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ほぼ対自分向けメモ録。ブックマーク・リンクは掲示板貼付以外ご自由にどうぞ。著作権は一応ケイトにありますので文章の無断転載等はご遠慮願います。※最近の記事は私生活が詰まりすぎて創作の余裕が欠片もなく、心の闇の吐き出しどころとなっているのでご注意くださいm(__)m
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童話風?SSS。最近のクマ関連ニュースが哀し過ぎて殴り書き。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 
くまきちは星を見るのが大好きなクマでした。
真っ暗闇の夜空に、かがやく一点の光を見上げては
 
「いいなぁ、あのきらきらした、きれいなものに触れたらなぁ。
いつかおいらも今よりもっともっと高い木にのぼれるようになって、あの光を掴んでみたいな」
 
と考えていました。そんなくまきちを、仲間たちは笑いました。
 
「くまきち、知らねぇのか、あれは目に見えるよりずっとずっと遠くにある“星”というもんなんだぜ」
 
「光っているのは星そのものが燃えているせいか、
近くに燃える星があってその光を反射しているからさ」
 
「実際に近づけば、おれたちが今いる場所よりもっと寂しい場所かもしれないんだよ」
 
それでも、くまきちは空を見上げ、星を追うことを止めませんでした。
 
「光っていなくてもいい、何もない場所だっていいんだ。おいらはいつか、あの場所に行ってみたい」
 
そんな風にして、くまきちは夢を見、春を過ぎ夏を越え、やがて秋を迎えました。
秋は実りの季節です。そしてクマたちにとっては、冬の間の長い長い眠りに備えるための
大切な支度の季節でもあるのです。ところがその年、夏の太陽は余りに強い日差しで
野山を焼き、木々を狂わせ草を枯らしてしまいました。恵みを失った山でクマたちは惑い、
やむなく人里へと降りる決意をせざるを得ませんでした。
人里は、クマたちにとって地獄です。踏みつければ固く冷たいアスファルトの大地、
猛スピードで走り去っていく鋼鉄の塊、そして、恐ろしい恐ろしい敵である人間……。
それでも、人里には食べ物があります。人間たちが大切に育て、自然にも獣にも負けず
慈しんできた豊かな実りが、クマの目には眩しい宝物として映るのです。
命を繋ぐために、くまきちも人里へ赴く決意をしました。
 
山の上の住処から、くまきちは静かに人の住む街を見下ろしました。そこには無数の灯が輝き、
さながら自分の見上げてきた宇宙が、その場所に凝縮されているかのようにくまきちは感じました。
 
「くまきち、おまえ本当に行くのか?」
 
心配そうな友だちに問われて、くまきちはこう答えました。
 
「みんなの言うように地獄のような場所だったとしても、
あのきらめきの中ならおいらは後悔しないんじゃないかと思うんだ。
一度でいいから、おいらは星を目の前で見てみたい。手にしてみたいんだ……」
 
あくる日、くまきちは一目散に山を駆け降りました。
 
 
~~~
 
 
初めて訪れた人間の町は、灰色で、真っ黒で、そしてくまきちが嗅いだ事の無いにおいに
満ち溢れていました。畑を焼く煤の臭い、自動車の排気ガスの臭い、そして、
ドブを流れる下水の臭い……全てが、くまきちの鼻にとっては強烈すぎる、不快なにおいでした。
それでも時たま、民家の軒先や、畑の奥からかぐわしい果実の香りが漂ってきます。
久しぶりに嗅ぐその香りはくまきちを夢見心地にさせ、自分が今危険な場所にいる、
という注意力を失わせて山から遠く、遠くへ彼を誘うのでした。
 
「ああ、これは柿のにおいだなぁ! おいらは柿が大好きなんだ。
もう少し、もうちょっとだけ近づければなぁ……」
 
すっかりお腹をペコペコにさせたくまきちは、そう呟いてとぼとぼと人間の町をさまよいました。
走り出す元気は、とうになくなってしまいました。そうして辺が暗闇にすっぽりと包まれた頃、
くまきちの憧れた星の光のようにぼんやりとかがやく電灯の光の中、真っ直ぐにそびえたつ
灰色の柱が自分を見下ろしていることに、くまきちは気づきました。
柱のてっぺんは高すぎてくまきちには見えませんが、かすかに――
本当にかすかに、小さな黒い影が止まっているようにくまきちは思いました。
 
「あれは木の実だろうか、鳥だろうか。ひとまず行って、確かめてみよう」
 
お腹を空かせたくまきちは、それが何なのか気になって仕方ありませんでした。
くまきちは、ヨロヨロと柱を登り始めました。一つ目の枝まで登り、二つ目の枝に辿りつき、
少しずつ、少しずつ息を切らしながら、くまきちはするするとして滑りやすい柱を、
慎重に慎重に登り詰めていきました。そうしてようやく、てっぺんまで辿りついた時――
そこから伸びる細い枝の根本に張り付いた、木の実とも鳥とも判別のつかないそれを目にしました。
 
「木の実か鳥か、なんて関係ない。おいらはこれのためにここまで登って来たし、
どちらでも食えるものに代わりはないんだから」
 
くまきちはその黒いものにかぶりつきました。その瞬間、くまきちの目の前で星が弾け、
体中が雷に打たれたように熱くなって、炎が、くまきちのふさふさとした黒い毛を焦がしました。
くまきちは瞳をいっぱいに見開いて夜空を見つめました。そこには人里に降りて以来
やけに遠く感じてしまうようになった恋しい星々が、ずっと近い距離で瞬いていました。
くまきちはその星の美しさに感動し、ああ、自分はとうとう星に触れたのだ、
と一つ息を吐いて、それから二度と目を開くことはありませんでした。






 








~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

いきなりだったので引かれた方もいらっしゃったかもしれないんですが、
私はクマが好きなのでつい書いてしまいました。感電死なんて悲し過ぎる(´;ω;`)
現実世界でどっちの味方か、と明確に言えないようなモヤモヤするネタは
書かないようにしようと思いつつ、書くことによって自分の中で
色々沈静化できるので時々やらかしてしまいます(-_-;
大体の方は「は?」と思われるでしょうしどうぞスルーしてやってください・・・。
 

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くまきちは星を見るのが大好きなクマでした。
真っ暗闇の夜空に、かがやく一点の光を見上げては
 
「いいなぁ、あのきらきらした、きれいなものに触れたらなぁ。
いつかおいらも今よりもっともっと高い木にのぼれるようになって、あの光を掴んでみたいな」
 
と考えていました。そんなくまきちを、仲間たちは笑いました。
 
「くまきち、知らねぇのか、あれは目に見えるよりずっとずっと遠くにある“星”というもんなんだぜ」
 
「光っているのは星そのものが燃えているせいか、
近くに燃える星があってその光を反射しているからさ」
 
「実際に近づけば、おれたちが今いる場所よりもっと寂しい場所かもしれないんだよ」
 
それでも、くまきちは空を見上げ、星を追うことを止めませんでした。
 
「光っていなくてもいい、何もない場所だっていいんだ。おいらはいつか、あの場所に行ってみたい」
 
そんな風にして、くまきちは夢を見、春を過ぎ夏を越え、やがて秋を迎えました。
秋は実りの季節です。そしてクマたちにとっては、冬の間の長い長い眠りに備えるための
大切な支度の季節でもあるのです。ところがその年、夏の太陽は余りに強い日差しで
野山を焼き、木々を狂わせ草を枯らしてしまいました。恵みを失った山でクマたちは惑い、
やむなく人里へと降りる決意をせざるを得ませんでした。
人里は、クマたちにとって地獄です。踏みつければ固く冷たいアスファルトの大地、
猛スピードで走り去っていく鋼鉄の塊、そして、恐ろしい恐ろしい敵である人間……。
それでも、人里には食べ物があります。人間たちが大切に育て、自然にも獣にも負けず
慈しんできた豊かな実りが、クマの目には眩しい宝物として映るのです。
命を繋ぐために、くまきちも人里へ赴く決意をしました。
 
山の上の住処から、くまきちは静かに人の住む街を見下ろしました。そこには無数の灯が輝き、
さながら自分の見上げてきた宇宙が、その場所に凝縮されているかのようにくまきちは感じました。
 
「くまきち、おまえ本当に行くのか?」
 
心配そうな友だちに問われて、くまきちはこう答えました。
 
「みんなの言うように地獄のような場所だったとしても、
あのきらめきの中ならおいらは後悔しないんじゃないかと思うんだ。
一度でいいから、おいらは星を目の前で見てみたい。手にしてみたいんだ……」
 
あくる日、くまきちは一目散に山を駆け降りました。
 
 
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初めて訪れた人間の町は、灰色で、真っ黒で、そしてくまきちが嗅いだ事の無いにおいに
満ち溢れていました。畑を焼く煤の臭い、自動車の排気ガスの臭い、そして、
ドブを流れる下水の臭い……全てが、くまきちの鼻にとっては強烈すぎる、不快なにおいでした。
それでも時たま、民家の軒先や、畑の奥からかぐわしい果実の香りが漂ってきます。
久しぶりに嗅ぐその香りはくまきちを夢見心地にさせ、自分が今危険な場所にいる、
という注意力を失わせて山から遠く、遠くへ彼を誘うのでした。
 
「ああ、これは柿のにおいだなぁ! おいらは柿が大好きなんだ。
もう少し、もうちょっとだけ近づければなぁ……」
 
すっかりお腹をペコペコにさせたくまきちは、そう呟いてとぼとぼと人間の町をさまよいました。
走り出す元気は、とうになくなってしまいました。そうして辺が暗闇にすっぽりと包まれた頃、
くまきちの憧れた星の光のようにぼんやりとかがやく電灯の光の中、真っ直ぐにそびえたつ
灰色の柱が自分を見下ろしていることに、くまきちは気づきました。
柱のてっぺんは高すぎてくまきちには見えませんが、かすかに――
本当にかすかに、小さな黒い影が止まっているようにくまきちは思いました。
 
「あれは木の実だろうか、鳥だろうか。ひとまず行って、確かめてみよう」
 
お腹を空かせたくまきちは、それが何なのか気になって仕方ありませんでした。
くまきちは、ヨロヨロと柱を登り始めました。一つ目の枝まで登り、二つ目の枝に辿りつき、
少しずつ、少しずつ息を切らしながら、くまきちはするするとして滑りやすい柱を、
慎重に慎重に登り詰めていきました。そうしてようやく、てっぺんまで辿りついた時――
そこから伸びる細い枝の根本に張り付いた、木の実とも鳥とも判別のつかないそれを目にしました。
 
「木の実か鳥か、なんて関係ない。おいらはこれのためにここまで登って来たし、
どちらでも食えるものに代わりはないんだから」
 
くまきちはその黒いものにかぶりつきました。その瞬間、くまきちの目の前で星が弾け、
体中が雷に打たれたように熱くなって、炎が、くまきちのふさふさとした黒い毛を焦がしました。
くまきちは瞳をいっぱいに見開いて夜空を見つめました。そこには人里に降りて以来
やけに遠く感じてしまうようになった恋しい星々が、ずっと近い距離で瞬いていました。
くまきちはその星の美しさに感動し、ああ、自分はとうとう星に触れたのだ、
と一つ息を吐いて、それから二度と目を開くことはありませんでした。






 








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いきなりだったので引かれた方もいらっしゃったかもしれないんですが、
私はクマが好きなのでつい書いてしまいました。感電死なんて悲し過ぎる(´;ω;`)
現実世界でどっちの味方か、と明確に言えないようなモヤモヤするネタは
書かないようにしようと思いつつ、書くことによって自分の中で
色々沈静化できるので時々やらかしてしまいます(-_-;
大体の方は「は?」と思われるでしょうしどうぞスルーしてやってください・・・。
 

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