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一時はどうなることかと思ったけど、全部読んだら普通に共感というか克服できたよー!ヽ(´∀`)ノ
『酒楼にて』
犀星の詩を思い起こさせるような、あるいは「故郷を誰より憎みながら、愛しているのかもしれない」という修司の言葉も頭を過る物悲しい二人の男の帰郷の話。何もかもが変わり、知り合いすらもいなくなった思い出の地で虚しさや寂しさをまぎらわすために訪れた酒楼で旧友と偶然再会する主人公。彼の風采や境遇、また自身の立場の変化に、二人の隔たった時間や人生の苦みを感じさせるよねぇ(´―`) 同じところを一回りするだけで、遠くまで行き着けない自分たち。理想を成し遂げられなかった己の人生を「つまらんことばかりやっていた。何もしなかったのと同じことだ」と語る緯甫。年老いた母親の頼みごとを果たしに来たのに、全ての結末は虚しく終わり、けれど彼はそれを母親に伝えるまいと、無駄足の疲れを友との淋しい酒席で打ち明ける。健気な阿順の哀れな最期。おそらく彼女の幸せを祈ったという緯甫自身もまた、阿順のことを憎からず想っていたんだろう。「ぼくの昔の夢のなごりにすぎないんだ、すぐ自分で自分を笑い、それっきり忘れてしまったよ。」泣けるセリフや(´;ω;`)ウッウッ しかし不幸な境遇に終わった人に対して「運がなかった」の一言で済ませる親戚も・・・やっぱ大陸の考え方キビシー!立派な教育を受けた身でありながら「子曰く、詩に云う」と家庭教師先で主の望むままに「いいかげんにごまかして」教え、「これから」が見えないというかつての友の変わりぶりにいや増す寂しさが(つд`)
『孤独者』
大陸って昔っから「三戦」にあるようにライバル蹴落とすための情報戦すごかったんやな、と連殳や主人公が職失ったくだりでゾッとした(((゜Д゜;)))gkbr 噂の変わり者、連殳が祖母の葬儀で号泣する姿に興味を抱き、交流を持つようになった主人公。初めの頃の彼が語る「悪は環境が然らしめた後天的なものであって子供は無邪気なのだ。中.国に希望が持てるとすれば、この点だけだろう」というセリフが(;_;) 狂人日記にも「子供を救え」と最後に出て来たけど、この1920代に子供だった連中が後に中/国をどんな地獄に導いたかということを考えると・・・分かってますよ、ウチの国の侵略が無関係だと言いきれないのは。(自衛だと日本人の視点で考えることは可能かもしれないが、大陸の人々にしてみたら紛れもない侵略と呼んで他ならないものだっただろうと個人的には捉えている。かつての「蒙古」や女真族のように同化しちゃったならともかく)
その後心ないプロパガンダ、出る杭打たれる東アジア精神により職を追われた連殳が来客の減ったことを主人公に「心境が良くないと人を不愉快にするばかりだ。冬の公園には誰も行かないからね」って例えるセリフ、私だってそうだったし、そう思ってた。それでも見捨てずに誘ってくれる存在がいたことがどれほどの喜びと救いだったか、連殳にとっての主人公もそうだったんじゃないかと思い、そういう人に恵まれたことに改めて感謝だな、と感じさせられた(・・;) だってそんな彼に主人公が言って聞かせる「君は自分で繭をこしらえて自分をそのなかへつつみ込んでいるんだ。」って言葉がさあ!リアル過ぎる>< そこから語られる連殳と祖母の複雑な関係性と思い出。実は義理の間柄でありながら、生涯必死に一人針仕事に励み孫を育て上げた祖母の葬儀で泣いた理由を「僕はあのときどうしてだか、彼女の一生を眼の前に縮小していたのだ。自分の手で孤独を作り、そしてそれを口のなかへ入れて噛みつづけていた人間の一生を。しかも、そういう人間はほかにもたくさんいるような気がしたのだ。そういう人たちが僕を泣き叫ばせたのだ。」百年前の外国の話なのに、自分の理解者を見つけたようで。・゜・(ノД`)・゜・。その後に続けられる「人がその死後に誰も自分のために泣かないようにするということは、むつかしいこと」というのも、彼がまさに孤独たらんとした祖母の気持ちを芯から察しているかのようで(涙)生活に瀕した連殳が告げる「僕はまだもう少し生きていたい」というセリフも泣かせますね。筆無精だった彼から主人公の元に届いた最初で最後の手紙の内容も何とも虚しく居た堪れない。
「以前、僕は自分を失敗者だと思っていたが、いまはそうではなかったことがわかった。いまこそほんとうの失敗者なのだ。以前は、人も僕がもう少し生きることを望んでいたし、僕自身もそう思っていたが、生きられなかった。いまは、もうそんなことはなくなってしまったのに、それでも生きていこうとしている。それでも生きていくのか。 人生の変化はなんと速いことか。僕はほとんど乞食だったが、まだ為すべきことがあった。僕はそのために乞食であること、凍えや餓え、淋しさ、苦しみを願ったが、滅亡は願わなかった。僕にもう少し生きることを望んだ人の力はこれほど大きかったのだ。だが、いまはなくなってしまった。その一人さえなくなってしまったのだ。 同時に、僕自身も生きていく資格のないことがわかった。他人もやはり資格はないのだ。同時に、僕自身もまた、僕の生きていくことを望まない人々のために、どうしても生きつづけなければならないことがわかったのだ。 さいわい僕にはもう立派に生きていくことを望んだ人はいなくなったのだから、誰の心を痛めることもない。そのような人の心を痛めることは、僕の望むところではないのだ。だが、いまはもうなくなってしまった。その一人さえなくなってしまったのだ。じつに愉快、いい気分だ。僕はすでに、むかし自分が憎み反対した一切のことを実行し、自分が尊敬し主張した一切のことを拒否している。僕はすでにほんとうに失敗したのだ――しかし僕は勝利したのだ。」唯一の心の拠り所とも言えた祖母を喪い、生活の糧を奪われて困窮した挙句、理想を捨てて現実の利を手にした彼の苦渋が行間から滲み出る(´;ω;`)「今後、僕は二度と手紙を書かないだろう。僕たちはもう全然道がちがってしまった。どうか僕のことは忘れてくれ。僕はいまはもう『よく』なったのだ。」せっつねえぇー!!!(つД`)
かつての連殳と同じような経緯で職を失い故郷に帰った主人公を待ち受けていたのは・・・何という悲しい、葬式に始まり葬式に終わる二人の関係。「でたらめばかりで、まともなことは全然やろうとしなかった」と語る連殳の下宿のばあさんの言に当時の大陸の社会的慣習を乗り越えることの困難さが垣間見える。私みたいなAセクとか確実に許されなかっただろうな。とっとと自殺してそう(^ω^) あ、その前に脱水か自家中毒で逝けてるか子供の内に。「もしわたしのいうことをきいていてくれたら、いまごろ身内の者の泣き声くらいはきけたろうに」って彼は己が語っていた「死んだ時に誰も泣かせずに済む理想の死に方」を成し遂げたんだな、って考えると本当立派だし羨ましくなるよ@もちろんしつこく病んでますとも!体脂肪率?最近は大体18%代固定な!BMIは時々17切ったりする(^^)b・・・なんで? あ、でも例の親戚三人は家ゲットのためのパフォーマンス泣き(笑)してくれたのか。そんな重苦しい彼の葬儀の場から飛び出そうとして、それを妨害する「痛みのなかに憤りを悲しみとをまじえたもの」が出てきたことに気づき、一気に心が軽くなり、安らかな気持になれた「わたし」。連殳と共有する鬱屈を抱えていたのは、葬儀に訪れたり彼と交流を持った者の中で唯一主人公だけだったのかもしれない、と感じさせる幕引きがまた何とも味を出していてしんみり来ますね。これも好きな話でした。ホント激しさや衝撃要素すらないただ薄暗いだけのヤツばっか選んでサーセンm(__)m
『離婚』
珍しく女性目線の話だけど、当時の大陸にはびこっていた階級主義と不平等、特に家父長制や女性の権利の弱さ(纏足に象徴されるような)が垣間見えるようで可哀想な話。今は一人っ子政策で女性不足になったり、K産主義体制が皮肉にも女性の社会進出、男女間の格差を是正する結果を生んだんだから不思議だよねー(´-`) ウチや韓.国より向こうのがずっと平等指数(この発想自体が既にぶっちゃけどうかと思ってるかつてのフェミ畑だけど)高くて、お付き合いでもメッチャ扱い良いんでしょ?食事は奢り、荷物は当然持ってくれて下手すると料理や家事もやってくれると?昔ながらの名残りと言えば「告白は絶対男性から」ってことくらいかなー、と友人が言ってた。彼女は日/本人男性と付き合っていて、彼のお母さんメッチャ恐い、と話してたけど(笑)だって都会育ちで外食メインだったせいか親御さんがよっぽど大事に育てられたのか、20歳過ぎて包丁も握ったことないって言ってたもん・・・。そりゃ基本的に家事手伝いを雇うという発想もなく、外食嫌いな田舎の日.本人のオバチャンは嫁候補みっちり仕込みたくもなるやろ、と(^^;
一通り読み終わっての感想は、大陸の人々の生き抜く知恵としての抜け目なさとウチらからは「情がない」と思われるほどの実利主義的側面を強く感じたことかな。人の死や悲劇に対しても割とアッサリしているというか、「天命」や古来からの思想やしきたりを上手く「利用」して真面目に思い悩み考え込まずに済むように心の負担を軽くしている。そしてそういうことが上手くできなくなったり面倒に感じる人種は「権力」を絶対のものとして捉え敬う。儒教が長く息づいた大陸では上の者がそうだと下の者はいくら違和感を覚えてもそれに従わざるを得ない。歴史を誇るが故に、中々社会の体制や人間の性質を変えることはできないのだ、と何だか憐れみと同情をすら覚えました。内実が当初掲げていた主義とは全くの別物に変質していながら、一党独裁体制をここまで貫け続けるわけも何となく理解できたように感じます。魯迅が故国の現状を見たら激しく嘆き、絶望して筆を折ってしまう勢いかもしれないけれども(´Д`;)
犀星の詩を思い起こさせるような、あるいは「故郷を誰より憎みながら、愛しているのかもしれない」という修司の言葉も頭を過る物悲しい二人の男の帰郷の話。何もかもが変わり、知り合いすらもいなくなった思い出の地で虚しさや寂しさをまぎらわすために訪れた酒楼で旧友と偶然再会する主人公。彼の風采や境遇、また自身の立場の変化に、二人の隔たった時間や人生の苦みを感じさせるよねぇ(´―`) 同じところを一回りするだけで、遠くまで行き着けない自分たち。理想を成し遂げられなかった己の人生を「つまらんことばかりやっていた。何もしなかったのと同じことだ」と語る緯甫。年老いた母親の頼みごとを果たしに来たのに、全ての結末は虚しく終わり、けれど彼はそれを母親に伝えるまいと、無駄足の疲れを友との淋しい酒席で打ち明ける。健気な阿順の哀れな最期。おそらく彼女の幸せを祈ったという緯甫自身もまた、阿順のことを憎からず想っていたんだろう。「ぼくの昔の夢のなごりにすぎないんだ、すぐ自分で自分を笑い、それっきり忘れてしまったよ。」泣けるセリフや(´;ω;`)ウッウッ しかし不幸な境遇に終わった人に対して「運がなかった」の一言で済ませる親戚も・・・やっぱ大陸の考え方キビシー!立派な教育を受けた身でありながら「子曰く、詩に云う」と家庭教師先で主の望むままに「いいかげんにごまかして」教え、「これから」が見えないというかつての友の変わりぶりにいや増す寂しさが(つд`)
『孤独者』
大陸って昔っから「三戦」にあるようにライバル蹴落とすための情報戦すごかったんやな、と連殳や主人公が職失ったくだりでゾッとした(((゜Д゜;)))gkbr 噂の変わり者、連殳が祖母の葬儀で号泣する姿に興味を抱き、交流を持つようになった主人公。初めの頃の彼が語る「悪は環境が然らしめた後天的なものであって子供は無邪気なのだ。中.国に希望が持てるとすれば、この点だけだろう」というセリフが(;_;) 狂人日記にも「子供を救え」と最後に出て来たけど、この1920代に子供だった連中が後に中/国をどんな地獄に導いたかということを考えると・・・分かってますよ、ウチの国の侵略が無関係だと言いきれないのは。(自衛だと日本人の視点で考えることは可能かもしれないが、大陸の人々にしてみたら紛れもない侵略と呼んで他ならないものだっただろうと個人的には捉えている。かつての「蒙古」や女真族のように同化しちゃったならともかく)
その後心ないプロパガンダ、出る杭打たれる東アジア精神により職を追われた連殳が来客の減ったことを主人公に「心境が良くないと人を不愉快にするばかりだ。冬の公園には誰も行かないからね」って例えるセリフ、私だってそうだったし、そう思ってた。それでも見捨てずに誘ってくれる存在がいたことがどれほどの喜びと救いだったか、連殳にとっての主人公もそうだったんじゃないかと思い、そういう人に恵まれたことに改めて感謝だな、と感じさせられた(・・;) だってそんな彼に主人公が言って聞かせる「君は自分で繭をこしらえて自分をそのなかへつつみ込んでいるんだ。」って言葉がさあ!リアル過ぎる>< そこから語られる連殳と祖母の複雑な関係性と思い出。実は義理の間柄でありながら、生涯必死に一人針仕事に励み孫を育て上げた祖母の葬儀で泣いた理由を「僕はあのときどうしてだか、彼女の一生を眼の前に縮小していたのだ。自分の手で孤独を作り、そしてそれを口のなかへ入れて噛みつづけていた人間の一生を。しかも、そういう人間はほかにもたくさんいるような気がしたのだ。そういう人たちが僕を泣き叫ばせたのだ。」百年前の外国の話なのに、自分の理解者を見つけたようで。・゜・(ノД`)・゜・。その後に続けられる「人がその死後に誰も自分のために泣かないようにするということは、むつかしいこと」というのも、彼がまさに孤独たらんとした祖母の気持ちを芯から察しているかのようで(涙)生活に瀕した連殳が告げる「僕はまだもう少し生きていたい」というセリフも泣かせますね。筆無精だった彼から主人公の元に届いた最初で最後の手紙の内容も何とも虚しく居た堪れない。
「以前、僕は自分を失敗者だと思っていたが、いまはそうではなかったことがわかった。いまこそほんとうの失敗者なのだ。以前は、人も僕がもう少し生きることを望んでいたし、僕自身もそう思っていたが、生きられなかった。いまは、もうそんなことはなくなってしまったのに、それでも生きていこうとしている。それでも生きていくのか。 人生の変化はなんと速いことか。僕はほとんど乞食だったが、まだ為すべきことがあった。僕はそのために乞食であること、凍えや餓え、淋しさ、苦しみを願ったが、滅亡は願わなかった。僕にもう少し生きることを望んだ人の力はこれほど大きかったのだ。だが、いまはなくなってしまった。その一人さえなくなってしまったのだ。 同時に、僕自身も生きていく資格のないことがわかった。他人もやはり資格はないのだ。同時に、僕自身もまた、僕の生きていくことを望まない人々のために、どうしても生きつづけなければならないことがわかったのだ。 さいわい僕にはもう立派に生きていくことを望んだ人はいなくなったのだから、誰の心を痛めることもない。そのような人の心を痛めることは、僕の望むところではないのだ。だが、いまはもうなくなってしまった。その一人さえなくなってしまったのだ。じつに愉快、いい気分だ。僕はすでに、むかし自分が憎み反対した一切のことを実行し、自分が尊敬し主張した一切のことを拒否している。僕はすでにほんとうに失敗したのだ――しかし僕は勝利したのだ。」唯一の心の拠り所とも言えた祖母を喪い、生活の糧を奪われて困窮した挙句、理想を捨てて現実の利を手にした彼の苦渋が行間から滲み出る(´;ω;`)「今後、僕は二度と手紙を書かないだろう。僕たちはもう全然道がちがってしまった。どうか僕のことは忘れてくれ。僕はいまはもう『よく』なったのだ。」せっつねえぇー!!!(つД`)
かつての連殳と同じような経緯で職を失い故郷に帰った主人公を待ち受けていたのは・・・何という悲しい、葬式に始まり葬式に終わる二人の関係。「でたらめばかりで、まともなことは全然やろうとしなかった」と語る連殳の下宿のばあさんの言に当時の大陸の社会的慣習を乗り越えることの困難さが垣間見える。私みたいなAセクとか確実に許されなかっただろうな。とっとと自殺してそう(^ω^) あ、その前に脱水か自家中毒で逝けてるか子供の内に。「もしわたしのいうことをきいていてくれたら、いまごろ身内の者の泣き声くらいはきけたろうに」って彼は己が語っていた「死んだ時に誰も泣かせずに済む理想の死に方」を成し遂げたんだな、って考えると本当立派だし羨ましくなるよ@もちろんしつこく病んでますとも!体脂肪率?最近は大体18%代固定な!BMIは時々17切ったりする(^^)b・・・なんで? あ、でも例の親戚三人は家ゲットのためのパフォーマンス泣き(笑)してくれたのか。そんな重苦しい彼の葬儀の場から飛び出そうとして、それを妨害する「痛みのなかに憤りを悲しみとをまじえたもの」が出てきたことに気づき、一気に心が軽くなり、安らかな気持になれた「わたし」。連殳と共有する鬱屈を抱えていたのは、葬儀に訪れたり彼と交流を持った者の中で唯一主人公だけだったのかもしれない、と感じさせる幕引きがまた何とも味を出していてしんみり来ますね。これも好きな話でした。ホント激しさや衝撃要素すらないただ薄暗いだけのヤツばっか選んでサーセンm(__)m
『離婚』
珍しく女性目線の話だけど、当時の大陸にはびこっていた階級主義と不平等、特に家父長制や女性の権利の弱さ(纏足に象徴されるような)が垣間見えるようで可哀想な話。今は一人っ子政策で女性不足になったり、K産主義体制が皮肉にも女性の社会進出、男女間の格差を是正する結果を生んだんだから不思議だよねー(´-`) ウチや韓.国より向こうのがずっと平等指数(この発想自体が既にぶっちゃけどうかと思ってるかつてのフェミ畑だけど)高くて、お付き合いでもメッチャ扱い良いんでしょ?食事は奢り、荷物は当然持ってくれて下手すると料理や家事もやってくれると?昔ながらの名残りと言えば「告白は絶対男性から」ってことくらいかなー、と友人が言ってた。彼女は日/本人男性と付き合っていて、彼のお母さんメッチャ恐い、と話してたけど(笑)だって都会育ちで外食メインだったせいか親御さんがよっぽど大事に育てられたのか、20歳過ぎて包丁も握ったことないって言ってたもん・・・。そりゃ基本的に家事手伝いを雇うという発想もなく、外食嫌いな田舎の日.本人のオバチャンは嫁候補みっちり仕込みたくもなるやろ、と(^^;
一通り読み終わっての感想は、大陸の人々の生き抜く知恵としての抜け目なさとウチらからは「情がない」と思われるほどの実利主義的側面を強く感じたことかな。人の死や悲劇に対しても割とアッサリしているというか、「天命」や古来からの思想やしきたりを上手く「利用」して真面目に思い悩み考え込まずに済むように心の負担を軽くしている。そしてそういうことが上手くできなくなったり面倒に感じる人種は「権力」を絶対のものとして捉え敬う。儒教が長く息づいた大陸では上の者がそうだと下の者はいくら違和感を覚えてもそれに従わざるを得ない。歴史を誇るが故に、中々社会の体制や人間の性質を変えることはできないのだ、と何だか憐れみと同情をすら覚えました。内実が当初掲げていた主義とは全くの別物に変質していながら、一党独裁体制をここまで貫け続けるわけも何となく理解できたように感じます。魯迅が故国の現状を見たら激しく嘆き、絶望して筆を折ってしまう勢いかもしれないけれども(´Д`;)
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犀星の詩を思い起こさせるような、あるいは「故郷を誰より憎みながら、愛しているのかもしれない」という修司の言葉も頭を過る物悲しい二人の男の帰郷の話。何もかもが変わり、知り合いすらもいなくなった思い出の地で虚しさや寂しさをまぎらわすために訪れた酒楼で旧友と偶然再会する主人公。彼の風采や境遇、また自身の立場の変化に、二人の隔たった時間や人生の苦みを感じさせるよねぇ(´―`) 同じところを一回りするだけで、遠くまで行き着けない自分たち。理想を成し遂げられなかった己の人生を「つまらんことばかりやっていた。何もしなかったのと同じことだ」と語る緯甫。年老いた母親の頼みごとを果たしに来たのに、全ての結末は虚しく終わり、けれど彼はそれを母親に伝えるまいと、無駄足の疲れを友との淋しい酒席で打ち明ける。健気な阿順の哀れな最期。おそらく彼女の幸せを祈ったという緯甫自身もまた、阿順のことを憎からず想っていたんだろう。「ぼくの昔の夢のなごりにすぎないんだ、すぐ自分で自分を笑い、それっきり忘れてしまったよ。」泣けるセリフや(´;ω;`)ウッウッ しかし不幸な境遇に終わった人に対して「運がなかった」の一言で済ませる親戚も・・・やっぱ大陸の考え方キビシー!立派な教育を受けた身でありながら「子曰く、詩に云う」と家庭教師先で主の望むままに「いいかげんにごまかして」教え、「これから」が見えないというかつての友の変わりぶりにいや増す寂しさが(つд`)
『孤独者』
大陸って昔っから「三戦」にあるようにライバル蹴落とすための情報戦すごかったんやな、と連殳や主人公が職失ったくだりでゾッとした(((゜Д゜;)))gkbr 噂の変わり者、連殳が祖母の葬儀で号泣する姿に興味を抱き、交流を持つようになった主人公。初めの頃の彼が語る「悪は環境が然らしめた後天的なものであって子供は無邪気なのだ。中.国に希望が持てるとすれば、この点だけだろう」というセリフが(;_;) 狂人日記にも「子供を救え」と最後に出て来たけど、この1920代に子供だった連中が後に中/国をどんな地獄に導いたかということを考えると・・・分かってますよ、ウチの国の侵略が無関係だと言いきれないのは。(自衛だと日本人の視点で考えることは可能かもしれないが、大陸の人々にしてみたら紛れもない侵略と呼んで他ならないものだっただろうと個人的には捉えている。かつての「蒙古」や女真族のように同化しちゃったならともかく)
その後心ないプロパガンダ、出る杭打たれる東アジア精神により職を追われた連殳が来客の減ったことを主人公に「心境が良くないと人を不愉快にするばかりだ。冬の公園には誰も行かないからね」って例えるセリフ、私だってそうだったし、そう思ってた。それでも見捨てずに誘ってくれる存在がいたことがどれほどの喜びと救いだったか、連殳にとっての主人公もそうだったんじゃないかと思い、そういう人に恵まれたことに改めて感謝だな、と感じさせられた(・・;) だってそんな彼に主人公が言って聞かせる「君は自分で繭をこしらえて自分をそのなかへつつみ込んでいるんだ。」って言葉がさあ!リアル過ぎる>< そこから語られる連殳と祖母の複雑な関係性と思い出。実は義理の間柄でありながら、生涯必死に一人針仕事に励み孫を育て上げた祖母の葬儀で泣いた理由を「僕はあのときどうしてだか、彼女の一生を眼の前に縮小していたのだ。自分の手で孤独を作り、そしてそれを口のなかへ入れて噛みつづけていた人間の一生を。しかも、そういう人間はほかにもたくさんいるような気がしたのだ。そういう人たちが僕を泣き叫ばせたのだ。」百年前の外国の話なのに、自分の理解者を見つけたようで。・゜・(ノД`)・゜・。その後に続けられる「人がその死後に誰も自分のために泣かないようにするということは、むつかしいこと」というのも、彼がまさに孤独たらんとした祖母の気持ちを芯から察しているかのようで(涙)生活に瀕した連殳が告げる「僕はまだもう少し生きていたい」というセリフも泣かせますね。筆無精だった彼から主人公の元に届いた最初で最後の手紙の内容も何とも虚しく居た堪れない。
「以前、僕は自分を失敗者だと思っていたが、いまはそうではなかったことがわかった。いまこそほんとうの失敗者なのだ。以前は、人も僕がもう少し生きることを望んでいたし、僕自身もそう思っていたが、生きられなかった。いまは、もうそんなことはなくなってしまったのに、それでも生きていこうとしている。それでも生きていくのか。 人生の変化はなんと速いことか。僕はほとんど乞食だったが、まだ為すべきことがあった。僕はそのために乞食であること、凍えや餓え、淋しさ、苦しみを願ったが、滅亡は願わなかった。僕にもう少し生きることを望んだ人の力はこれほど大きかったのだ。だが、いまはなくなってしまった。その一人さえなくなってしまったのだ。 同時に、僕自身も生きていく資格のないことがわかった。他人もやはり資格はないのだ。同時に、僕自身もまた、僕の生きていくことを望まない人々のために、どうしても生きつづけなければならないことがわかったのだ。 さいわい僕にはもう立派に生きていくことを望んだ人はいなくなったのだから、誰の心を痛めることもない。そのような人の心を痛めることは、僕の望むところではないのだ。だが、いまはもうなくなってしまった。その一人さえなくなってしまったのだ。じつに愉快、いい気分だ。僕はすでに、むかし自分が憎み反対した一切のことを実行し、自分が尊敬し主張した一切のことを拒否している。僕はすでにほんとうに失敗したのだ――しかし僕は勝利したのだ。」唯一の心の拠り所とも言えた祖母を喪い、生活の糧を奪われて困窮した挙句、理想を捨てて現実の利を手にした彼の苦渋が行間から滲み出る(´;ω;`)「今後、僕は二度と手紙を書かないだろう。僕たちはもう全然道がちがってしまった。どうか僕のことは忘れてくれ。僕はいまはもう『よく』なったのだ。」せっつねえぇー!!!(つД`)
かつての連殳と同じような経緯で職を失い故郷に帰った主人公を待ち受けていたのは・・・何という悲しい、葬式に始まり葬式に終わる二人の関係。「でたらめばかりで、まともなことは全然やろうとしなかった」と語る連殳の下宿のばあさんの言に当時の大陸の社会的慣習を乗り越えることの困難さが垣間見える。私みたいなAセクとか確実に許されなかっただろうな。とっとと自殺してそう(^ω^) あ、その前に脱水か自家中毒で逝けてるか子供の内に。「もしわたしのいうことをきいていてくれたら、いまごろ身内の者の泣き声くらいはきけたろうに」って彼は己が語っていた「死んだ時に誰も泣かせずに済む理想の死に方」を成し遂げたんだな、って考えると本当立派だし羨ましくなるよ@もちろんしつこく病んでますとも!体脂肪率?最近は大体18%代固定な!BMIは時々17切ったりする(^^)b・・・なんで? あ、でも例の親戚三人は家ゲットのためのパフォーマンス泣き(笑)してくれたのか。そんな重苦しい彼の葬儀の場から飛び出そうとして、それを妨害する「痛みのなかに憤りを悲しみとをまじえたもの」が出てきたことに気づき、一気に心が軽くなり、安らかな気持になれた「わたし」。連殳と共有する鬱屈を抱えていたのは、葬儀に訪れたり彼と交流を持った者の中で唯一主人公だけだったのかもしれない、と感じさせる幕引きがまた何とも味を出していてしんみり来ますね。これも好きな話でした。ホント激しさや衝撃要素すらないただ薄暗いだけのヤツばっか選んでサーセンm(__)m
『離婚』
珍しく女性目線の話だけど、当時の大陸にはびこっていた階級主義と不平等、特に家父長制や女性の権利の弱さ(纏足に象徴されるような)が垣間見えるようで可哀想な話。今は一人っ子政策で女性不足になったり、K産主義体制が皮肉にも女性の社会進出、男女間の格差を是正する結果を生んだんだから不思議だよねー(´-`) ウチや韓.国より向こうのがずっと平等指数(この発想自体が既にぶっちゃけどうかと思ってるかつてのフェミ畑だけど)高くて、お付き合いでもメッチャ扱い良いんでしょ?食事は奢り、荷物は当然持ってくれて下手すると料理や家事もやってくれると?昔ながらの名残りと言えば「告白は絶対男性から」ってことくらいかなー、と友人が言ってた。彼女は日/本人男性と付き合っていて、彼のお母さんメッチャ恐い、と話してたけど(笑)だって都会育ちで外食メインだったせいか親御さんがよっぽど大事に育てられたのか、20歳過ぎて包丁も握ったことないって言ってたもん・・・。そりゃ基本的に家事手伝いを雇うという発想もなく、外食嫌いな田舎の日.本人のオバチャンは嫁候補みっちり仕込みたくもなるやろ、と(^^;
一通り読み終わっての感想は、大陸の人々の生き抜く知恵としての抜け目なさとウチらからは「情がない」と思われるほどの実利主義的側面を強く感じたことかな。人の死や悲劇に対しても割とアッサリしているというか、「天命」や古来からの思想やしきたりを上手く「利用」して真面目に思い悩み考え込まずに済むように心の負担を軽くしている。そしてそういうことが上手くできなくなったり面倒に感じる人種は「権力」を絶対のものとして捉え敬う。儒教が長く息づいた大陸では上の者がそうだと下の者はいくら違和感を覚えてもそれに従わざるを得ない。歴史を誇るが故に、中々社会の体制や人間の性質を変えることはできないのだ、と何だか憐れみと同情をすら覚えました。内実が当初掲げていた主義とは全くの別物に変質していながら、一党独裁体制をここまで貫け続けるわけも何となく理解できたように感じます。魯迅が故国の現状を見たら激しく嘆き、絶望して筆を折ってしまう勢いかもしれないけれども(´Д`;)
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