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『キチガイ地獄外道祭文』の最後まで読了。(※病んだ自分語り含みます)
駄目だ、『キチガイ~』の内容が胸に沁み過ぎて冷静でいられない(;_;) あ、でも私通ってる個人診療所の先生にはこんなんされたこと一度も無いです。思い出したのは大きな病院回ってた時や、メディアに出ているような有名な先生に診てもらった時の冷たい反応というか視線。お世話になって紹介状を書いて下さったお医者さんを「ヤブ」呼ばわりされたり、いかにもメンタル弱い奴の相手はしたくないという、「どうせ精神的な症状なのに親まで振り回して恥ずかしいと思わないの?」的な説教を食らったこともあった。そりゃ毎日必死で命を繋いでいる患者さんばかり診ている方々なら、健康に生きていける肉体なのに心の問題としか判別できないようなことで貴重な時間取らせんな、という気持ちになるのは分かります。でも、あのあからさまな「見下される」軽蔑の眼差しを繰り返し浴びなければならない日々は辛かった。だって鬱が腰に来て立てなくなるとか、物が食べられなくなったらとりあえず内科に行くし、検査して腫瘍と見た目が変わってしまう事実が明らかになったら治療したいと思うでしょうが正直@一応まだ若かったんだし(-_-;) 実際取ってからはマジで視力の低下が止まったしな・・・「開けたらかなり視神経と癒着してて時間かかっちゃいましたー(´∀`;)」って言ったの誰の弟子だよ!?ストレッチャーで運ばれてる最中に目ぇ醒ますくらいの時間かかったんだぞ?今頃片目見えなくなってたら資格欄に書くものゼロになってたというか、完全障害者枠で行くしかなかったっての。(・・・と、医者へのグチはこのくらいにして)
正木博士の研究室で、師ではなく実は同輩だった若林博士の口から、いかに彼が非凡な天才かつ変わり者であったかということが明らかにされる。自分自身もキチガ○の実験体に過ぎないかも、と自覚しているところには好感が持てるな(笑)その熱心な崇拝ぶりと主導権の握りっぷりに、科学的方法によって自分を取り囲み、彼の望む方向に主人公の心理を誘導しようとする若林博士の確信の底深さ、計画の冷静さと周到さに恐れ慄く主人公。「何という恥かしい……恐ろしい……不可解な運命」(つД`) 研究室に陳列された「あんまりミジメな、痛々しいものばかり」の精神病患者の作品群の中から、遂に『ドグラ・マグラ』を見つけ出す主人公。それに関する若林博士の説明の「精神病者の文章は理屈ばったものが多い」って大いに思い当たる節が(以下略)サーセン!『ドグラ・マグラ』の内容と作者について博士が語る部分は丸っきり劇中劇、入れ子細工を見ているようで面白いですね^^ 昨日毒づいた裏表紙のコピーもこっから来てんのか。夢野氏が読む人に“そう感じてもらいたかった”という願望なんだな、辛辣な言い方をすれば。方言や当て字のくだりは無知だったから素直に興味深かった。で、この博士の解説から大体作品の流れや結末も見えてしまう感じ?だとしたらちょっと残念(;・ω・) 自分が“狂人ではない”気分に立っている主人公は「どうせキチガイの書いたものなら結局無意味なものに決まっている」と熱心な薦めを退け、「現在の私が直面しているドグラ・マグラだけでもたくさんなのに、他人のドグラ・マグラまで背負い込まされて、この上にヘンテコな気持ちにでもなっては大変」とそれを忘れてしまうことに決める。
その後も他の陳列棚を眺め続けるが、展示物の中に含まれている「精神病者特有のアカラサマな意思や感情が、一つ一つにヒシヒシと私の神経に迫って来て、一種、形容のできない痛々しい、心苦しい気持ちになっただけ」で記憶の手がかりは掴めずに終わる。正木博士のコレクションの中の中世の精神病者の火刑の絵に、「精神病という捉えどころのない病気には用いる薬がありませんので、むしろ徹底した治療法と言うべきでしょう」と言う若林博士の言葉には思わず頷いてしまった(^^;だって早く楽になりたいもん。「今の世の中に生まれた狂人は幸福ですね」と言う主人公に「必ずしもそうでないのです。あるいはひと思いに焚き殺された昔の精神病者の方が幸福であったかも知れません」と答える博士の言葉が証明してね?(´Д`) まぁそういう意味じゃないのは正木博士の残した文書読めば分かるけどさ。20C初頭、世界各地で当たり前だった「残酷非道な精神病者の取扱い方、公然の秘密」に憤慨して生涯を精神病の研究に捧げ、師である斎藤教授の指導・援助の下にその目的を達成した正木博士の偉大さ。「焚き殺す以上の残虐が、世界中到るところの精神病院で堂々と行われている」ことが「厳然たる事実に相違ない」と力説する若林博士。けれど「憐れな狂人の大衆」を救うための壮大な『狂人解放』治療の実験のために、正木博士はまさに主人公が生まれたころと思われる二十年以上も前から恐ろしい苦心と努力をしてきており、その集大成として見込まれたのが自分と許嫁の少女だと聞かされた時の主人公の狼狽は察するに余りある(ノ_・,)「正木先生はあなたがお生まれにならないズット以前から、あなたの今日あることを予期しておられた」って重すぎんだよ一々!「余りの気味悪さと不思議さに息苦しくなって」全く当然だね!人を実験材料扱いしてんじゃねーっつの^^#ビキビキ
あ、でも正木先生が学生時代にぶった演説『学生、学者たるものの第一番の罪悪は、学士になるか博士になるかすると、それっきり忘れたように学術の研究をやめてしまうことである。これは日本の学界の一大弊害と思う』ってのは心底同意。今でもバリッバリに残ってますなー、こういう風潮((-_-)ウンウン 全入時代の今は更に輪をかけ、日/本の学生にとって大学は入ったら遊ぶトコ扱いだしさあ。だから早く社会に出て資格もいっぱい取って世間的な処世術バッチリ身に付けられる専門系の学校に高校から進んだ子たち尊敬する。偏差値や学歴なんか有能さや人間としての出来に全く関係ないと思う。妹の彼氏や、高校出た時から一切親に迷惑かけずに苦労してでも自分で色々経験したり挑戦してる友人見てても本当に感じる。『今の人間はみんな西洋崇拝で、一人残らず唯物科学の中毒に罹っている』だの唯物科学万能主義の罵倒のくだりは時代的なこと考えてもドストエフスキーさんと大いにウマが合うんじゃないかな?(ノ∀`) こういう方面のヒネクレっぷりや冷静な指摘ってロ○アと日.本結構近いよね。ヨーロッパ派生の若い国アメ○カには絶対できない、というか『外道祭文』中の「ホントウ国」がどう見てもアメリ○モデルの資本主義批判だしな。ヨーロッパはあそこまでアカラサマじゃない(笑)イギ○スは拝金アング○の元締めだから、金が物言う価値観を形作ったのはあそこだけどさ。金<階級という側面が強い観があるので、どっちかと言うとアメ○カかな、って。
けど正木先生が待ちかねた『一人のスバラシイ精神病患者』、『自分の発病の原因と、その精神異常が回復して来た経過とを、自分自身に詳細に記録発表して全世界の学者を驚倒させると同時に、今日まで人類が総がかりで作り上げてきた宗教、道徳、芸術、法律、科学なぞいうのはもちろんのこと、自然主義、虚無主義、無政府主義、その他のアラユル唯物的な文化思想を粉微塵に踏み潰して、その代りに人間の魂をドン底まで赤裸々に解放した、痛快この上なしの精神文化をこの地上にタタキ出すべく、そのキチガイが騒ぎ始めるのです。その騒ぎが成功した暁には、精神科学がこの地上における最高の学問となって来るのです。』そのキチガ○が自分かー!って主人公の背負わされた重荷(^ω^;) しかも「正木先生が自分自身でそのような精神病者を作り出して、学会を驚かそうと計画しておられた」だと?故意にハメられたのか主人公と少女は?犯人正木先生かよ!?マジ最低だな(´Д`;) 彼の卒業論文『胎児の夢』を庇う斎藤教授の論理も屁理屈極まりないとしか思えない。「母親の腹の中の胎児が見ているのは先祖が生存競争を生き残るために重ねてきた数々の悪業の大悪夢」とかイキナリ体裁も整わない書式で出されたらそりゃ旧帝第一期の卒業生として認められんわ。「推測に過ぎない、証明できないから学術でないと言えようか」って文化人類学や考古学持ち出してますけど、一応それらはモノがあって、使った形跡や先住民の証言や伝承や習俗が存在した上で学問として成り立ってるもんですからね?荒唐無稽な精神論と一緒にしないでくれないか^^ニッコニコニコ
結局主席で大学を卒業できた変わり者正木先生は各国放浪の挙句知った「現代文化の裏面に横たわる戦慄すべき『狂人の暗黒時代』」を例の祭文歌として全国に広めようとするも、「あまりに露骨な事実の摘発で、考えようによっては非常識なものに見えたためか、真剣になって共鳴する者がおらず、とうとう世間から黙殺されてしまった」「その祭文歌中に摘発してある精神病院の精神病者に対する虐待の事実なぞが、一般社会に重大視されることになると、現代の精神病院は一つ残らず破毀されて、世界中に精神異常者の氾濫が起こるかも知れない事実が想像され得るのだが、正木先生はさような結果なぞは少しも問題にしておられなかった」ってどこぞの弱者様しか見えてない方々みたいやなー(笑)物事は両側から見ないと“最小不幸社会”()なんか創れまへんで(´∀`)b「正木先生の後半の御生涯は、その一挙手一投足までも、あなたを中心として動いておられたものとしか考えられない」ってだーかーら重いって!重すぎるって「夢中遊行」状態から覚醒したばかりの記憶喪失の青年にさぁ!><
つか斎藤先生の死に様・・・自殺?それとも正木(以下略)そしてこの因縁、人為か天意かさえも主人公の記憶の回復が関わってくんのか(゜Д゜;) で、主人公を使った「前代未聞の解放治療の大実験に悪戦苦闘した結果、どうしても自殺せねばならぬはめに陥った」正木先生。その原因は主人公と少女の回復という治療の完成が「ある思いもかけぬ悲劇的な出来事」のために行き詰まりになったから。「それがはたして正木先生の過失に属するものであったかどうかというようなことは、誰一人、知っている者はいなかった」にも関わらず。とにかく彼は「その責任の全部を負われて、人間界を去られた」彼に実験材料とされた己が正木先生を呪ったのでは、と畏怖する主人公に「正木先生は、当然あなたから詛われるのを覚悟されて、この研究に着手されたのです。正木先生は、そうした結果になるように二十年前から覚悟をきめて、仕事を運んで来られたのです。御自身に発見された曠古の大学理の実験と、あなたの御運命とを完全に一致させるべく、動かすべからざる計画を立てて、その研究を進めて来られたのです」あー、学者って本当キ○ガイ(´Д`;) しかもこういう志高い系の連中って大なる目的のためには小の犠牲は仕方ない、と平気で考えてるから性質悪い。自分のしてることが崇高だって妄信しちゃってるから。そういう人種は社会の進歩のために必要だってことは解るけど、現実ではできる限り関わりたくないですね。身内にイデオロギーこじらせて自分も身内も犠牲にしまくってるのがいるだけに。自分や家族も幸せにできなくて何が理想だよふざけんな、弱者の味方とか言ってる連中がアンタが弱ってる時に何をしてくれたって?便利な道具扱いされてむしるだけむしったら知らんぷりじゃん。ホント滅んでほしいK産党つーか日/本の左.翼。農協や医師会やゼネコンにちゃんと見返りもたらすだけ、まだJ民の方がマシなんじゃん?(爆笑)
そしてここからいよいよ正木先生の遺された文書集にo(゜∀゜*)wktk 祭文歌は読んでて余りに胸に痛すぎた件を初っ端に書いたから細かい内容は飛ばすとして、次の『この地球表面上に生息している人間の一人として精神異常者でないものはない』という精神病理学の根本原理がスゲー気になりました。「みんな皮被ってて、おまえは誰よりそれを自覚してるだけ」という叔父の言葉を思い出した(´・ω・`)『脳髄』の真実の機能をドン底まで明らかにすると同時に、従来の化学が絶対に解決できなかった精神病その他に関する機会減少を一つ残らず、やすやすと解決した大論文『脳髄論』も気になるけどね。ホームズかよ!とここでも時代的にウチでも一大探偵小説ブームが巻き起こってたんだなぁ、って事実に改めて感慨を覚えるね☆その『脳髄論』の逆定理、心理の集積がどうして胎児に伝わるかという『心理遺伝』の内容が記された『胎児の夢』、そして遺言書としての『解放治療の実験の結果報告』。あーヤベ、公房さんの「とらぬ狸」の原点はここにあったのか、って感じさせられちゃうなぁ、研究室の陳列物とか振り返ると。
精神病は絶対に完治しない病気、という自分の信念?(というより実感?)も祭文歌含め何回も語られてるし(´-`) ホント身内はキツイで、まだ現代はネットがあって本も手に入りやすく、付き合ってくれる友人がいてくれたおかげで私は何とかこのくらいで済んでるけど。当時は環境的にそういう状況に陥った人間の逃げ場は限られただろうし、そうなると症状は悪化する一方、近所付き合いも密だったり階級制が残っていたりと社会的な縛りも厳しかっただろうし、人目にさらすのが恥ずかしい面倒なのが身近にいたら、どんな場所にでもぶっこみたくなるだろうな、と正直言って理解できる。まぁ精神疾患って正体がわからない病気の概念が「科学」によってもたらされたおかげで生まれた新しい「地獄」、邪魔な人間の残酷な片付け方や本当に憐れな精神病者が辿る末路、金が物を言う社会への風刺、更にこの時代の知識層・文学界をも席巻していた西洋思想への批判なんかも綴られているから、久作とこの作品が異端扱いされた理由もよく解ります。
九州人らしい郷土愛・愛国主義的な姿勢も感じられるしね(^^;そういうのバカらしい、って否定したり飛び出した故郷への愛憎に葛藤してナンボという部分があったじゃん、ウチの文壇って昔から・・・。(良い悪い言ってんじゃなくて傾向的に)素直にさらけ出したりお国言葉で小説書いたりしちゃいかんのよ、特に寒い地方のコンプレックスったらねぇな!と東北生まれ育ちで関西で九州人と接してマジ驚いたね(@o@;) 方言が方言である自覚がないとか、東海以南もザラにいたし。東北の子は必死で直そう、あるいは周りに合わせようと努力するんですよ。田舎者だって自覚があるから。私は物心がつくまで転勤族が多い所で過ごし、両親も地元出身じゃないので共通語使用で方言を身に付けることなく育ってしまったのが残念ですが(・・;) 朝敵認定、厳しい気候、かつての負け組と新たな都落ち組の行き着く先だった土地柄、訛りは方々で田舎者のテンプレートであるかのようによくネタにされ、北海道や沖縄のようなちょっとワクワクする観光地でもなく、物凄く遠い僻地のような扱いをされる。まぁ九州~関東までの気候の穏やかさや交通の便利さ考えると実際確かにそうなんだけどね(苦笑)だから妙に歪んだ芸術家は北国から出るんですよ、こんなストレートじゃねぇの。でも臆病で常に他者の目線を気にしてるから万人に取っ掛かりはするわけ。自由に迸る情熱という意味では久作の方が上でもな!オット、青森・福島回って熊本の震災対応にイラついてるせいかウッカリ地域比較コンプ炸裂してしまった。九州の方サーセン!行ったことないけど出身の友達はみんな面白くて好きです(^∀^)b
正木博士の研究室で、師ではなく実は同輩だった若林博士の口から、いかに彼が非凡な天才かつ変わり者であったかということが明らかにされる。自分自身もキチガ○の実験体に過ぎないかも、と自覚しているところには好感が持てるな(笑)その熱心な崇拝ぶりと主導権の握りっぷりに、科学的方法によって自分を取り囲み、彼の望む方向に主人公の心理を誘導しようとする若林博士の確信の底深さ、計画の冷静さと周到さに恐れ慄く主人公。「何という恥かしい……恐ろしい……不可解な運命」(つД`) 研究室に陳列された「あんまりミジメな、痛々しいものばかり」の精神病患者の作品群の中から、遂に『ドグラ・マグラ』を見つけ出す主人公。それに関する若林博士の説明の「精神病者の文章は理屈ばったものが多い」って大いに思い当たる節が(以下略)サーセン!『ドグラ・マグラ』の内容と作者について博士が語る部分は丸っきり劇中劇、入れ子細工を見ているようで面白いですね^^ 昨日毒づいた裏表紙のコピーもこっから来てんのか。夢野氏が読む人に“そう感じてもらいたかった”という願望なんだな、辛辣な言い方をすれば。方言や当て字のくだりは無知だったから素直に興味深かった。で、この博士の解説から大体作品の流れや結末も見えてしまう感じ?だとしたらちょっと残念(;・ω・) 自分が“狂人ではない”気分に立っている主人公は「どうせキチガイの書いたものなら結局無意味なものに決まっている」と熱心な薦めを退け、「現在の私が直面しているドグラ・マグラだけでもたくさんなのに、他人のドグラ・マグラまで背負い込まされて、この上にヘンテコな気持ちにでもなっては大変」とそれを忘れてしまうことに決める。
その後も他の陳列棚を眺め続けるが、展示物の中に含まれている「精神病者特有のアカラサマな意思や感情が、一つ一つにヒシヒシと私の神経に迫って来て、一種、形容のできない痛々しい、心苦しい気持ちになっただけ」で記憶の手がかりは掴めずに終わる。正木博士のコレクションの中の中世の精神病者の火刑の絵に、「精神病という捉えどころのない病気には用いる薬がありませんので、むしろ徹底した治療法と言うべきでしょう」と言う若林博士の言葉には思わず頷いてしまった(^^;だって早く楽になりたいもん。「今の世の中に生まれた狂人は幸福ですね」と言う主人公に「必ずしもそうでないのです。あるいはひと思いに焚き殺された昔の精神病者の方が幸福であったかも知れません」と答える博士の言葉が証明してね?(´Д`) まぁそういう意味じゃないのは正木博士の残した文書読めば分かるけどさ。20C初頭、世界各地で当たり前だった「残酷非道な精神病者の取扱い方、公然の秘密」に憤慨して生涯を精神病の研究に捧げ、師である斎藤教授の指導・援助の下にその目的を達成した正木博士の偉大さ。「焚き殺す以上の残虐が、世界中到るところの精神病院で堂々と行われている」ことが「厳然たる事実に相違ない」と力説する若林博士。けれど「憐れな狂人の大衆」を救うための壮大な『狂人解放』治療の実験のために、正木博士はまさに主人公が生まれたころと思われる二十年以上も前から恐ろしい苦心と努力をしてきており、その集大成として見込まれたのが自分と許嫁の少女だと聞かされた時の主人公の狼狽は察するに余りある(ノ_・,)「正木先生はあなたがお生まれにならないズット以前から、あなたの今日あることを予期しておられた」って重すぎんだよ一々!「余りの気味悪さと不思議さに息苦しくなって」全く当然だね!人を実験材料扱いしてんじゃねーっつの^^#ビキビキ
あ、でも正木先生が学生時代にぶった演説『学生、学者たるものの第一番の罪悪は、学士になるか博士になるかすると、それっきり忘れたように学術の研究をやめてしまうことである。これは日本の学界の一大弊害と思う』ってのは心底同意。今でもバリッバリに残ってますなー、こういう風潮((-_-)ウンウン 全入時代の今は更に輪をかけ、日/本の学生にとって大学は入ったら遊ぶトコ扱いだしさあ。だから早く社会に出て資格もいっぱい取って世間的な処世術バッチリ身に付けられる専門系の学校に高校から進んだ子たち尊敬する。偏差値や学歴なんか有能さや人間としての出来に全く関係ないと思う。妹の彼氏や、高校出た時から一切親に迷惑かけずに苦労してでも自分で色々経験したり挑戦してる友人見てても本当に感じる。『今の人間はみんな西洋崇拝で、一人残らず唯物科学の中毒に罹っている』だの唯物科学万能主義の罵倒のくだりは時代的なこと考えてもドストエフスキーさんと大いにウマが合うんじゃないかな?(ノ∀`) こういう方面のヒネクレっぷりや冷静な指摘ってロ○アと日.本結構近いよね。ヨーロッパ派生の若い国アメ○カには絶対できない、というか『外道祭文』中の「ホントウ国」がどう見てもアメリ○モデルの資本主義批判だしな。ヨーロッパはあそこまでアカラサマじゃない(笑)イギ○スは拝金アング○の元締めだから、金が物言う価値観を形作ったのはあそこだけどさ。金<階級という側面が強い観があるので、どっちかと言うとアメ○カかな、って。
けど正木先生が待ちかねた『一人のスバラシイ精神病患者』、『自分の発病の原因と、その精神異常が回復して来た経過とを、自分自身に詳細に記録発表して全世界の学者を驚倒させると同時に、今日まで人類が総がかりで作り上げてきた宗教、道徳、芸術、法律、科学なぞいうのはもちろんのこと、自然主義、虚無主義、無政府主義、その他のアラユル唯物的な文化思想を粉微塵に踏み潰して、その代りに人間の魂をドン底まで赤裸々に解放した、痛快この上なしの精神文化をこの地上にタタキ出すべく、そのキチガイが騒ぎ始めるのです。その騒ぎが成功した暁には、精神科学がこの地上における最高の学問となって来るのです。』そのキチガ○が自分かー!って主人公の背負わされた重荷(^ω^;) しかも「正木先生が自分自身でそのような精神病者を作り出して、学会を驚かそうと計画しておられた」だと?故意にハメられたのか主人公と少女は?犯人正木先生かよ!?マジ最低だな(´Д`;) 彼の卒業論文『胎児の夢』を庇う斎藤教授の論理も屁理屈極まりないとしか思えない。「母親の腹の中の胎児が見ているのは先祖が生存競争を生き残るために重ねてきた数々の悪業の大悪夢」とかイキナリ体裁も整わない書式で出されたらそりゃ旧帝第一期の卒業生として認められんわ。「推測に過ぎない、証明できないから学術でないと言えようか」って文化人類学や考古学持ち出してますけど、一応それらはモノがあって、使った形跡や先住民の証言や伝承や習俗が存在した上で学問として成り立ってるもんですからね?荒唐無稽な精神論と一緒にしないでくれないか^^ニッコニコニコ
結局主席で大学を卒業できた変わり者正木先生は各国放浪の挙句知った「現代文化の裏面に横たわる戦慄すべき『狂人の暗黒時代』」を例の祭文歌として全国に広めようとするも、「あまりに露骨な事実の摘発で、考えようによっては非常識なものに見えたためか、真剣になって共鳴する者がおらず、とうとう世間から黙殺されてしまった」「その祭文歌中に摘発してある精神病院の精神病者に対する虐待の事実なぞが、一般社会に重大視されることになると、現代の精神病院は一つ残らず破毀されて、世界中に精神異常者の氾濫が起こるかも知れない事実が想像され得るのだが、正木先生はさような結果なぞは少しも問題にしておられなかった」ってどこぞの弱者様しか見えてない方々みたいやなー(笑)物事は両側から見ないと“最小不幸社会”()なんか創れまへんで(´∀`)b「正木先生の後半の御生涯は、その一挙手一投足までも、あなたを中心として動いておられたものとしか考えられない」ってだーかーら重いって!重すぎるって「夢中遊行」状態から覚醒したばかりの記憶喪失の青年にさぁ!><
つか斎藤先生の死に様・・・自殺?それとも正木(以下略)そしてこの因縁、人為か天意かさえも主人公の記憶の回復が関わってくんのか(゜Д゜;) で、主人公を使った「前代未聞の解放治療の大実験に悪戦苦闘した結果、どうしても自殺せねばならぬはめに陥った」正木先生。その原因は主人公と少女の回復という治療の完成が「ある思いもかけぬ悲劇的な出来事」のために行き詰まりになったから。「それがはたして正木先生の過失に属するものであったかどうかというようなことは、誰一人、知っている者はいなかった」にも関わらず。とにかく彼は「その責任の全部を負われて、人間界を去られた」彼に実験材料とされた己が正木先生を呪ったのでは、と畏怖する主人公に「正木先生は、当然あなたから詛われるのを覚悟されて、この研究に着手されたのです。正木先生は、そうした結果になるように二十年前から覚悟をきめて、仕事を運んで来られたのです。御自身に発見された曠古の大学理の実験と、あなたの御運命とを完全に一致させるべく、動かすべからざる計画を立てて、その研究を進めて来られたのです」あー、学者って本当キ○ガイ(´Д`;) しかもこういう志高い系の連中って大なる目的のためには小の犠牲は仕方ない、と平気で考えてるから性質悪い。自分のしてることが崇高だって妄信しちゃってるから。そういう人種は社会の進歩のために必要だってことは解るけど、現実ではできる限り関わりたくないですね。身内にイデオロギーこじらせて自分も身内も犠牲にしまくってるのがいるだけに。自分や家族も幸せにできなくて何が理想だよふざけんな、弱者の味方とか言ってる連中がアンタが弱ってる時に何をしてくれたって?便利な道具扱いされてむしるだけむしったら知らんぷりじゃん。ホント滅んでほしいK産党つーか日/本の左.翼。農協や医師会やゼネコンにちゃんと見返りもたらすだけ、まだJ民の方がマシなんじゃん?(爆笑)
そしてここからいよいよ正木先生の遺された文書集にo(゜∀゜*)wktk 祭文歌は読んでて余りに胸に痛すぎた件を初っ端に書いたから細かい内容は飛ばすとして、次の『この地球表面上に生息している人間の一人として精神異常者でないものはない』という精神病理学の根本原理がスゲー気になりました。「みんな皮被ってて、おまえは誰よりそれを自覚してるだけ」という叔父の言葉を思い出した(´・ω・`)『脳髄』の真実の機能をドン底まで明らかにすると同時に、従来の化学が絶対に解決できなかった精神病その他に関する機会減少を一つ残らず、やすやすと解決した大論文『脳髄論』も気になるけどね。ホームズかよ!とここでも時代的にウチでも一大探偵小説ブームが巻き起こってたんだなぁ、って事実に改めて感慨を覚えるね☆その『脳髄論』の逆定理、心理の集積がどうして胎児に伝わるかという『心理遺伝』の内容が記された『胎児の夢』、そして遺言書としての『解放治療の実験の結果報告』。あーヤベ、公房さんの「とらぬ狸」の原点はここにあったのか、って感じさせられちゃうなぁ、研究室の陳列物とか振り返ると。
精神病は絶対に完治しない病気、という自分の信念?(というより実感?)も祭文歌含め何回も語られてるし(´-`) ホント身内はキツイで、まだ現代はネットがあって本も手に入りやすく、付き合ってくれる友人がいてくれたおかげで私は何とかこのくらいで済んでるけど。当時は環境的にそういう状況に陥った人間の逃げ場は限られただろうし、そうなると症状は悪化する一方、近所付き合いも密だったり階級制が残っていたりと社会的な縛りも厳しかっただろうし、人目にさらすのが恥ずかしい面倒なのが身近にいたら、どんな場所にでもぶっこみたくなるだろうな、と正直言って理解できる。まぁ精神疾患って正体がわからない病気の概念が「科学」によってもたらされたおかげで生まれた新しい「地獄」、邪魔な人間の残酷な片付け方や本当に憐れな精神病者が辿る末路、金が物を言う社会への風刺、更にこの時代の知識層・文学界をも席巻していた西洋思想への批判なんかも綴られているから、久作とこの作品が異端扱いされた理由もよく解ります。
九州人らしい郷土愛・愛国主義的な姿勢も感じられるしね(^^;そういうのバカらしい、って否定したり飛び出した故郷への愛憎に葛藤してナンボという部分があったじゃん、ウチの文壇って昔から・・・。(良い悪い言ってんじゃなくて傾向的に)素直にさらけ出したりお国言葉で小説書いたりしちゃいかんのよ、特に寒い地方のコンプレックスったらねぇな!と東北生まれ育ちで関西で九州人と接してマジ驚いたね(@o@;) 方言が方言である自覚がないとか、東海以南もザラにいたし。東北の子は必死で直そう、あるいは周りに合わせようと努力するんですよ。田舎者だって自覚があるから。私は物心がつくまで転勤族が多い所で過ごし、両親も地元出身じゃないので共通語使用で方言を身に付けることなく育ってしまったのが残念ですが(・・;) 朝敵認定、厳しい気候、かつての負け組と新たな都落ち組の行き着く先だった土地柄、訛りは方々で田舎者のテンプレートであるかのようによくネタにされ、北海道や沖縄のようなちょっとワクワクする観光地でもなく、物凄く遠い僻地のような扱いをされる。まぁ九州~関東までの気候の穏やかさや交通の便利さ考えると実際確かにそうなんだけどね(苦笑)だから妙に歪んだ芸術家は北国から出るんですよ、こんなストレートじゃねぇの。でも臆病で常に他者の目線を気にしてるから万人に取っ掛かりはするわけ。自由に迸る情熱という意味では久作の方が上でもな!オット、青森・福島回って熊本の震災対応にイラついてるせいかウッカリ地域比較コンプ炸裂してしまった。九州の方サーセン!行ったことないけど出身の友達はみんな面白くて好きです(^∀^)b
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正木博士の研究室で、師ではなく実は同輩だった若林博士の口から、いかに彼が非凡な天才かつ変わり者であったかということが明らかにされる。自分自身もキチガ○の実験体に過ぎないかも、と自覚しているところには好感が持てるな(笑)その熱心な崇拝ぶりと主導権の握りっぷりに、科学的方法によって自分を取り囲み、彼の望む方向に主人公の心理を誘導しようとする若林博士の確信の底深さ、計画の冷静さと周到さに恐れ慄く主人公。「何という恥かしい……恐ろしい……不可解な運命」(つД`) 研究室に陳列された「あんまりミジメな、痛々しいものばかり」の精神病患者の作品群の中から、遂に『ドグラ・マグラ』を見つけ出す主人公。それに関する若林博士の説明の「精神病者の文章は理屈ばったものが多い」って大いに思い当たる節が(以下略)サーセン!『ドグラ・マグラ』の内容と作者について博士が語る部分は丸っきり劇中劇、入れ子細工を見ているようで面白いですね^^ 昨日毒づいた裏表紙のコピーもこっから来てんのか。夢野氏が読む人に“そう感じてもらいたかった”という願望なんだな、辛辣な言い方をすれば。方言や当て字のくだりは無知だったから素直に興味深かった。で、この博士の解説から大体作品の流れや結末も見えてしまう感じ?だとしたらちょっと残念(;・ω・) 自分が“狂人ではない”気分に立っている主人公は「どうせキチガイの書いたものなら結局無意味なものに決まっている」と熱心な薦めを退け、「現在の私が直面しているドグラ・マグラだけでもたくさんなのに、他人のドグラ・マグラまで背負い込まされて、この上にヘンテコな気持ちにでもなっては大変」とそれを忘れてしまうことに決める。
その後も他の陳列棚を眺め続けるが、展示物の中に含まれている「精神病者特有のアカラサマな意思や感情が、一つ一つにヒシヒシと私の神経に迫って来て、一種、形容のできない痛々しい、心苦しい気持ちになっただけ」で記憶の手がかりは掴めずに終わる。正木博士のコレクションの中の中世の精神病者の火刑の絵に、「精神病という捉えどころのない病気には用いる薬がありませんので、むしろ徹底した治療法と言うべきでしょう」と言う若林博士の言葉には思わず頷いてしまった(^^;だって早く楽になりたいもん。「今の世の中に生まれた狂人は幸福ですね」と言う主人公に「必ずしもそうでないのです。あるいはひと思いに焚き殺された昔の精神病者の方が幸福であったかも知れません」と答える博士の言葉が証明してね?(´Д`) まぁそういう意味じゃないのは正木博士の残した文書読めば分かるけどさ。20C初頭、世界各地で当たり前だった「残酷非道な精神病者の取扱い方、公然の秘密」に憤慨して生涯を精神病の研究に捧げ、師である斎藤教授の指導・援助の下にその目的を達成した正木博士の偉大さ。「焚き殺す以上の残虐が、世界中到るところの精神病院で堂々と行われている」ことが「厳然たる事実に相違ない」と力説する若林博士。けれど「憐れな狂人の大衆」を救うための壮大な『狂人解放』治療の実験のために、正木博士はまさに主人公が生まれたころと思われる二十年以上も前から恐ろしい苦心と努力をしてきており、その集大成として見込まれたのが自分と許嫁の少女だと聞かされた時の主人公の狼狽は察するに余りある(ノ_・,)「正木先生はあなたがお生まれにならないズット以前から、あなたの今日あることを予期しておられた」って重すぎんだよ一々!「余りの気味悪さと不思議さに息苦しくなって」全く当然だね!人を実験材料扱いしてんじゃねーっつの^^#ビキビキ
あ、でも正木先生が学生時代にぶった演説『学生、学者たるものの第一番の罪悪は、学士になるか博士になるかすると、それっきり忘れたように学術の研究をやめてしまうことである。これは日本の学界の一大弊害と思う』ってのは心底同意。今でもバリッバリに残ってますなー、こういう風潮((-_-)ウンウン 全入時代の今は更に輪をかけ、日/本の学生にとって大学は入ったら遊ぶトコ扱いだしさあ。だから早く社会に出て資格もいっぱい取って世間的な処世術バッチリ身に付けられる専門系の学校に高校から進んだ子たち尊敬する。偏差値や学歴なんか有能さや人間としての出来に全く関係ないと思う。妹の彼氏や、高校出た時から一切親に迷惑かけずに苦労してでも自分で色々経験したり挑戦してる友人見てても本当に感じる。『今の人間はみんな西洋崇拝で、一人残らず唯物科学の中毒に罹っている』だの唯物科学万能主義の罵倒のくだりは時代的なこと考えてもドストエフスキーさんと大いにウマが合うんじゃないかな?(ノ∀`) こういう方面のヒネクレっぷりや冷静な指摘ってロ○アと日.本結構近いよね。ヨーロッパ派生の若い国アメ○カには絶対できない、というか『外道祭文』中の「ホントウ国」がどう見てもアメリ○モデルの資本主義批判だしな。ヨーロッパはあそこまでアカラサマじゃない(笑)イギ○スは拝金アング○の元締めだから、金が物言う価値観を形作ったのはあそこだけどさ。金<階級という側面が強い観があるので、どっちかと言うとアメ○カかな、って。
けど正木先生が待ちかねた『一人のスバラシイ精神病患者』、『自分の発病の原因と、その精神異常が回復して来た経過とを、自分自身に詳細に記録発表して全世界の学者を驚倒させると同時に、今日まで人類が総がかりで作り上げてきた宗教、道徳、芸術、法律、科学なぞいうのはもちろんのこと、自然主義、虚無主義、無政府主義、その他のアラユル唯物的な文化思想を粉微塵に踏み潰して、その代りに人間の魂をドン底まで赤裸々に解放した、痛快この上なしの精神文化をこの地上にタタキ出すべく、そのキチガイが騒ぎ始めるのです。その騒ぎが成功した暁には、精神科学がこの地上における最高の学問となって来るのです。』そのキチガ○が自分かー!って主人公の背負わされた重荷(^ω^;) しかも「正木先生が自分自身でそのような精神病者を作り出して、学会を驚かそうと計画しておられた」だと?故意にハメられたのか主人公と少女は?犯人正木先生かよ!?マジ最低だな(´Д`;) 彼の卒業論文『胎児の夢』を庇う斎藤教授の論理も屁理屈極まりないとしか思えない。「母親の腹の中の胎児が見ているのは先祖が生存競争を生き残るために重ねてきた数々の悪業の大悪夢」とかイキナリ体裁も整わない書式で出されたらそりゃ旧帝第一期の卒業生として認められんわ。「推測に過ぎない、証明できないから学術でないと言えようか」って文化人類学や考古学持ち出してますけど、一応それらはモノがあって、使った形跡や先住民の証言や伝承や習俗が存在した上で学問として成り立ってるもんですからね?荒唐無稽な精神論と一緒にしないでくれないか^^ニッコニコニコ
結局主席で大学を卒業できた変わり者正木先生は各国放浪の挙句知った「現代文化の裏面に横たわる戦慄すべき『狂人の暗黒時代』」を例の祭文歌として全国に広めようとするも、「あまりに露骨な事実の摘発で、考えようによっては非常識なものに見えたためか、真剣になって共鳴する者がおらず、とうとう世間から黙殺されてしまった」「その祭文歌中に摘発してある精神病院の精神病者に対する虐待の事実なぞが、一般社会に重大視されることになると、現代の精神病院は一つ残らず破毀されて、世界中に精神異常者の氾濫が起こるかも知れない事実が想像され得るのだが、正木先生はさような結果なぞは少しも問題にしておられなかった」ってどこぞの弱者様しか見えてない方々みたいやなー(笑)物事は両側から見ないと“最小不幸社会”()なんか創れまへんで(´∀`)b「正木先生の後半の御生涯は、その一挙手一投足までも、あなたを中心として動いておられたものとしか考えられない」ってだーかーら重いって!重すぎるって「夢中遊行」状態から覚醒したばかりの記憶喪失の青年にさぁ!><
つか斎藤先生の死に様・・・自殺?それとも正木(以下略)そしてこの因縁、人為か天意かさえも主人公の記憶の回復が関わってくんのか(゜Д゜;) で、主人公を使った「前代未聞の解放治療の大実験に悪戦苦闘した結果、どうしても自殺せねばならぬはめに陥った」正木先生。その原因は主人公と少女の回復という治療の完成が「ある思いもかけぬ悲劇的な出来事」のために行き詰まりになったから。「それがはたして正木先生の過失に属するものであったかどうかというようなことは、誰一人、知っている者はいなかった」にも関わらず。とにかく彼は「その責任の全部を負われて、人間界を去られた」彼に実験材料とされた己が正木先生を呪ったのでは、と畏怖する主人公に「正木先生は、当然あなたから詛われるのを覚悟されて、この研究に着手されたのです。正木先生は、そうした結果になるように二十年前から覚悟をきめて、仕事を運んで来られたのです。御自身に発見された曠古の大学理の実験と、あなたの御運命とを完全に一致させるべく、動かすべからざる計画を立てて、その研究を進めて来られたのです」あー、学者って本当キ○ガイ(´Д`;) しかもこういう志高い系の連中って大なる目的のためには小の犠牲は仕方ない、と平気で考えてるから性質悪い。自分のしてることが崇高だって妄信しちゃってるから。そういう人種は社会の進歩のために必要だってことは解るけど、現実ではできる限り関わりたくないですね。身内にイデオロギーこじらせて自分も身内も犠牲にしまくってるのがいるだけに。自分や家族も幸せにできなくて何が理想だよふざけんな、弱者の味方とか言ってる連中がアンタが弱ってる時に何をしてくれたって?便利な道具扱いされてむしるだけむしったら知らんぷりじゃん。ホント滅んでほしいK産党つーか日/本の左.翼。農協や医師会やゼネコンにちゃんと見返りもたらすだけ、まだJ民の方がマシなんじゃん?(爆笑)
そしてここからいよいよ正木先生の遺された文書集にo(゜∀゜*)wktk 祭文歌は読んでて余りに胸に痛すぎた件を初っ端に書いたから細かい内容は飛ばすとして、次の『この地球表面上に生息している人間の一人として精神異常者でないものはない』という精神病理学の根本原理がスゲー気になりました。「みんな皮被ってて、おまえは誰よりそれを自覚してるだけ」という叔父の言葉を思い出した(´・ω・`)『脳髄』の真実の機能をドン底まで明らかにすると同時に、従来の化学が絶対に解決できなかった精神病その他に関する機会減少を一つ残らず、やすやすと解決した大論文『脳髄論』も気になるけどね。ホームズかよ!とここでも時代的にウチでも一大探偵小説ブームが巻き起こってたんだなぁ、って事実に改めて感慨を覚えるね☆その『脳髄論』の逆定理、心理の集積がどうして胎児に伝わるかという『心理遺伝』の内容が記された『胎児の夢』、そして遺言書としての『解放治療の実験の結果報告』。あーヤベ、公房さんの「とらぬ狸」の原点はここにあったのか、って感じさせられちゃうなぁ、研究室の陳列物とか振り返ると。
精神病は絶対に完治しない病気、という自分の信念?(というより実感?)も祭文歌含め何回も語られてるし(´-`) ホント身内はキツイで、まだ現代はネットがあって本も手に入りやすく、付き合ってくれる友人がいてくれたおかげで私は何とかこのくらいで済んでるけど。当時は環境的にそういう状況に陥った人間の逃げ場は限られただろうし、そうなると症状は悪化する一方、近所付き合いも密だったり階級制が残っていたりと社会的な縛りも厳しかっただろうし、人目にさらすのが恥ずかしい面倒なのが身近にいたら、どんな場所にでもぶっこみたくなるだろうな、と正直言って理解できる。まぁ精神疾患って正体がわからない病気の概念が「科学」によってもたらされたおかげで生まれた新しい「地獄」、邪魔な人間の残酷な片付け方や本当に憐れな精神病者が辿る末路、金が物を言う社会への風刺、更にこの時代の知識層・文学界をも席巻していた西洋思想への批判なんかも綴られているから、久作とこの作品が異端扱いされた理由もよく解ります。
九州人らしい郷土愛・愛国主義的な姿勢も感じられるしね(^^;そういうのバカらしい、って否定したり飛び出した故郷への愛憎に葛藤してナンボという部分があったじゃん、ウチの文壇って昔から・・・。(良い悪い言ってんじゃなくて傾向的に)素直にさらけ出したりお国言葉で小説書いたりしちゃいかんのよ、特に寒い地方のコンプレックスったらねぇな!と東北生まれ育ちで関西で九州人と接してマジ驚いたね(@o@;) 方言が方言である自覚がないとか、東海以南もザラにいたし。東北の子は必死で直そう、あるいは周りに合わせようと努力するんですよ。田舎者だって自覚があるから。私は物心がつくまで転勤族が多い所で過ごし、両親も地元出身じゃないので共通語使用で方言を身に付けることなく育ってしまったのが残念ですが(・・;) 朝敵認定、厳しい気候、かつての負け組と新たな都落ち組の行き着く先だった土地柄、訛りは方々で田舎者のテンプレートであるかのようによくネタにされ、北海道や沖縄のようなちょっとワクワクする観光地でもなく、物凄く遠い僻地のような扱いをされる。まぁ九州~関東までの気候の穏やかさや交通の便利さ考えると実際確かにそうなんだけどね(苦笑)だから妙に歪んだ芸術家は北国から出るんですよ、こんなストレートじゃねぇの。でも臆病で常に他者の目線を気にしてるから万人に取っ掛かりはするわけ。自由に迸る情熱という意味では久作の方が上でもな!オット、青森・福島回って熊本の震災対応にイラついてるせいかウッカリ地域比較コンプ炸裂してしまった。九州の方サーセン!行ったことないけど出身の友達はみんな面白くて好きです(^∀^)b
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