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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
私の魂の最も近しいところにいたあなたへ。
今でも時たま思うのです。
私たちは魂の伴侶、永遠の片割れ。
私を真に理解し、受け入れることができるのも、
あなたのまことを知り、それを我が身の血と骨に変えられるのも
おそらくは生涯において互いのみであったのではないか、と。
私たちの間にあった絆は男と女のそれではありませんでした。
あなたは常に魅力的な男性の傍らに寄り添い、
私もまた美しく愛らしい女性たちに囲まれて、
それを互いに自然のこととして受け入れて参りました。
けれど、今、あなたが表向きの伴侶を見つけ、
永遠に私の手の届かぬところへ旅立った今になって、私はようやく気づいたのです。
もっと早く、あなたをこの手に抱きしめていれば良かった。
もし、私たちが只の男と女の関係になれたなら、私はあなたを失わずに済んだでしょう。
私はあなたを愛している。
けれど同時に、あなただけは愛したくなかった!
酷い矛盾です。
私自身も混乱しています。
言いたいことの一つもまとめられやしない。
あなたが旅立ってから、私の日常は万事このような情けない調子で過ごしているのです。
こんな私を哀れに思って下さるのなら、どうかあなたのお気持ちをお聞かせください。
私の思い違いでなければ、きっとあなたもご同様の思いでいらっしゃるはずだと、
私は信じたいのです。
親愛なる魂の片割れ、誰よりも麗しく残酷な私のあなたへ。
~~~
冬の寒さが厳しくなって参りました。
こちらでは長らく雪が止まず、気が滅入っているところに突然のあなたからのお手紙、
わたくしはどれほど胸躍らせたことでしょう。
わかっておりました。
全く、同じお気持ちでございました。
わたくしはあなたが好きでした。
あなたの明るい精神、人の心を掴み取る強い眼差し、
わたくしと重なり合う心・・・まさにあなたは、わたくしの唯一の片割れでした。
わたくしと重なり合う心・・・まさにあなたは、わたくしの唯一の片割れでした。
全てがわたくしにとって不可欠であり、あなたを思うたびにわたくしの心は
どれほど震え、そして昂ったことでしょう!
あの方と出会い、結婚を決意しこちらに参りましてから、
あなたの存在がどれほどわたくしにとって愛しく大切な宝物となっていたことを
思い知らされることか、お話しすればインクの壺が空になってしまうことでしょう。
けれどわたくしは同時に、これで良かったとも思っているのです。
わたくしはあなたに対する想いとは全く異なる感情で、夫を愛しています。
仮にわたくしとあなたが真っ当な恋をして、結ばれたところで
それはわたくしたちにとっての“幸せ”というものに繋がったのでございしょうか?
わたくしはあなたを愛しています。
けれどその事実に気づいたのは、わたくしが今の夫を愛したから、
今この場所に、嫁ぐことを決意したからなのでございます。
あのままわたくしがあなたのお傍にいたところで、
どちらにしろわたくしたちの道はいつまでも交わらぬまま、
平行線を辿って潰えてしまったのではございませんか?
わたくしたちは遠く在って初めて、お互いを真に愛することができたのです。
二人を結ぶ強い絆に、気づくことができたのです。
それだけでわたくしは、十分に幸せでございます。
もう二度とお手紙を差し上げることはございません。
さようなら、私の唯一の片割れ、何よりも誰よりも愛するあなたへ。
追伸:あなたの生涯に光多からんことを、この命尽きる時まで
わたくしはいつまでも神様にお祈り申し上げる心づもりでございます。
~~~
魂の伴侶を失った。
否、失ったが故に私たちはお互いを手に入れた。
愛した。愛された。
私たちは、おそらく互いに“幸せ”を得たのだと思う。
永遠に引き裂かれたままの魂の片割れと、束の間だけでも巡り合い、
そしてこれからも結ばれ続けることができるのだから。
だからこのあなたへの手紙は、炎にくべて天に還してしまおうと思う。
神が真に存在するものだというのなら、私は感謝したい。
あなたと出会わせてくれた、恋をくれた、愛をくれた、永遠の伴侶を与えてくれた。
肉体上、私はあなたの伴侶とは成り得なかった。
けれど私の心は、あなたの心と永遠に一つに寄り添うだろう。
愛している。愛している。愛している。
ただそれだけの感情が、こんなにも幸福で、こんなにも眩い。
私のあなた、愛するあなた、さようなら。
最後の手紙が天上であなたに拾われてしまったら、私は一体どこに身を隠そうか。
それともいっそ今度こそ、背後から思い切りあなたを抱きしめれば良いのだろうか?
哀しい。愛しい。切ない。苦しい。
全ての感情を与えてくれたあなたに、心からの感謝と、至上の愛をここに捧ぐ。
→後書き
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私の魂の最も近しいところにいたあなたへ。
今でも時たま思うのです。
私たちは魂の伴侶、永遠の片割れ。
私を真に理解し、受け入れることができるのも、
あなたのまことを知り、それを我が身の血と骨に変えられるのも
おそらくは生涯において互いのみであったのではないか、と。
私たちの間にあった絆は男と女のそれではありませんでした。
あなたは常に魅力的な男性の傍らに寄り添い、
私もまた美しく愛らしい女性たちに囲まれて、
それを互いに自然のこととして受け入れて参りました。
けれど、今、あなたが表向きの伴侶を見つけ、
永遠に私の手の届かぬところへ旅立った今になって、私はようやく気づいたのです。
もっと早く、あなたをこの手に抱きしめていれば良かった。
もし、私たちが只の男と女の関係になれたなら、私はあなたを失わずに済んだでしょう。
私はあなたを愛している。
けれど同時に、あなただけは愛したくなかった!
酷い矛盾です。
私自身も混乱しています。
言いたいことの一つもまとめられやしない。
あなたが旅立ってから、私の日常は万事このような情けない調子で過ごしているのです。
こんな私を哀れに思って下さるのなら、どうかあなたのお気持ちをお聞かせください。
私の思い違いでなければ、きっとあなたもご同様の思いでいらっしゃるはずだと、
私は信じたいのです。
親愛なる魂の片割れ、誰よりも麗しく残酷な私のあなたへ。
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冬の寒さが厳しくなって参りました。
こちらでは長らく雪が止まず、気が滅入っているところに突然のあなたからのお手紙、
わたくしはどれほど胸躍らせたことでしょう。
わかっておりました。
全く、同じお気持ちでございました。
わたくしはあなたが好きでした。
あなたの明るい精神、人の心を掴み取る強い眼差し、
わたくしと重なり合う心・・・まさにあなたは、わたくしの唯一の片割れでした。
わたくしと重なり合う心・・・まさにあなたは、わたくしの唯一の片割れでした。
全てがわたくしにとって不可欠であり、あなたを思うたびにわたくしの心は
どれほど震え、そして昂ったことでしょう!
あの方と出会い、結婚を決意しこちらに参りましてから、
あなたの存在がどれほどわたくしにとって愛しく大切な宝物となっていたことを
思い知らされることか、お話しすればインクの壺が空になってしまうことでしょう。
けれどわたくしは同時に、これで良かったとも思っているのです。
わたくしはあなたに対する想いとは全く異なる感情で、夫を愛しています。
仮にわたくしとあなたが真っ当な恋をして、結ばれたところで
それはわたくしたちにとっての“幸せ”というものに繋がったのでございしょうか?
わたくしはあなたを愛しています。
けれどその事実に気づいたのは、わたくしが今の夫を愛したから、
今この場所に、嫁ぐことを決意したからなのでございます。
あのままわたくしがあなたのお傍にいたところで、
どちらにしろわたくしたちの道はいつまでも交わらぬまま、
平行線を辿って潰えてしまったのではございませんか?
わたくしたちは遠く在って初めて、お互いを真に愛することができたのです。
二人を結ぶ強い絆に、気づくことができたのです。
それだけでわたくしは、十分に幸せでございます。
もう二度とお手紙を差し上げることはございません。
さようなら、私の唯一の片割れ、何よりも誰よりも愛するあなたへ。
追伸:あなたの生涯に光多からんことを、この命尽きる時まで
わたくしはいつまでも神様にお祈り申し上げる心づもりでございます。
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魂の伴侶を失った。
否、失ったが故に私たちはお互いを手に入れた。
愛した。愛された。
私たちは、おそらく互いに“幸せ”を得たのだと思う。
永遠に引き裂かれたままの魂の片割れと、束の間だけでも巡り合い、
そしてこれからも結ばれ続けることができるのだから。
だからこのあなたへの手紙は、炎にくべて天に還してしまおうと思う。
神が真に存在するものだというのなら、私は感謝したい。
あなたと出会わせてくれた、恋をくれた、愛をくれた、永遠の伴侶を与えてくれた。
肉体上、私はあなたの伴侶とは成り得なかった。
けれど私の心は、あなたの心と永遠に一つに寄り添うだろう。
愛している。愛している。愛している。
ただそれだけの感情が、こんなにも幸福で、こんなにも眩い。
私のあなた、愛するあなた、さようなら。
最後の手紙が天上であなたに拾われてしまったら、私は一体どこに身を隠そうか。
それともいっそ今度こそ、背後から思い切りあなたを抱きしめれば良いのだろうか?
哀しい。愛しい。切ない。苦しい。
全ての感情を与えてくれたあなたに、心からの感謝と、至上の愛をここに捧ぐ。
→後書き
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