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ほぼ対自分向けメモ録。ブックマーク・リンクは掲示板貼付以外ご自由にどうぞ。著作権は一応ケイトにありますので文章の無断転載等はご遠慮願います。※最近の記事は私生活が詰まりすぎて創作の余裕が欠片もなく、心の闇の吐き出しどころとなっているのでご注意くださいm(__)m
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何て美しい理想主義の極致だろう。
風景描写や漁と海女しか生業のない島、頑固な父親、父を亡くした貧しい家庭といったアイテムがどこまでも日.本的でありながら、主人公カップルの余りの純粋で透明な清らかさはいっそ一神教の教義に近い。肉体の表現の美しさも日/ 本というよりヨーロッパ的。新治の寡黙で不器用ながらどこまでもまっすぐで嘘のない心根は清教徒の在り方すら思わせる。初江の親や新治の母に対する真心も、安夫の狼藉を固くはねつけ拒んだ上で約束を守り告げ口をしない心がけも。嫉妬の余り罪を犯してしまった罪悪感から帰郷を渋る千代子の健気さ、新治が自分を美しいと言ってくれた、それだけでどうしようもない歓喜に襲われ、それ故にこそ己が困難にしてしまった彼の恋の成就を祈るとか、人間味を残しつつも天使か・・・アンタが天使か(;´д`)って正直思っちゃう。
そして若者たちを取り巻く年配の方々もまたそれぞれ味があって魅力的。理解者でありながら思いつめがちなお堅い青年を和ませ励ましてくれる新治の親方、息子たちのために必死で奮闘する母親、初めは気難しく拒絶しながらも新治に娘の婿としてふさわしい人間性が備わっているかどうか確かめるチャンスを与えた照爺、その役目を忠実に果たし、忌憚のない立場で新治を認めてくれた船長。娘の切ない想いを汲み取り、その願いを叶えるべく親族でも何でもない二人のために動いてくれた灯台長の奥さん・・・。
「外から害悪の入り込まない清浄な歌島」で「神に誠実な祈りを捧げ、労働を喜びとする青年」が当然の結果に報いられる話。何て美しいんだろう、普段の三島が放つ毒を秘めた禍々しい美とは正反対の、こういう作品も書けたのか、と川端氏の『みずうみ』読んだ時とは逆の意味で驚きました。余りの爽やかな読後感に圧倒された心持ち(゜ロ゜; 今度から落ち込んだらコレ読み返すことにするわ。(あれ神だの何だのが絡む話嫌いだったはずじゃ・・・?)あ、この一月未だに引きずって突然気持ち悪く思い出し笑いしちゃうのはとらぬ狸エピなんですけどね^^ アレも凹んだ時どんなコントより効くからぜひ皆さん読むべき!まぁ他の話がシュール過ぎてうっかりフルで読んだら鬱になること間違いなしだけどさ(´-`)

図書館トークの続きだけど、大学の頃は資料と教科書でカバンがいっぱいいっぱいでそれ以外のものを借りるというのがまず無理だったな。あと一人暮らしだったこともあり、読書の場が浴室へと移ったために(笑)ボロボロにして読むのでやっぱり購入した文庫本じゃないとダメでした(^^;親にも頼んで必死でビニールのブックカバー探したもん。その前はラップ巻いて持ち込んでた(;・ω・) 好きな入浴剤入れて音楽流しつつ時間のある時は2~3時間、お湯がぬるくなってきたらちょっと捨てて入れ替えて、しながらハイパー贅沢な癒しタイムでした・・・。うん、線に折り目ついてないのでも本を売れないのはこういう理由もあるね!大学の図書館は歴オタパラダイス過ぎて小説にまで目が回らなかった、というのもある。あと京都、ホント小さい本屋が沢山あって(^m^*) マニアックな作品に印象的なポップを付けて目立つように置いてある個性派なお店とか、先生や先輩・友人との会話を通じても流行りや有名どころだけじゃない作品に出会えたり教えてもらえたりしたのは楽しかったです。

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風景描写や漁と海女しか生業のない島、頑固な父親、父を亡くした貧しい家庭といったアイテムがどこまでも日.本的でありながら、主人公カップルの余りの純粋で透明な清らかさはいっそ一神教の教義に近い。肉体の表現の美しさも日/ 本というよりヨーロッパ的。新治の寡黙で不器用ながらどこまでもまっすぐで嘘のない心根は清教徒の在り方すら思わせる。初江の親や新治の母に対する真心も、安夫の狼藉を固くはねつけ拒んだ上で約束を守り告げ口をしない心がけも。嫉妬の余り罪を犯してしまった罪悪感から帰郷を渋る千代子の健気さ、新治が自分を美しいと言ってくれた、それだけでどうしようもない歓喜に襲われ、それ故にこそ己が困難にしてしまった彼の恋の成就を祈るとか、人間味を残しつつも天使か・・・アンタが天使か(;´д`)って正直思っちゃう。
そして若者たちを取り巻く年配の方々もまたそれぞれ味があって魅力的。理解者でありながら思いつめがちなお堅い青年を和ませ励ましてくれる新治の親方、息子たちのために必死で奮闘する母親、初めは気難しく拒絶しながらも新治に娘の婿としてふさわしい人間性が備わっているかどうか確かめるチャンスを与えた照爺、その役目を忠実に果たし、忌憚のない立場で新治を認めてくれた船長。娘の切ない想いを汲み取り、その願いを叶えるべく親族でも何でもない二人のために動いてくれた灯台長の奥さん・・・。
「外から害悪の入り込まない清浄な歌島」で「神に誠実な祈りを捧げ、労働を喜びとする青年」が当然の結果に報いられる話。何て美しいんだろう、普段の三島が放つ毒を秘めた禍々しい美とは正反対の、こういう作品も書けたのか、と川端氏の『みずうみ』読んだ時とは逆の意味で驚きました。余りの爽やかな読後感に圧倒された心持ち(゜ロ゜; 今度から落ち込んだらコレ読み返すことにするわ。(あれ神だの何だのが絡む話嫌いだったはずじゃ・・・?)あ、この一月未だに引きずって突然気持ち悪く思い出し笑いしちゃうのはとらぬ狸エピなんですけどね^^ アレも凹んだ時どんなコントより効くからぜひ皆さん読むべき!まぁ他の話がシュール過ぎてうっかりフルで読んだら鬱になること間違いなしだけどさ(´-`)

図書館トークの続きだけど、大学の頃は資料と教科書でカバンがいっぱいいっぱいでそれ以外のものを借りるというのがまず無理だったな。あと一人暮らしだったこともあり、読書の場が浴室へと移ったために(笑)ボロボロにして読むのでやっぱり購入した文庫本じゃないとダメでした(^^;親にも頼んで必死でビニールのブックカバー探したもん。その前はラップ巻いて持ち込んでた(;・ω・) 好きな入浴剤入れて音楽流しつつ時間のある時は2~3時間、お湯がぬるくなってきたらちょっと捨てて入れ替えて、しながらハイパー贅沢な癒しタイムでした・・・。うん、線に折り目ついてないのでも本を売れないのはこういう理由もあるね!大学の図書館は歴オタパラダイス過ぎて小説にまで目が回らなかった、というのもある。あと京都、ホント小さい本屋が沢山あって(^m^*) マニアックな作品に印象的なポップを付けて目立つように置いてある個性派なお店とか、先生や先輩・友人との会話を通じても流行りや有名どころだけじゃない作品に出会えたり教えてもらえたりしたのは楽しかったです。

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