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ほぼ対自分向けメモ録。ブックマーク・リンクは掲示板貼付以外ご自由にどうぞ。著作権は一応ケイトにありますので文章の無断転載等はご遠慮願います。※最近の記事は私生活が詰まりすぎて創作の余裕が欠片もなく、心の闇の吐き出しどころとなっているのでご注意くださいm(__)m
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某ヅカOG様追悼短文。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「靴を忘れてきたんだ」

背の高い、帽子を被った影が言った。
少しハスキーな声と伸びた影からは、主が男なのか女なのか分からない。

「靴?」

私の問いかけに、影は軽やかなステップを踏みながら答えた。

「そう。私の人生で、一番大事な靴」

月明かりに浮かび上がったシルエット。
影の主は帽子だけではなく、どうやらコートまで引っ掻けているようだ。

「まぁ、それは大変じゃない!一体どこに忘れてきたの?」

私が驚いた声を上げると、影の主は少し寂しげに呟いた。

「あの月の向こう、重さも軽さも無い、何もない宙(そら)の果てに」

影がくるりとターンを決め、私の目に初めてその主の横顔が映った。

「ああやっぱり、あの靴じゃないと踊れない」

私は息を飲んだ。一瞬、影の背に翼が見えたからだ。

「……そのままでも、あなたの踊りは素敵なのに」

必死で告げる私に、影は静かに首を振った。
ああ、影は行ってしまう。重力も何もない、ふわふわと舞える宙の果てへ!

「やっぱり私はあの靴を取りに帰るよ。もっともっと、ずっと自由に踊れる場所に」

影の主は舞い上がった。どこまでもどこまでも高く、星を越え月を越え、
やがて私の目に見えなくなるほど高く――





~~~

自重しようかと思ったが出来なかった・・・m(__)m
大浦みずきさんは本当に素晴らしいスターさんでした。
私がヅカにハマって間もない頃、活躍しておられたスターさんたちは
皆彼女の下にいた方々でした。心からご冥福をお祈り致します。

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「靴を忘れてきたんだ」

背の高い、帽子を被った影が言った。
少しハスキーな声と伸びた影からは、主が男なのか女なのか分からない。

「靴?」

私の問いかけに、影は軽やかなステップを踏みながら答えた。

「そう。私の人生で、一番大事な靴」

月明かりに浮かび上がったシルエット。
影の主は帽子だけではなく、どうやらコートまで引っ掻けているようだ。

「まぁ、それは大変じゃない!一体どこに忘れてきたの?」

私が驚いた声を上げると、影の主は少し寂しげに呟いた。

「あの月の向こう、重さも軽さも無い、何もない宙(そら)の果てに」

影がくるりとターンを決め、私の目に初めてその主の横顔が映った。

「ああやっぱり、あの靴じゃないと踊れない」

私は息を飲んだ。一瞬、影の背に翼が見えたからだ。

「……そのままでも、あなたの踊りは素敵なのに」

必死で告げる私に、影は静かに首を振った。
ああ、影は行ってしまう。重力も何もない、ふわふわと舞える宙の果てへ!

「やっぱり私はあの靴を取りに帰るよ。もっともっと、ずっと自由に踊れる場所に」

影の主は舞い上がった。どこまでもどこまでも高く、星を越え月を越え、
やがて私の目に見えなくなるほど高く――





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自重しようかと思ったが出来なかった・・・m(__)m
大浦みずきさんは本当に素晴らしいスターさんでした。
私がヅカにハマって間もない頃、活躍しておられたスターさんたちは
皆彼女の下にいた方々でした。心からご冥福をお祈り致します。

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