそこにあるのに、内包してなお美しく魅せてしまうの。どんと祭のお焚き上げの踊り狂う火みたい。だから、この毒(三島のように強烈な臭いと温度を持ったものではなく、無味無臭の、チクリと針で刺されたような、あるいはザラリとヤスリのようなもので撫でられたような、心の柔らかい部分を真綿で締め付けられるようなものですが)を孕みつつも、どうしようもなく美しい作品を評価したというのは心の底から理解できます。川端が当時気鋭の新進作家として名を上げてきただろう三島に引きずられて書いた作品ではないのか、と考えてしまうくらい。イヤ美しくて(何回も繰り返してる上に陳腐極まりないが、ひたすらこの言葉使うしかない)沁み渡る小説でした。大概今更だけど、出会えて本当に良かった(-人-)


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うおおスゲーこわ面白かった!

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メアリーの中の人も言ってたけど、原作通りのヴィクトリア朝時代という設定を活かしたゴシックホラー要素ありのストーリーと演出が(((*´∀`))) 大変好みでした☆ あとカンバーバッチ氏の「(舞台が現代設定じゃないなら)髪切っていい?」の話が(笑)あのクルクル維持すんのそんな面倒なんか!ワトソンくんの髭は現代にも増して返って大変そうでしたけどねー。「もう1月にロケしないって言ったのに><」ってスゲー寒そうにモコモコダウン来てる皆さんが可愛い。マイクロフトとモリアーティお揃いだし(ノ∀`)
19C設定のホームズの部屋と二人の出で立ちを見て、何か自分が最初に小説に出会った時のことを懐かしく思い出しちゃいました。動物が好きだから、という理由で順番関係なく『バスカヴィル家の犬』→『まだらの紐』という順番で読んだんだったかな?確か。今だと通用しないトリックとかもあってとてもそのまま現代人が楽しめる映像作品にすることは中々難しいんでしょうけど、改めて推理小説の金字塔というかモリアーティの悪どさと対決も楽しくて仕方なかったな、って。だからこそシャーロックにもハマってるわけだけどね!(^^)b クリスティなんかはトリックはともかく心理劇の濃さが現代にも通用できそうだけど。何だかんだグチグチ言うけど文化的にはイギリ○大好きなんやな自分・・・タチの悪いツンデレ(※萌えない)というやつか(´д`)=3


以下、可愛いラテアート出してくれるカフェで繰り広げられた病みトーク@全力で迷惑!^^#で考えさせられたことなど。

あと今日もどうしようもない愚痴をぶちまけまくったブッダ嬢のお言葉に救われたというか目を開かされた思い(゜ロ゜) 「太るよりは痩せた方が絶対良いに決まってる」とか「自分の身体なんかどうでも良いから大事にしてない」とか「三食食べなくても人間生きていけるもん」等々。元が太めだったせいか、小さい数値にこだわり過ぎてたな、って。食も身体も細い彼女に言われて、よくよく周りを見渡してみると日.本にゃ激細でも健康そうな人はいっぱいいるし、そもそも早く終わりにしたがってる人間が身体のこと気にするとかそんな滑稽なことはないよな、と(笑)
あと他の病み友にも言われたことですが、とにかく家族と距離を置く手段を見つけるべきだ、と。そうなんだよね、一緒にいることで互いを余計に追いつめて、食事や胃や発作の件だけじゃなく色々総合的な悪循環を生み出しているから、「生きるため」じゃなくて自己処理するにしても「とりあえず離れて最終的に自立してからにすべき」であって、そのためにできるというかすべきことを考えていかないといけないなー、と。ヒキ窓口と精神科とハロワどこに問い合わせるべきかな?(-_-;) まぁとにかく少しでも負担の軽くなる考えすぎない方法を探さねば。「でも、ケイトはタヒなないと思う。一番苦しい状態でずっと耐えてるんだもん」と、ただの甘えにしか過ぎない状況をそんな風に言ってくれたのは彼女が初めてだったので(他の人に言われたら皮肉と受け取ってしまったかもしれませんが)、思わずグッと来てしまいました(;_;) 「ホントは生きたいんだよ、きっと」ってそうなのかな、とも感じてしまったし。本当の人間になれるなら、混じることが可能なら大好きなその対象と人生と、世界の変化を見続けたいのかな、って。ただ今は自分が異物で邪魔者でいない方が良い存在だとしか考えられないから、早く処分しなきゃ、って気持ちに囚われすぎているだけで。「未来や将来とか、生きようとちゃんと思って生きて働いてる人なんてほとんどいないんだから、一個一個目の前のことから難しく考え過ぎずにこなしていけば良いじゃん」と。欲しい本も一通り買ったし、ちょっとゆっくり自分に向き合って上手く今の心身の状態と家族との関係性、経済的な問題について少しでもマシな方向に持っていけるやり方を何とか見つけ出せたら、と思います。




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何故か浄化されたような心地・・・ゲーテさんの洗脳にちょっとかかってしまったかな(´-`)

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打ち開けた土地での旅人と老夫婦の会話によって、領主ファウストの所業・人が自然を駆逐し支配する、いかにもヨーロッパな理想が実現しつつあることが分かる。が、そのやり方は長年その土地に暮らしてきた人々にとっては現代の地上げ屋と何も変わらないのであった(笑)
遊苑にてファウストが沈んでいる理由はメフィストーフェレスが海賊同然に海で暴れ回っていたり、理想の実現のために地上げ屋(道路だの区画整理のために立ち退き迫りまくる行政に例えても良いよ☆)まがいの行為を繰り返しているせい?なのか?(解説ではそう書いてるけど、私にはどうもこの野郎が自分以外のことのために頭を悩ませるような人間だとは(以下略)あ、自分の理想とする高尚な方法とは程遠いことについて沈思してらっしゃるのかー!(゜∀゜)ピコーン!) でもって彼の不快の種はまさに先にこの土地に住まっていた老夫婦の住処、そしてその傍に何百年と前から存在する菩提樹と彼らが先祖代々祈りを捧げてきた昔ながらの神の礼拝堂にあるんだってさ。あれだけは「己のものではない」から「何か別世界のものの影」があって身震いしちゃうんだと。「いっそここを遠く離れてしまいたい。」オウオウそうしろ、後から来たのはお前の方なんだから^^#

海賊やらかして帰って来たメフィストーフェレスの悪魔らしいうそぶき「自由な海は、精神を解放する。思案するなどということは全く無意味だ。さっと引っ掴めればそれでいい。・・・暴力のあるところ、権利も生ずる。どうして取ったかではない、何を取ったかが問題だ。」おお、U Nで拒否権をお持ちの方々の論理がまさにこれじゃね?(´Д`;) いくらW W 2当時の枢.軸連中のやった所業を叩いても、その残忍さと非道さを叩きこまれても、少なくとも物心ついてから目にしてきた「ヒッデェことしやがる!><」の中心にはいつも彼らがいたよ。朝/鮮戦争も湾.岸戦争もイ○ン・イラ○もア○ガンもシ○アも。チベッ○もウ○グルもパレ○チナも、誰も何も見て見ぬふりだったやんけ。彼らはいつ裁かれるんだ? 紛争抑止のためにU Nがあるとか何て偽善的なお笑い草なんだろう、とあんだけ金を供出しつつ敗/戦国条項を外してもらえない国の人間としては真剣に笑うしかないわ。イヤ、現実に苦しんでいる地域の人々を思うとそんなことはできないと分かってはいるんだけど
ファウストが件の老夫婦の家含む菩提樹の木立を欲する理由「四方を一望のうちにおさめて、己がやりとげたことのすべてを、人間精神の大傑作を一目で眺め渡したくてならぬ」から、って相変わらず何て思い上がりの甚だしい身勝手さ(@_@;) 「富を十分に享けていながら、なお欠けているもの思うことほど、人間にとって不快なことはない。・・・何物をも怖れぬ意思の自由が、あの菩提樹のある砂の丘で躓いてしまう。なんとかしてあれを念頭から追い払いたい。あの鐘が鳴り出すと、気が狂いそうになるのだ。」と訴えるファウストにメフィストーフェレスは「なるほどご尤も、あの鐘の音は、われわれの一生がまるでボーンとボーンの間のはかない一場の夢ででもあるかのように世上全般の事柄に絡みついているんですからね。」と答える。うん、それの何がダメなの?(´・ω・`) ここも東西の考え方の違いかな? 生きた証を残さないと意味がないんか、向こうの人にとっては。人生において成し遂げたことの全てが儚く消え失せるという当たり前の現実が受け入れられないんか、耐えられないのか?「反抗と強情は、最大の成功に一滴の苦汁をしたたらす。深い怖ろしい苦痛のために、正義心さえ疲れ果ててしまわざるをえない。」ファウストさん、あかんでー悪魔にそんなこと言ったら>< まさにナボテの葡萄山フラグ、堂々と打ち立ててしまったがな・・・。

深夜にメフィストーフェレスが起こした悲劇によって嘆く望楼守(リュンケウスさん付いてきてたんだ!Σ(゜Д゜;))「権力には唯々として従え、けれどもお前が大胆で、逆おうとするならば、家も屋敷も――いのちも賭けろ。」という合唱の言葉がこの世の哀しい真理を言い表してる。
「無謀な暴力沙汰を己は呪ってやる。」「早まった命令が、一層早まって実行されてしまった――」悪魔と契約してその立場を得ながら悲しむファウストに夜半、忍び寄るのは鍵穴を通り抜けることの適う憂いだけ。「己はまだ豁然たる境界に到りえてはいない。己に魔法が振切れて、呪文なんかはすっかり忘れてしまえたなら、自然よ、お前の眼前にひとり立ちの男として立てたなら、人間として生きている甲斐もあろうというものだが。 己も暗い魔法に救いを求めて、不埒な言葉を吐き、身をも世をも詛った昔は、それでも男一匹だった。それが今は、身のまわりの万事が妖怪じみていて、これをどう始末していいのか、それがわからぬ。(そりゃそうだよ、自らの意思で悪魔と契約しちゃったんだもん(´-`))・・・その挙句、己は兢々として孤独でいるより他はない。」彼の傍に参上した憂いは「わたしの言葉は耳に聞えなくても、胸のうちには響くはずです。姿をいろいろと変えて、怖ろしい力を揮うのがわたしです。・・・心を不安にする永遠の道連れで、来いといわれることのない代りには、いつでもくっついているのです。・・・まだ憂いを御存知なかったのですか。」と告げる。人間が誕生してこの方ずっと傍に在ったのに、と言わんばかりのこのセリフ、個人的に突き刺さるな。たぶん私にとっては永遠のマブダチ(死語)だとも!(^^)b
そんな憂いに応じるファウスト「己はただもうこの世の中を駆け抜けてきた。・・・ただ望んで、それを遂げ、さらに望みを新たにして、強引に生涯を突進して今日に至った。・・・この世のことはもう知ってしまった。天上への途はとざされている。眩そうに上を見て雲の上に自分に似たものがあるなどと空想するのは馬鹿者のすることだ。(アンタも昔そうでしたがな^^)この大地の上にしっかりと立って、自分の身の回りをじっくりと見回すがいい。この世界は有能な人間には隠し立てはしない。永遠の境にさまよう必要があるだろうか。しっかり認識したものは、身につくのだ。・・・幽霊が出てきても、わが道を進め。苦しみにもぶつかるだろう、楽しみを味わうこともあるだろう。しかし人間は、どんな瞬間にも満足してはいられないのだ。」何故ゲーテがこの作品の執筆にこれほど長い時間をかけたのか、そうせねばならなかったのかこの長いセリフの中に込められているような気がする。しっかし当時のクリスチャンとして良いのかなーこの思想?(-_-;) それでも憂いは自分につかまると天照に岩戸籠られちゃった民草の気分になっちゃうよー、「心の中に闇が巣喰い、幸も不幸も悩みの種となり、豊かでいながら飢え、物が出来上がるということがなくなってしまう。」「足許がよろよろし、窒息はしないまでも生きた心地がしない。絶望はしないが、釈然とはせず、絶えず右往左往して、諦めるには辛く、無理にやるのも厭で、解放されたかと思うと束縛され、睡りも浅く、心から休まれず、だからその場で立ち往生で、とどのつまりは地獄行きなのです。」と誘惑する。うん、よっく分かるよ長年の相棒!だってホント我ながら恵まれ過ぎてて鬱になる要因が無いはずだもんね本来(´-`) でもどうしようもない、どうにも人として生きようがないんだよ。存在すること自体が苦痛だから。
けれどファウストはその誘いに猛然と立ち向かう。「きさまはその手で、人類をいくたび苦しませ悩ましてきたことだろう。きさまらは、平凡な日々をさえ、混乱した苦悩に満ちたものにしてしまうのだ。・・・だが、憂いよ、忍び寄るきさまの大きな力を己は絶対に認めてはやらぬぞ。」初めて彼が格好良く見えた(笑)というかスゲー強いな、羨ましいな、って。よく考えれば悪魔と契約結ぶこと自体が大胆にも大胆な気概がないとできない行動ですもんね(゜O゜) 憂いの言う「人間は一生涯盲目なのです。」という言葉も深い真実が秘められてるように感じた。その吹きかける息によって本当に全盲になりながらも「だが己の心の中には、明るい火が燃えている。・・・厳格な秩序を守り、急いで精を出せば、功業はたちどころに成るのだ。この一大事業が完成するには、(例え目が見えずとも)幾千の手を指図する一つの精神があれば足りる。」と語るファウストさん、いかにもドイ○らしい発想にゲーテ哲学が合わさったお言葉!

宮殿の大きな前庭で墓穴を掘らせ出すメフィストーフェレス。遂に近づいた契約の成立を待ちわびる。「お前さんが堤防を築くのも、つまりはおれたちのために骨を折っているということなのさ。・・・どうじたばたしたって、もう駄目だ――四大はおれたちとぐるになっているのだ。すべては破滅に終るのだから。」・・・田老地区の堤防のお話ですか?ダメだ、この辺比喩と分かっていても冷静に読めない(;_;) 掘削工事の進捗状況を問いながら、「幾百万の民に安全とはいえないが、働いて自由な生活の送れる土地を拓いてやることこそが最後にして最高の仕事だろう。・・・外では海が岸の縁まで荒れ狂おうが、中の土地は楽土となり、潮が力ずくで土を噛み削ろうとしても、万人が力を協せて急いで穴をふさぐだろう。己はこういう精神にこの身を捧げているのだ。それは叡智の最高の結論だが、「日々に自由と生活とを闘い取らねばならぬ者こそ、自由と生活とを享くるに値する」(『ティモシー・アーチャー~』に出てきたフレーズや!)この土地ではそんな風に、危険に取囲まれて、老若男女がまめやかな歳月を送り迎えるのだ。己はそういう人の群を見たい、己は自由な土地の上に、自由な民とともに生きたい。そういう瞬間に向って、己は呼びかけたい。「とまれ、お前はいかにも美しい」(あー、デスワード来ちゃった。笑)と。己の地上の生活の痕跡は幾世を経ても滅びるということがないだろう――そういう無上の幸福を想像して、今己はこの最高の刹那を味わうのだ。」と熱く語りながら斃れるファウストの“理想郷”って、ぶっちゃけ日/本そのものじゃね?コイツはおめでた過ぎてそういう土地に生きる人々がその周囲を取り囲む危険ゆえにヨーロッパ人の考えるところの自由とはほど遠い倫理に従って生きなければならない、ということに考え到らなかったのだろうが。誇るわけでもなく愛国心や郷土自慢ゆえに言っているのでもなく、彼の語る民衆が常に厳しい環境と闘いながら互いに協力し合い、まめまめしく生活を営み、易姓革命や焚書や魔女狩りもなく、文化や民族の断絶も移動も起きずに続いてきたウチの国はまさにその理想そのものの在り様なんじゃないか、と5年前の諸々振り返っても感じますよ。T電と私の存在さえ除いてはな!^^
そんなファウストが引き留めようと願った瞬間を「分の悪い、中身のない瞬間」と切り捨てるメフィストーフェレスに決して解り合えない人間と悪魔の乖離を思い知らされる。「時計は止まり、針は落ち、片がついた。」と言うメフィストーフェレスに続く合唱の「過ぎ去った。」という響きに「なんで過ぎ去るのだ。過ぎ去ったのと、何もないのとは、全く同じではないか。・・・「過ぎ去った」、それはどういう意味だ。元からなかったのと同じことじゃないか。それなのに、何かが在るかのように、どうどうめぐりをしているのだ。それよりおれとしては「永遠の虚無」の方が結構だね」と俄然やり返すメフィストーフェレスに、久しい歳月を悪魔として生きる彼の虚しさと悲哀をうかがえてしまったような(つД`)

埋葬のくだり、「いのちはちょっとの間貸してあったのさ。貸し手が大勢詰めかける。」という死霊たちの合唱に納得((-_-)ウンウンそうでないと困る(笑)ファウストの魂をゲットするためにあれこれ思い悩むメフィストーフェレス「昔の流儀でやると反感を買うし、新しいやり方には馴れていないしな。・・・従来の習慣も、昔の権利も、何一つ信用がならないのでな。」この辺、人間世界と一緒ですなぁ。「いつ、どこで、どんなふうにして、これが厄介極まりない問題なのだ。・・・本当に死んだかどうかさえ、容易には見分けられないのだからな。・・・地獄にはいろいろな咢があって、身分や位階に応じて呑み込むのだが、この最後の洒落も、将来はそうむずかしく考えるには及ばないだろう。」ここに来て悪魔に封建的身分制度とフラ○ス革命風刺させてきやがった(ノ∀`) 最後にいよいよ体から抜け出ようとするファウストの魂を「天才というやつは、とかく上に行きたがるもの」と言うメフィストーフェレス、やっぱ伊達に長く生きてないな!
とーこーろーが、何とこっの悪魔と契約結ぶようなクソ野郎を救いに何故か天の御使いが訪れちゃうとかΣ(゜Д゜;)mjk 「おれたちが考え出した一番怖ろしい罪悪も、救ってやるいい手がかりだという偽善者面の天使ども。・・・おれたちの武器でおれたちと戦おうというんだ。奴らも悪魔だ、ただお面を被っていやがるんだ。」このメフィストーフェレスさんのセリフには正直、一言一句同意させていただきます。本当に人間の“正しさ・善行”を守護する気があるなら最初から悪いことなんか起こさせるなよ。“救って”あげて初めて捧げられる感謝・崇拝が目的なわけ? だから信仰って大っ嫌・・・ってこの時代のド○ツでこんなん書いて本当に大丈夫だったのかゲーテさーん!?(((´Д`;)))ガクガクブルブル 「あなた方の領分でないものは、避けた方がいいのです。・・・天上の愛は、愛を持つ人だけを受容れようとするのですから。」という天使の合唱、ここからいっぱい「愛」ってフレーズが出てくるんだけどアガペーなのかエロスなのか非常に気になる(-_-;) 日本語だとまとめて「愛」になっちゃいますけど、原文どうなってるんですかね? 神の御使いの言うことだからアガペーのみかな?でもグレートヒェンちゃんとかも出てくるしなぁ。
そして何と悪魔を誑かす最大の武器は天使によるエロス的誘惑でした\(^O^)/ 「美女は複数でないとあかん」言ってたメフィストーフェレスさんたら、実はバイセクシャルだったんかー!・・・悪魔がそういう罠に引っかかるという設定は、宗教的背景によって同性愛が長くタブー視されてきたという理由も絡んでいたりするのかな?火ぶくれだらけになってファウストの魂も掻っ攫われながら、「しかし自分の本領を見定め、自信を持ち、自分の一族を信頼してみれば、これでも勝ったというものだろう。悪魔の中の上等な部分は無事で、色恋の馬鹿騒ぎも皮膚で喰い止めることができたのだから。」ってその精神勝利、アンタ阿Qかよメフィストーフェレス(ノ∀`)

山境に到った魂たち、各々の神父の語る「愛」とは何なのかやっぱり気になる(´・ω・`) 生まれてすぐ死んだ童子たちと天使めく神父とのやりとりが切ない。「お前たちは仕合せ者だ、世間の艱難を少しも知らずにきたのだから。」「次第に高い所へ登って行くがよい。永遠に浄らかなやり方で、神が見守っていて下さるのだから、知らないうちに大きくなって行くがよい。」うわあぁ、この中にホムンクルスくんの魂も混じれているといいなー!(つД`) でもちょっと「神の教えを受けて、神にすべてをおまかせしよう。」っていう童子たちの合唱はやっぱり気に食わない・・・そりゃ普通に育ってれば色々教えてくれるはずだった両親と早くに死に別れて天に昇っちゃったんだから仕方ないけどさ。で、ファウストの霊を捧げる天使、彼を救い、「霊の世界の気高い一員」として扱う理由が「絶えず努力して励む者を、われらは救うことができる」からだと・・・やばい何か胸打たれちゃったじゃん、ファウスト散々なことやらかしてきてコノヤロー^^#ビキビキとしか思えなかったのに。やや成熟した天使たちの言う「霊と肉とが緊密に結びついた二重の身体を二つに分けることができる永遠の愛」ってやっぱりアガペーとエロスどっちなんだろう?(・・;)
マリアを崇拝する学士の語る言葉「触るべからざるあなたにも、誘惑にかかりやすい人たち(贖罪の女たち)が親しくお縋り申すことは禁じられてはおりません。 弱さの故に罪を犯したあの人たちを救うのは容易ではない。自分で歓楽の鎖を引き千切れる者がいようか。斜めの、滑らかな床の上では、つい足をすべらせてしまうものだ。秋波や世辞や媚ある息に心を惑わされない者がいようか。」これがゲーテのキリ○ト教観なのかな? すべてを受容し赦す存在としての神と聖母。随分と都合の良い(-_-;) じゃあ最初から罪なんて設定すんなっつの。グレートヒェンちゃんもここにいたのか(´;ω;`)「わたくしの仕合せをごらん下さいまし。昔の恋人が、今はもう濁りのない方が戻って参ったのでございます。」と聖母に呼びかけるあなたが天使か!童子たちの中にはもしかしたら彼女が手にかけた息子の魂も含まれているかもしれない。ファウストは天上ですら教職から逃れることはできない、と(笑)
まだ己が新しい生命を得たということに気づかないファウストの魂に、聖母は「もっと高くお昇り。お前だということがわかれば、ついて行きます。」何この破格の待遇・・・(@_@;)「すべて移ろい行くものは、永遠なるものの比喩にすぎず。かつて満たされざりしもの、今ここに満たさる。」うーん、やっぱりどれほど共感があろうとも、仏教とは真っ向から対立する発想なんだなぁ、と最後の神秘の合唱のフレーズに感じざるを得ない。永遠なんかこの世のどこにも存在しない、だからこそ命は素晴らしく、世界は美しいのに。ゲーテさんほど賢い人でも最後までそれに気づかなかったか、いや葛藤の果てにたどり着いた答えがこれだったのか。色々考えさせられちゃいました。


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読了しましたが、この時間になってしまったので四幕の感想まで。(※しつこいですが時事や現実の出来事への辛口や感情的な言及が入りますm(__)m

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ヘレネーが消え、孤独の深淵に取り残されるファウスト。悪魔の力を借りて彼の築き上げたアルカディアが崩れて行くのを眺めながら「眩くもはかない日々の大きな意の反映」を見出す。そしてヘレネーの残した衣の与えるやさしさに、初恋・グレートヒェンのことをやっと思い出しやがった(^ω^#) 好き勝手やっときながら、なーにが「胸の一番深いところにある焦れてきた宝」だよ。「己の心の中にある最高のもの」おうおう、こんな奴からはぜひ持ち去ってもらって結構だな!
メフィストーフェレスの地獄の底の話が興味深い。「逐い落とされた時にはどうにもそこらがあんまり明るいので、随分と窮屈で不便な思いをしたものだが、悪魔一同の吐き出した咳によって体内の毒気があたりに充満し、最後にはガスとなり地殻が大破裂してしまった。」うーん、コレどこの中.国?結果として「われわれの居場所も逆になり、今までの底が、今度は天辺になってしまった。最低のものは最高のものなりという理論の根拠も、悪魔たちはここに求めたというわけです。」なるほどー( ´艸`)プークスクス 彼の語る言葉に、ファウストは「気高く無言のうちに聳え立つ山塊は、どういうふうにして出来たのか、なぜ出来たのか問おうとは思わない。自然が自分の中に自分の基礎を置いた時、自然が地球を無理をせずに丸め上げた。・・・自然というものは、自分自身の姿をたのしむために、気違いじみた力ずくの荒業は必要としないのだ。」と反論する。
メフィストーフェレスの「あなたはこれほどはっきりしたことはないと思っているのでしょうが、私は現場にいたのだから、そういう工合に事は運ばれなかったということをよく知っています。・・・岩と岩とを打合せてできた山のかけら、陸地にあるよその世界から飛んできたすごく重たい物が腰を据えているのに、これほどのものを投げ飛ばす力の説明ができる者はいますか。哲学者なんか、手も足も出ませんや。とにかく岩がそこにある。これは事実だ。こいつをどう説明するか、われわれは考え抜いてきたわけだが、結論はというと――素朴な一般大衆だけが事実を事実として素直に認め、ひねくれた解釈などはしないのです。」という更なる反駁に、大いなる矛盾を感じざるを得ない。悪魔の自然観こそが神をも含む超自然的な力の世界への干渉を肯定しているとか。ファウストは「自然」という言葉をめっちゃ使うし愛してるみたいだけど、ソレは「創造主」を認めた上でのことなのかイマイチよく分かんないし(´・ω・`) 「自然がどんなであろうと、知ったことじゃない。正直のところ問題は、悪魔がその場に居合せたという一事にある。」メフィストーフェレスのムキになっているようなセリフ含め、このやりとりに19世紀という科学の黎明期、全ての自然の成り立ちが解明される予感への人類の最後の惑いのようなものが表されているのかな?

「満足というものを知らないあなたは、欲しいものもなかったのだろう」とメフィストーフェレスに話を振られて、ファウストは新たな欲について語り出す。「己は支配し所有したいのだ。行為がすべてだ、名声などなんの値打ちがある。」あーらら、いっちばん厄介な欲来ちゃった(´Д`;) メフィストーフェレスの「けれども詩人という手合いが出てきて、後世にあなたの誉れを言い伝え、愚行によって愚行を奨励することになりますぜ。」って返事が最高(^∀^)σヒャーッハッハ!OPとも繋がるし、確かにそんなん謡われたくないよねー、ってエピ盛られて語り伝えられちゃってる神様だの英雄山ほどいますもんね。そんな悪魔に「人間が何を志しているか、君は知らぬのだ。刻薄で辛辣な厭らしい君は(イヤイヤあんたも負けてませんって(^^)b)、人間が求めているところのものについては何も知らぬのだ。」とファウストは返す。でもね、この後に続く彼の野望、海と波に対する憎しみに思わず胸がかき乱されちゃった(-_-;)「広い平坦な岸辺に襲いかかる波が己の癪にさわったのだ。傲る心が情熱的に騒ぐ血によって、すべての権利を尊重する自由な精神を不快な気持にさせるようなものだ。」「波はあとからあとから押し寄せてきて、威力を揮って支配するが、引去ったあとを見ると、不安のあまり己を絶望させることは何一つとしてないのだ。」五年後のあの日が近づいている東北民として、これほど胸に突き刺さるセリフがあるかっての。津波が来ない大陸の人間は何ておめでたいんだろう。彼にとって波は非生産的に押し寄せる諸々の不条理の繰り返しの比喩でしかない。だからそれを「不羈なる自然の、目的をもたぬ力にすぎぬ。」と言い、「己はここで戦ってみたい。波をねじ伏せてやりたい。」なんて“精神的な意味で”のたまうことができる。現実にそれを必死にやろうとしてきた土地に生きる人間の存在を、この時代のヨーロッパに生きる人々にはきっと想像もつかないんでしょうね。
ファウストの望みを叶えるために、皇帝の戦争に協力し土地を得ろとそそのかすメフィストーフェレス。「また戦争か。賢者の好んで聴こうとしない響きだ。」おう、全くだとも(´-`)=3 若く享楽に走る皇帝に反発する勢力が出てくるのは当然。ファウストも「大変な間違いだ。・・・享楽は人を卑俗にする。」と納得する。皇帝が遊んでる間の国内の無政府状態っぷり、どっかの何かを彷彿とさせまくりますなぁ。どの時代、どの場所にもこういう悲惨は存在してきた、いや今も存在する。うちらが安全地帯から見て見ぬふりをしているだけで。しかし「新帝を立てて国に新たに魂を吹き込んでもらおう、市民生活の安全を保証してもらって、生れ変った新世界で、平和と正義とを一つにしてもらおう」という発想は、まだドイ○が民主制から程遠い状態だったことへの皮肉だろうか? いや絶大な権力を握っていた教会への皮肉か、やっぱり(笑)「事実そういったのは坊主どもなのです。奴らはよく肥えた太い腹の安全を計ったのです。奴らこそ誰よりも立ち働いたのです。叛乱は拡がり、神聖なものとされた。」あー、アジア人的には義/和団とか比.叡山なんかも思い起こさせますねぇ。

皇帝が陣を張る前山の上。やっぱり親戚縁者から寝返り出てましたか^^ヨーロッパの王室まじカオス過ぎて戦争だの革命だのの動き見ると爆笑するよな。日/本の武将だの将軍の跡目争いがみみっちく思えるくらい、みんなコッキタネー!口さきだけで、腰を上げようとしない諸侯も定番ですな。現代もオバ○とかっていう似たような感じのがいるよ☆(やらないなら黙ってれば良いのに、喋ることによって余計な結果を招き、結局出遅れて自体を泥沼化させるという天才でしたな。一般的な“頭が良い人”の判断というか行動として理解はできるけど)皇帝の「保身が利己主義の鉄則だ。感恩も思慕も、義務も対面もないのだ。悪徳の勘定書が一杯になると、隣家の舵で自分も焼き殺されるということを考えないのだ。」という真理を突きまくったセリフはぜひウチの平和ボケ連中にもお聞かせ願いたいお言葉。「新しい皇帝が出てくると指図されたとおりにぞろぞろと動いて行く大衆、贋の旗について行く羊のような根性なし」このくだりは阿Qの革命軍と村人たちをメッチャ想起させますね><←まだ引きずりまくってる(笑)
そんな諸侯や民衆の不甲斐なさをグチる間諜たちに向かって、「叛逆皇帝が出てきたということは、余の利益になる。今にして初めて余は、余こそ皇帝だということを感ずる。・・・どれほど豪華な遊宴の中にも、危険というものだけはいつも欠けていた。・・・その方どもが世に戦争を思いとどまらせなかったならば、今頃は余も武勲に輝いていたことであろう。 いつであったか(メフィストーフェレスの幻術により)一面の火に囲まれた折も、余は余の胸中に独立不羈の精神の気配を感じた。・・・勝利と栄光の他愛もない夢を見てきた余だが、余は今こそ余が不埒にも怠ってきたものを取り戻すのだ。」と皇帝は告げる。初めは彼のセリフに、じゃあ一人で勝手に戦ってろっての、無責任な為政者め^^#とムカつきましたが、最後に彼は戦う意味、危険にさらされて初めて己の地位と責任の実感を得られたのかな、と。そこへ現れたファウストに、「調子の良い時に群がってくる連中は沢山いるが、こちらが劣勢の時に駆けつけてくれる人物ほど歓迎されるものはない」と皇帝大喜び(笑)「数千の人間が余に味方し、あるいは敵となって、相争おうというこの刹那を大切に考えてもらいたい。独力でやりとげてこそ男ではないか。(このフレーズも繰り返し出てくるからゲーテ哲学の主要素なんでしょうね)玉座と王冠を欲する者は、その身にそれだけの値打ちがなければならぬ。」うーん、彼自身も世襲の皇帝のはずなんでしょうが、大陸の“天命”にも通じる思想だなぁ(・・;) そんな彼を「大願成就のために御自身の首をお賭けになるのはよろしくございませぬ。陛下というおつむりなくしては、我ら手足に何ができましょう。」と持ち上げてみせるファウスト、自分の本心との矛盾に気づきながらの二枚舌、全くクソ野郎だな!

自分が悪魔にやらせてることを皇帝が救った妖術師の仕業にしやがったファウスト(ノ∀`) でも皇帝が教会から遺恨を買ったキッカケもこれで納得だわ。「物事に拘泥せぬ心から出た善行は、大きく実るもの」という情けは人のためならず精神には実は密かに頷いてしまうけど。「私、良いことしてるんですー!」アピよりよっぽど押し付けがましくなくて救われるというか@ヒネクレ者だからさ(^-^;) メフィストーフェレスの配下の烏を見て不吉だと怯える皇帝に「鳩は平和の使者でございますが、烏は軍事の使者」と説明するファウスト、え、鳩の対称は何となく鷹だと思ってたわ・・・。
いくら実際の正体が忠誠を持たぬ悪魔とそれに魅入られた男でも、彼らに散々頼っておきながら「気味が悪くて叶わぬから、悪化した戦況の後始末は奴らにやらせよう。だが指揮杖は渡さない。」って将軍と皇帝酷くないか?まぁ結局悪魔のメフィストーフェレスの幻術によって上手くカタは付くわけだが。洪水の光景に怖気立つファウストに「騙されるのは人間の眼だけですよ。・・・ちゃんと地面の上にいるくせに、あっぷあっぷやって、水の中を泳ぐような恰好をして慌てふためいているとは愉快だね。」と語るメフィストーフェレスのセリフ、結局人間の真実ってこんなものなのかもなぁ、と昨今の原油価格や株の上げ下げに右往左往する世界とか、くだらない小さなことが溜め込んだだけで今の状態に陥っている自分を省みても思った(´-`)
更にメフィストーフェレスはがちゃがちゃいう武具の音を「妖しい、まやかしの音」と表したファウストに戦争の真理とも言えるものを教える。「その通りです、もう止めても止まりません。・・・籠手も脛当も、皇帝派と反皇帝派に分れて、永遠の闘諍を新たにします。頑固に先祖伝来の考えを変えず、和解の気配などは見られませんね。・・・悪魔の例に洩れず、最後にものをいうのは、党派の憎しみで、とどのつまりはなんとも怖ろしい結果に終るのです。」もう何もかもいつの時代、どの場所でも一緒や、人類って進歩できないのかorzと虚しくなってしまう言葉。

メフィストーフェレスの配下たちが戦利品を分捕ろうとしているところに、皇帝の親衛兵が現れて「それはわれわれの流儀に反する。兵士と泥棒が兼ねられるか。陛下の臣たらんとする者は、廉直な武人でなければならぬ。」と告げるが「廉直とはつまり徴発のことでしょう。お前さん方も同じ穴のむじなさ。」って取り込み屋に返されて何も言えなくなるってのが(ノ∀`) ホントこれって真実だよなー。いつの時代も“上”からの取り立てに民衆がどれだけ苦しめられてきたか!味方の支配者だろうが敵の略奪者だろうが、庶民にとったら何も変わりないよなぁ。
でもっていざ勝利を手にした皇帝は「幻術の助けを受けたことも事実ではあったが、つまりはわれらが独力で戦勝を獲たのだ。」とかのたまいやがる(笑)大僧正が大宰相を兼ねちゃってる時点で、教会の奴らに痛い目遭わされといて何やってんすか、と思うんだけどその大僧正様による皇帝への忠告でヨーロッパ・キリス○教社会における法王のおっそろしいまでの権力が分かるな!「妖術師の助けを借りて勝利したことがバレたら破門されて国が滅びるから土地と税金寄進しまくって新たな礼拝堂作れ」って?アホかー、生臭っ!(゜Д゜;)としか感じられないけど、その提言を「さすれば神を称え、余が罪障も消滅するであろう。余はすでに精神の高揚を感じ始めた。」ってナチュラルに受け入れる皇帝、なんちゅう世界や(((@_@;)))gkbr 私がこの時代にこの場所に生れちゃってたら一発で魔女認定食らってとっとと(以下略)のになぁ。ファウストが望みを叶えたことを大僧正の発言から確認できたわけだけど、そこからも更に教会に諸々差っ引こうとする大僧正に、さすがに皇帝の独り言「あの分では、当座の引出物に国全体を譲ってやっても満足すまい。」あー、やっぱ本音ではそう思ってらっしゃいましたか、と安心しちゃいました(^^;
ヘ○リー8世の件といい(イヤあれは彼自身も大概だったけどさ)、当時のヨーロッパにおけるキリ○ト原理主義というか教会の力と金の持ちっぷりって改めておっそろしいなぁ。カ○ッサの屈辱とか・・・皇帝だって逆らえないとか、錦の御旗かよ。(でも日/本はそこに更に複数の仏教勢力と実質的政務を執り行う将軍、時に振り回され時に利用し合い、という複雑な均衡・共依存関係が成り立ち得たというのが世界でもかなり特異かな? Tenno・公家側は生き残るために形骸化した権威としての立場を受け入れたのだろうし、武家もまた彼らに「お墨付き」をもらった存在であることを統治の正当化に利用した。そしてまた双方と依存あるいは癒着し、巧みに寄進や意のままに動く信徒を得るためのツールとして上手く隙間を埋めてきた寺院勢力という絶妙な絡み合いっぷりは、何だかんだ官僚制度がずーっと長いこと絶対的なシステムとして機能してきた近隣諸国と比較した時に全然違って興味深いです。すぐお隣の国なのに。笑)はー面白かった。明日こそ最後の感想をまとめたいと思います!




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第三幕読了。(※引き続き時事とか歴史諸々への言及含みますm(__)m)

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やっとスパルタに帰ってきたヘレネーさん、「世間の人は好んでわたしの噂をするが、誰にしても自分のことが大げさに語り伝えられて出来上がった荒唐無稽な話を聴けば、いい気持がしないのも当然」うーん、美人とか有名人って大変やな、ってくだんないことでいつまでもしつっこく騒ぎ立てるワイドショー見てても思うわ@現代(´-`) 「二通りの意味を持つ名声と運命、美貌の伴をする剣呑な二つのもの」が彼女には常に陰鬱に脅すようにつきまとっている。そしてそれ故に夫ともしっくり行かなくなってしまった、と・・・。でも正直数々の“伝説”と後半のストーリー含むよろめきっぷりを見るに、いくら美人とはいえ実父譲りの浮気性が過ぎるせいで数々の破滅を自ら引き起こして来たのでは?と言いたくなっちゃいますけどね(-_-;) そりゃ正式な旦那が怒るのも当然だわ、言わば入り婿だったわけだし、彼女のためにより領土を広げて強い国の王たろうと戦いに明け暮れてきたかもしれなかったのに、妻は女神の悪戯とはいえ若いのによろめくわ、そっちが死んだらすぐ弟に絆されるわ、挙句エジプ○でも火遊びとかそりゃもう一方的な被害者として慰められないのは当然だし、神々の時代とはいえ十年の歳月は大きいだろうし。(と、改めて真面目に考えてみる^^)引き換え侍女たちは能天気で随分調子良いな!(@o@;)
王に生贄の具体的な指図をされなかったことを不安に感じながら「取り越し苦労はせぬことにして、すべてを気高い神々にお任せしてしまおう。神々は、人間の思惑などにはとんと無頓着に、御心の欲するところに従って万事をお計らい遊ばす。わたしたち死すべき人間は、神々の御意に従うばかりなのです。」私の一番大っ嫌いな信仰者の思想ktkr(゜∀゜) 南欧が色々とダメなのはこういう理由ですね、そりゃゲーテさん的考え方のド○ツ人やある程度本人の意思や責任を大事にするプロテス○ント系とも相容れないわけだわ。

で、スパルタの宮殿に帰って来た彼女たちを出迎えたのは何とメフィストーフェレスが二幕で化けた(一体化した)ポルキュアスでしたΣ(゜Д゜;) ヘレネーさんたち、罠やで、逃げてー!醜いその姿に怒り狂ったヘレネー「お前みたいな化け物が美の横にしゃしゃり出て、陽の神アポㇽロンの万事を知り抜いた眼を怖れないとは。・・・あの神の尊い眼には、醜悪なものは見えないのだから。蔭を見たことのないあの神の眼には。 けれども悲しい運命の定めで、死すべき私たち人間は、美を愛していればこそかえって、醜悪で永遠に呪われたものを見ると、目に言いようのない痛みを覚えずにはいられません。 あつかましくも私たちの前に出てこようというのなら、神々によって創られた幸福な者の罵る口から出るあらゆる非難の威しと呪いの言葉をよく聴くがいい。」確かに醜い怪物相手とはいえ、何という差別意識(((>_<;))) これぞまさに本物のヘ○トスピーチの原形ですな!それに対して「廉恥と美が手に手を執ってともに歩んで行くことはないという諺の意は永遠に深く真実です。この二つのものの間には、深く根差した古い憎しみが巣喰っているので、どこでも敵同士として互いに背を向け合うのです。・・・老いが両者を早めに縛り上げなければ、両者はそのまま冥府のうつろな闇の中へ突っ込んで行ってしまう。・・・鶴は鶴の道を行き、旅人は旅人の道を行く。私たちの間柄も、まあそんなもの」と応じるポルキュアスの言葉、深いでぇ(´Д`;) 特に女性にとっての美醜は本当に厄介な問題だと思う。
ほんでもってポルキュアスは好き勝手合唱するヘレネーの侍女たちを、「他人が丹精したものを喰い荒し、芽生えた富を撮み喰いして滅ぼす蝗虫の大群のようなもの。征服され、市場に売りに出され、物々交換される商品のような女ども」とこきおろす。ヘレネーはさすがにカチンと来たのか、「褒めるのも罰するのも女主人だけがして良いこと、主人は召使が誰かを問題にせず、奉公ぶりだけを問題にする」と言い返す。ヘレネーさん中々強い!(^^)b 完全に対立した侍女たちとポルキュアス「醜いものは美しいもののそばに置いてみると、また一段と醜く見える。」VS「利口な人のそばだと、馬鹿は一段と馬鹿に見える。」この辺爆笑しそうになるわ(ノ∀`) 女主人ヘレネーさんは困り果てて「腹は立たないが悲しくなるから口汚い言い争いはおよし。忠実な召使たちの眼に見えず化膿するような仲たがいほど主人にとって不利益なことはない。何かを命じてもそれが即座に実行されるという気持のいい反響が戻ってこないから。」んー、日/韓を見るアメ○カ様の視点ですね分かります^^ でもそっちは種まいたの自分だからね!ウチはもうぶっちゃけ知らないっつーかできる限り関わりたくないよね、そりゃ半島が全赤化しちゃったら困るけどさ。

怒涛の過去を振り返りつつ「あれは現実の過去だったのか、それとも己の妄想だったのか。諸方の都を荒廃させた女の怖ろしい夢の光景は。あれはみなわたしの作り上げたものだったのかしら、今のわたしなのか、それとも未来のわたしなのかしら。」ダメだヘレネーさん、自分の仕出かしたこと分かってねぇ(^ω^#) 可哀想な?(半分は自業自得なわけだから)パリス兄弟と罪もないトロイアの皆さん・・・!神々の気紛れとアフロディ―テの勝手な贈賄約束のせいで(つД`)ウッウッ それなのにヘレネーは「怖ろしい不幸」だの「数限りない辛酸」だの悲劇のヒロイン気取りで「現在只今でさえ、どちらのわたしが本当の自分だったのかわからない」黄泉の国から出てきて運命に逆らい彼女を慕ったアキレウスのことも「幻の身と幻の身が一緒になったまでのこと。言い伝えにも、あれは夢であったとしてあります。わたしはこのまま消え失せて、幻になってしまいそうな気がする。」どんだけ外的要因に責任丸投げしてるんですかー!?そこにアンタの意思は全く介入してなかったと?(・・;)
そんなヘレネーに嫌味を畳みかけるポルキュアスを、侍女たちは「お前は過去の一番厭なことを現在に呼び戻して、現在の輝きとともに、同時に未来の、仄かに光る希望の灯をも暗くしてしまう。・・・お妃さまの魂は、もう半ば逃げ腰になっていらっしゃる。ぜひしっかりとお引止めしたい。」と黙らせようとする。うん、そりゃ確かに美貌のせいでヘレネーが大変な人生を歩んできたことはよくわかるけどさ(´・ω・`) そしてポルキュアス「人はわたしを醜いというけれど、わたしだって美しいものを美しいと見分けることは知っている」とヘレネーに歩み寄る。うわあぁ、逃げてぇ!(再)奴に王はお前らを生贄に捧げる気だ、とそそのかされ怯える侍女たちに向かって「死は所詮まぬがれられないのさ。それは万人が万人承知だが、潔い奴はごく稀だ。」と呟くポルキュアス、悪魔の本性のぞいちゃってますよー(´∀`)σ)Д`*)
で、何とか威厳を保ちつつ助かる方法を聞き出そうとするヘレネーにポルキュアスは「家にじっとして大切な宝を守っている者は生涯仕合せに暮せるけれど、閾の神聖な線を無造作に気軽な足取りで不埒に越えて行く者は、元の場所へ帰ってきてもすべてがらりと変っているもの」と痛烈な言葉を浴びせかける。でもってそこからファウスト上げの巧妙な誘導が始まるわけですな>< ヘレネーの夫・メネラーオス王の残酷さを訴え、「それはわたし故になさったこと」と庇う彼女に「美人は共有しがたく、美人を独占した者は、どんな形にもせよ共有ということを嫌って、いっそその美人を殺してしまうもの」と、きったねーけど信じさせるような嘘つきやがるポルキュアスの網に、ヘレネーは完全に絡め取られてしまった(((゜Д゜;)))gkbr

城の中庭の場面、自分たちの今後について不安に震え嘆く侍女たちに指揮する女が言うセリフ「そそっかしくて愚かで、ほんとに女の見本だわね。目先のことに気を奪われ、禍福の風の吹き回しにもてあそばれて、どちらにも平静な心で立ち向うことができず、寄るとさわるといがみ合って、てんやわんやの大騒ぎ。喜びにつけ悲しみにつけ、同じ調子で泣いたり笑ったりさ。」うーん、確かにそうだけどこれも現代なら女性に対しての偏見を助長するだ何だ物議をかもしちゃいそうなセリフですね☆アメリ○の大学図書館からこの作品が駆逐されないことを祈ってます(-人-)ナモナモ 「もうさすらい歩くのはいやです。ただ休みたい。」これがヘレネーの一番の本音の本音なんじゃないかな、と何かここで初めて彼女に対して同情というか胸打たれた。
で、懲りないファウストようやく登場(´-`)=3 望楼守使ってヘレネーの歓心買おう大作戦☆ですな。もう自分の容姿が引き起こす災厄にウンザリしてるヘレネーはファウストに彼を裁く役割を委ねられて彼を許す。許されたリュンケウスの「私は最初なんであったのでしょう、今は何なのでしょう。何を望んでいるのでしょう、何をすればよろしいのでしょう。眼が利くからとて、それが何の足しになりましょう。・・・進撃につぐ進撃をもって、私どもは諸方の国々を征服致しました。今日私どもが支配した土地も、あすは他の者の掠奪をこうむるという有様でございました。」んー、この辺ゲルマン民族の実際の歴史を思い起こさせるし、現在起こっている問題の諸々についても考えさせられますね(・・;) そんな戦いの中の掠奪においても他人が持っているようなものには目もくれず、ひたすら珍しいものを集めてきた彼が、余りに麗しいヘレネーの姿を前にそれらの貴重品にはなんの価値もないということがわかってしまった。だから「どうかひと目ごらん下さって、失われた価値を元通りに取戻させてやって下さいまし。」と彼女に宝物を捧げるという・・・。「拝するものの豊けさのために、一切が空虚になってしまった。」ホントどんだけ魔性の美貌なのヘレネー(@_@;) まぁでも分かる、往年の名作読んだり観たりした後に恐らく今だけで消えるな、っていう流行り物系眺めると何も感じないし時間ムダにしたな、って気分になったり。本当に美しい自然の光景や絵画の実物を目の当たりにするとクッソ憧れて保存してたPCの画像とか画集投げ捨てたくなったりするよね!(ん、ちょっと感覚ズレてる?)

ファウストの言葉が異様に快く響くと語るヘレネーに「言葉が心から出て胸に憧れの情が充ち溢れますと顧みて問うのです――」と早速愛の問答()を始めやがるファウスト^^# 心は未来をも過去をも見ないで、ただこの日、この時の現在ばかりが幸福、とか、ホント何なのこいつら。グレートヒェンの悲劇は?旦那だのパリス兄弟だのアキレウスは?「現在こそ、宝、利益、財産、抵当物」だと┐( ̄ヘ ̄)┌  晴れて?結ばれた二人の心地、ヘレネー「ひどく遠方にいるような、また近くにいるような気が致しますけれど、それでも「ここにいます、ここに」といわずにはいられません。」余りにも長い間美貌によってアチコチさ迷わされてきた美女の本音とも言えるのかもしれないなぁ、そう言える場所を得たことは。ファウストの「時間も空間も超越した夢」っつーのはアンタ、その通りだよ^^ まさに悪魔が見せてくれた束の間の夢な!「一生が終わってしまったような、けれどこれから始まるような気が致します。」と言うヘレネーに「「在る」ということは義務です、それが瞬時のほどであろうとも。」と告げるファウストに若干残る学者臭を感じる。
でもってやっぱり怒って妃を取り戻しに来たメネラーオス王に対し「海上をさまよい、掠奪し、窺うのが、あの王の好みで宿命」とほざきやがるファウスト。「陽光に恵まれたいずれの国にも勝るアルカディアは永遠にどの種族にとっても幸多き国となってくれ。」先に言及されていた兵士たちの分類を見るに、その種族の内に有色人種やラテン系は含まれていないんでしょうね、きっと(´-`) もうE Uはさ、北(北欧+アングロ+ゲルマン組)と南(東欧含む文字通りラテン=旧ローマ支配下)に別れれば万事解決してイギ○スも留まってくれるしス○スやノ○ウェーも加盟してくれんじゃね? フラ○ス先輩が一人で死にかけそうだけど(笑)面倒事ド○ツに丸投げしてきたツケの支払いということで・・・イギ○スに次いで旧植民地への影響力は強いわけだし、スペ○ン・ポル○ガル語圏の新興国もメッチャあるやろ。その利点を活かして(以下略)何でだろうなー、あの辺に支配された国がアレな感じばっかなのは@棒(’ ε ’) あっ、強制布教による文化断絶のせいかな?教育機会ゼロにしたせいかな?そのままテキトーにアングロに搾取されんのほっといたせいかなぁ?ほんと、唐辛子もトマトもコーヒーもバナナも黄金も、あんだけのもの輩出できる豊かな土地ゲットして暴れ回っといて何一つ活かせず、その土地の発展にも貢献できなかったとか、ある意味才能ありすぎですわービッ○リポンや!
ゲルマン民族の考えるところの理想郷アルカディアでは「人々は自適していて、誰もがその境界で不死になり、心やすらかでからだも丈夫。・・・その様子は神か人かと尋ねてみずにはいられないほど。・・・自然が浄らかな世界のうちに君臨するところでは、一切は融け合ってしまうから。」そしてヘレネーに「私もあなたもそんな風になったのだから、過去などになんの用がありましょう。・・・永遠の若々しさを湛える幸福な土地で、あなたは最もたのしい運命の中へ足を踏み入れられました。・・・私たちの幸福が楽園らしく自由なものでありますように。」とうそぶきやがるファウストがもう本当に(以下略)

「私がはっきりとこの眼で見たことを夢見ているのかどうか、それもやはり私にはわからない。」と言いながら眠り続けるヘレネーの侍女たちに「信じうる奇蹟の解決」を見届けさせようと起こすポルキュアスの言葉が不穏。「奥の究められない深い所」でファウストとヘレネーに何が起こっていたか、何と伝説通り息子が生まれていましたとさー(ノ∀`) その子の輝きと美しさを称えるポルキュアスに、侍女たちは「現在起っていることなどみな、過去の輝かしい時代の、侘しい余韻にすぎないのです。・・・数々の神々や英雄と同じように、この坊やもすべてに対して永遠に恵み深い霊であることを実に巧妙なやり方で忽ち証明してみせる」と語る様に、初めてさすがヘレネーさんの侍女!と感じられる一節が来ましたね。それでもポルキュアスは「昔のことなんかさっさと忘れておしまい。・・・誰もお前さんたちの話なんか聴きたがりはしないよ。・・・なぜって、人の心を本当に動かすのは、やはり心の奥底から出てきたものだけだからね。」と毒づく。このフレーズ繰り返し登場しますね。ゲーテ哲学の神髄かな? しかし洞窟の奥から響く甘い音楽を聴いて「陽の光なんか要らないわ。魂の中に夜明けが来て、どこを探そうとも得られないものが、自分の心の中に見つかったんですもの。」って侍女たち、絆されんのはっえーな!(´Д`;)
話題の親子三人の会話「人間らしく仕合せになるのには、愛でふたりが結ばれればいいのだけれど、めでたく三人が組まなければ、神々の味わう悦びは得られないのね。」おお、全国の子どものいない夫婦とL G B Tの皆さんの心を抉るヘレネー様。(すみませんソッチ系のネタに敏感になり過ぎな時期でして。笑)それに答えるファウスト「私はお前のもの、お前は私のもの。私たちはこんな風に結ばれ合った。これが最も望ましい状態だ。」子はかすがいってヤツですか・・・ウンだから、グレートヒェンちゃんが自ら殺さざるを得なかったお子さんと元の旦那との間に生まれたお子さんのことは(以下略)二人の息子エウポリオーンは大胆不敵な性質らしく、地面に縛り付けられず空高く昇ってみたいという望みをどうしても棄てられない。その体は親のものではなく自分のものなのだから、好きにして良いだろう、と言う息子に「やっとの思いで手に入れた私たちのもの」とあくまで我が子を自分たちの所有物であるかのように語るヘレネー。あぁ、いずこの時代・世界でも・・・((-_-)ウンウン 結局親のために己を抑えようとするけれど、エウポリオーンの持つ烈しさは留まるところを知らず、女性や戦争にも向けられていく。

狭苦しいところを嫌い、高く遠くを目指す彼は(ファウストのあくなき渇望という資質を強く受け継いでいるのかも)、理想郷の島に留まることを良しとしない。何故この美しい国に大人しくしていないのか、と問う侍女たちに「君たちは平和の世を夢見ているの。夢を見たい人は見ているがいい。戦争、これが合言葉、そして、勝利、と言葉が続くのです。」とエウポリオーン。侍女たちは「平和な世に住んで昔の戦争を懐かしがる人は希望という幸福に別れてしまう。」と返すが、エウポリオーンは「かつて危難の中から国を生み落とした、自由な精神と限りない勇気を持ち、抑えがたい神聖な志操を持って戦う人々に戦勝を得させよう。」と願う。両親であるヘレネーとファウストは「生れたばかりで、清らかな日に身を委ねるか委ねないかのうちに、急な階段を昇って、労苦の多い所へ憧れるのか。私たちのことなど、なんとも思わないの。」と我が子を引き留めようとするが、エウポリオーンは「死は掟であり、当然の宿命なのです。・・・遠方から黙って見ていられるでしょうか。とてもそんなことはできない。私は憂苦艱難を分かちたいのです。・・・おれはあすこへ住かなければならない。」とイカロスと同じ運命を辿る。
この辺、現代日.本人的に非常に胸に迫るやりとりじゃないですか? 歴史や戦争に翻弄されてきた一国民として侍女の言うことも分かるし、エウポリオーンの気持ちも解る。更には一個人として、ファウストとヘレネーの親心にも大半は納得が行くだろう。世界の情勢が変わりつつある中にあって、何が正しいのか、どういう道を選べば自分たちが生き残れるのか、それは道義的に善いと言えることなのか、まさに分かれ道に立たされているのが今の日/本の状況だと思う。だから、「作戦」として70年以上も前の真偽すら定かではない出来事への宣伝攻勢を強める、現時点ではどうやっても敵対するしかない陣営からの影響も相まり、右も左も入り混じって喧々諤々の議論になる。グローバリゼーションが良いだけ進行した中で起こってしまった世界的不況により各国のナショナリズムが高まる中、ホントどんな未来が待っていて私たちがどういう選択をしなければいけないのか、色々と考えさせられる問答ですね。(・・・まぁ実は正直傍観者として興味深々の面が強くて、時々自分がその人間様だったり日.本人の一員だってことウッカリ忘れそうになるんだけどさ(^^; 眺めるのは楽しいけど、皮被って存在させてもらってるだけの虫けらに干渉する権利はないとも思ってるし)

彼の死を悼む侍女たちの「あなたは絶えず好んで意志のない宿命の網の中へ駆け込まれ、力ずくで良俗、法律を振切ってしまわれましたが、しかし最後はこの上ない試案が、純粋な勇気を重んじさせて、すばらしい仕事に成功しようとなさったのに、それがお出来にならなかったのですね。 誰にそれが出来るでしょう――この憂鬱な問いに対しては、運命さえも黙り込んでしまいます。・・・でも歌声を新たに致しましょう。いつまでもうなだれてはいますまい。大地がこれまでにも歌を生み出したように、歌は再び生み出されてくるでしょう。」という合唱に泣きそうになった(´;ω;`) そうだよ、どんな悲しみや混沌や破壊からでも必ず立ち直る、人間って、世界ってすごいんだよ!と。ヘレネーは冥府から自分を呼ぶ息子の声に「幸福と美とは永く一緒にはいないという、古い諺を悲しいことにわが身で確かめました。命の絆、愛の絆は断ち切られてしまいましたね。その両方を嘆きながら、悲しいお別れの時がやって参りました。」とファウストに別れを告げる。かき消えた彼女の姿に呆然とする彼に向かい、ポルキュアスは「おなくしになった女神は、もういらっしゃらない。けれど残ったものには神の息吹きがあります。気高い、無限の価値のある恵みをおろそかにせず、高く昇っていらっしゃい。即座にすべて低俗なものの上高くあなたを支えてくれますから。あなたは力の続く限り、空高くとどまっていられます。またお会い致しましょう。けれども遠くで、ここからよほど遠いところで。」と。侍女たちも無法な心の呪縛から解放され、自然の中の霊という自分たちの本性に還る。

第四部の語る葡萄酒の産地・南方の怪物たちのまとめ「情け容赦もあらばこそなのですね、割れた蹄が良風美俗など踏みしだいてしまうのです。・・・酔っぱらいは杯を手探りに探り求めて、頭も腹も酒ではち切れそうです。心配する者もいなくはないが、そういう者のためにかえって騒ぎが大きくなるばかり。なぜなら新酒を容れようと思えば、古い革袋は早く空にせざるをえませんからね。」皮肉というか暗喩というかやはり大変示唆に富んだお言葉ですね(^^;

追記:ここまで二巻全体を通して見て、民族大移動の末にようやく中央ヨーロッパに安住の地を見出したド○ツ人は古代からずっとその場所で暮らしてきた人々の国であるギリ○ャの神話や歴史に憧れ、またその地の美しさや豊かさを羨み尊んでもいるけれど、同時にギリシ○人の性質や文化・価値観については長く蔑み理解を拒んできたのだ、と感じてしまいました(´・ω・`) もしかしたら単純な経済的問題だけではなく、そうした昔からの因縁というか互いへの妬み嫉み、ひねくれ根性も絡む気質の相違・相容れなさが彼らの不協和音の根底にあったのかな、と。ギ○シャ人からすれば、「俺らの国に押しかけまくって神話漁ってネタにしまくっておきながらバカにしてくるとか、何なの後からこっち来たヤツらのくせに」みたいな気持ちがあるのかもしれないし。ちょっと日/本と中.韓にも通じるかな? 「俺らが文化伝えてやったのにキイィー!o(`皿´)=3」みたいな感情が、それから軽く千年以上は経つ今でも存在するみたいな話聞くし・・・。(近現代にウチが融通したモンの方が既に多くなっちゃってるんではないですかねぶっちゃけ? あ、戦後賠償だから当たり前なのかソレは(´-`))
まぁとにかくそんな感じで、いくら東アジアより人の往来が激しくて混じり合った大陸でもこういうどうしようもない認識や感情的齟齬、また宗派対立すらも抱えた状態で統合なんて土台無理な話だったのではないか?と。経済規模や人口だって国によって全く違うわけだしさぁ。今日ブ○ゴスで読んだ記事で「そもそもE Uはドイ○の首根っこ抑えさせるためのアメ○カの陰謀が始まりだった」というのを見たけど、結果的にド○ツは(リーマ○ショックからの米衰退→ユーロ統合の波+メル○ルという辣腕指導者の力もあって)正直どの時代より、少なくともヨーロッパの盟主と言える位置に付けてしまっていると思う。英/仏がそうなれなかったのは、皮肉なことに植民地を沢山抱えていたことと名ばかりの戦勝国になってしまったことが大きいのかな、と。戦後、各植民地で巻き起こった独立戦争、更には植民地の公用語を自国語にしていたがために、それを使える移民が世界中から押し寄せる状態になるわけで、復興のための労働力として彼らを受け入れる方便が「人権」という決して押し戻せない彼ら自身の「信念」として定着してしまった。ここら辺アメリ○の「正義」と対を成すというか、面白いですよね「人権」の捉え方の微妙な差異が^^ その「信念」がまさに彼ら自身を歪ませ軋ませてしまっている今、彼らがどこへ向かいどの道を選ぶのか、盟主であることを拒んできたドイ○、盟主としてのバランスを取れそうな唯一の指導者が力を失おうとしている彼の国がどう立ち振る舞って、E Uいやヨーロッパ全体がどうなるのか改めて興味が尽きないな、と考えちゃった。二百年前の話読んで(笑)

四幕まで読了したので明日一気に全部読んで感想書けたら良いな、と思ってます!


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