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ほぼ対自分向けメモ録。ブックマーク・リンクは掲示板貼付以外ご自由にどうぞ。著作権は一応ケイトにありますので文章の無断転載等はご遠慮願います。※最近の記事は私生活が詰まりすぎて創作の余裕が欠片もなく、心の闇の吐き出しどころとなっているのでご注意くださいm(__)m
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番外?第三者視点。
雨降って地固まる。笑

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カレシの嫌いなもの。 雨なのか雪なのか分からない曇り空。可愛げのないカノジョ。
 
カノジョの嫌いなもの。日の射さない曇り空。思いやりのないカレシ。
 

 
週末の映画館。
 
「「「「あ」」」」
 
リョウと手を繋ぐミチと、マサの後ろから顔を出したユウ。偶然の、邂逅。
 
「なんだ、お前らも来てたんだ」
 
「珍しいな、お前が映画見に来るなんて」
 
「ミチが見たいって言ったんだよ」
 
「仲いいねえ」
 
「そっちこそ、いつのまにそんなことになったの?」
 
「あ、もう時間だ」
 
「なら、またね」
 
 
~~~

 
隣から聞こえてくる安らかな寝息に、ミチは苛立っていた。
 
「……ぐ~……ぐ~……」
 
「……」
 
一方こちらは不機嫌そうなマサとユウ。
 
「何、怒ってるの?」
 
「……別に」
 
「私、もう二人のこと見ても何とも思わないよ」
 
「ふーん……。でもなんかアイツに会えて、嬉しそうに笑ってたじゃん」
 
「それは、あのリョウくんがミチちゃんのために映画に付き合うなんて
なんか可愛いな、って思って見てたんだよ!」
 
「あ、そうですか」
 
「何拗ねてるの? 私が今一緒にいるのはマサくんじゃない」
 
「まだ一月じゃん。その前は……」
 
「あ~、しつこいなあ、もう!」
 
効果音1:プツッ
 
再びリョウとミチに視線を戻すと……。
 
「ん、おはよ~。あれ、もう映画終わったの?」
 
「……」
 
「……ミチ?」
 
「私、帰る!」
 
「は?」
 
「マサくんは、ちゃんと起きて見てたよ?」
 
「わりぃ、だって俺こーゆうの苦手なんだもん」
 
「なら最初から来なきゃいいじゃない!」
 
効果音2:ブチッ
 
 
~~~

 
「「もう帰る!!」
 
「「えっ……??」」
 
映画館の出口で、全く同じ台詞を吐かれた親友同士は顔を見合わせて苦笑い。
 
「どうしたの? ミチちゃん」
 
「まあまあユウちゃん、落ち着いて」
 
とりあえず相手のカノジョを宥めてみるが、それは返って逆効果。
 
「なんで私のこと放って、ユウちゃんのとこ行くわけ?」
 
「気遣う相手間違ってるじゃん」
 
険悪な雰囲気のカノジョたちに、カレシの堪忍袋もぶちっと切れた。
 
「ミチが勝手なことばっか言うからだろ! 大体、俺は最初から乗り気じゃなかったのに、
お前が見たいって言うからここまで付き合ってやったんじゃん!」
 
「元はと言えばユウちゃんが早いとこハッキリしてくれないから俺が不安になるんだろ!
一度も好きとか、付き合うとか言われてないし!」
 
「なによそれ!」
 
「そこまで言うことないじゃない!」
 
「「じゃあもう今日のデートは中止!」」
 
「「……だな」」
 
交渉、決裂。
  
 
~~~
 
 
「大体さ、言ってほしいなら言ってほしいってもっと早く言ってくれればいいのよね!
マサくんて、どうしてあんなにわかりにくいっていうか、素直じゃないわけ!?」
 
「見たいっていうから連れてきただけでも俺はちゃんとアイツのこと考えて
努力してるんだよ! なんでそこをすっ飛ばしてちょっとばかり
居眠りしたからってあんな態度取られなきゃいけねんだよ!」
 
映画館の向かいにあるファーストフード店にやってきたのはリョウとユウ。
ひとしきり相手に対しての不満を述べた後で、ふと冷静になり、
お互いの顔を見てぷっ、と吹き出した。
 
「なんかリョウくんの前でマサくんの悪口言うとは思わなかったな~」
 
「ユウちゃんと二人でこんなとこ来んのとか、久しぶりじゃねえ?」
 
「そうだねえ。リョウくん、ミチちゃんと付き合いだしてから
マサくんとかともあんまり遊ばなくなったもんね」
 
「最近はマサとユウちゃんがいい感じになってきたのもあって、遠慮してたんだよ」
 
「あのねえ、リョウくん」
 
「なに? ユウちゃん」
 
「私ね、リョウくんのことが好きだったんだよ」
 
「え……?」
 
「さっきの喧嘩の原因って、実はそれなの。マサくんは、
未だに私がリョウくんのこと忘れてない、って思ってる……」
 
「でもユウちゃんは、今はマサが好きなんだろ?」
 
「……うん」
 
「ならそれをちゃんとアイツに伝えてやってよ。
ああ見えて人一倍、寂しがり屋で気にしいなんだ」
 
「……うん」
 
「もう、帰ろうか。帰りたそうな顔してる」
 
「リョウくんもだよ。早くミチちゃんに会いたい、って顔に書いてある」
 
「好きだ、って思ってくれてたこと、嬉しかったよ」
 
「……リョウくん」
 
「……ありがとう」
 
「うん……こっちこそ、ありがとう」
 
一つの恋の終わりを、雲が見ていた。
 
 
~~~

 
「行きたくないなら行きたくない、って始めから言えばいいじゃない!
付き合ってあげたなんて、随分押し付けがましいと思わない!?」
 
「あいつが俺に何も言ってくれないから不安になるのに、しつこいはねえだろ!」
 
駅前のコーヒーショップに、マサとミチはいた。
こちらもひとしきり不満をぶちまけた後、ふと我に返り赤面する。
 
「……私、マサくんには嫌われてるんだろうな、と思ってた」
 
「……そんなことないけど」
 
「だって、私がいると少し、空気が違う、っていうか……。
私のせいでリョウに、良くない影響を与えてるのかな、って……」
 
「……あいつがさ」
 
「え?」
 
「ユウちゃんが、好きだったの、リョウのこと」
 
「…………」
 
「ミチちゃんも何となく気づいてんのかな、って思ってたんだけど」
 
「うん、本当に何となくだけど……」
 
「だから俺は、ユウちゃんが嫌な思いするのを見てたくなかったの。
勝手な理由だけどさ。だから、リョウとミチちゃんにきついこと言ったりもした。
……ホントに、ごめん」
 
「いいよ、もう。……あの、もしかしたら今日の喧嘩って?」
 
「はぁ、そう。それが原因。何かどーしても……
未だにリョウと会うと、冷静じゃなくなるんだよなぁ」
 
「マサくん……」
 
「俺、ユウちゃんに一度も好きだ、とかハッキリした言葉もらったわけじゃねえからさ」
 
「でも、今日のユウちゃん、楽しそうだったよ?」
 
「え?」
 
「マサくんの隣にいて、今まで見たことないくらい可愛くて、幸せそうだった。
だから自信持って、いいんじゃないかな?」
 
「ミチちゃん……」
 
「なに?」
 
「ありがとう」
 
「いいえ、どういたしまして」
 
「出ようか?」
 
「うん!」
 
窓の外に広がる、厚い雲。けれどその上にはいつだって、輝く太陽と青空があるのだ。
 
 
~~~
 
 
「リョウ、ユウちゃん!」
 
「マサ、ミチ!」
 
駅で再び遭遇した二組。
 
「ごめんね。ちょっと言い過ぎた」
 
「俺の方こそ、無神経でごめん」
 
真っ先に歩み寄ったのはリョウとミチ。
遅れて顔を上げたマサと目を合わせた瞬間、ユウの顔は真っ赤に染まる。
 
「あのね、マサくん……」
 
照れくさいのか、後ろからそっと握られる手。小さな小さな囁き。
 
スキダヨ……。
 

 
“二人”が好きなもの。繋いだ手のひら。一緒に過ごす時間。二人で……見上げる空。
 
雨の日も、晴れの日も、雪の日も、風の日も、曇りの日も……
変わる天気、変わらない気持ち。ずっとずっと、君と一緒に。





Calm Day(先輩編、side:マホ)

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カレシの嫌いなもの。 雨なのか雪なのか分からない曇り空。可愛げのないカノジョ。
 
カノジョの嫌いなもの。日の射さない曇り空。思いやりのないカレシ。
 

 
週末の映画館。
 
「「「「あ」」」」
 
リョウと手を繋ぐミチと、マサの後ろから顔を出したユウ。偶然の、邂逅。
 
「なんだ、お前らも来てたんだ」
 
「珍しいな、お前が映画見に来るなんて」
 
「ミチが見たいって言ったんだよ」
 
「仲いいねえ」
 
「そっちこそ、いつのまにそんなことになったの?」
 
「あ、もう時間だ」
 
「なら、またね」
 
 
~~~

 
隣から聞こえてくる安らかな寝息に、ミチは苛立っていた。
 
「……ぐ~……ぐ~……」
 
「……」
 
一方こちらは不機嫌そうなマサとユウ。
 
「何、怒ってるの?」
 
「……別に」
 
「私、もう二人のこと見ても何とも思わないよ」
 
「ふーん……。でもなんかアイツに会えて、嬉しそうに笑ってたじゃん」
 
「それは、あのリョウくんがミチちゃんのために映画に付き合うなんて
なんか可愛いな、って思って見てたんだよ!」
 
「あ、そうですか」
 
「何拗ねてるの? 私が今一緒にいるのはマサくんじゃない」
 
「まだ一月じゃん。その前は……」
 
「あ~、しつこいなあ、もう!」
 
効果音1:プツッ
 
再びリョウとミチに視線を戻すと……。
 
「ん、おはよ~。あれ、もう映画終わったの?」
 
「……」
 
「……ミチ?」
 
「私、帰る!」
 
「は?」
 
「マサくんは、ちゃんと起きて見てたよ?」
 
「わりぃ、だって俺こーゆうの苦手なんだもん」
 
「なら最初から来なきゃいいじゃない!」
 
効果音2:ブチッ
 
 
~~~

 
「「もう帰る!!」
 
「「えっ……??」」
 
映画館の出口で、全く同じ台詞を吐かれた親友同士は顔を見合わせて苦笑い。
 
「どうしたの? ミチちゃん」
 
「まあまあユウちゃん、落ち着いて」
 
とりあえず相手のカノジョを宥めてみるが、それは返って逆効果。
 
「なんで私のこと放って、ユウちゃんのとこ行くわけ?」
 
「気遣う相手間違ってるじゃん」
 
険悪な雰囲気のカノジョたちに、カレシの堪忍袋もぶちっと切れた。
 
「ミチが勝手なことばっか言うからだろ! 大体、俺は最初から乗り気じゃなかったのに、
お前が見たいって言うからここまで付き合ってやったんじゃん!」
 
「元はと言えばユウちゃんが早いとこハッキリしてくれないから俺が不安になるんだろ!
一度も好きとか、付き合うとか言われてないし!」
 
「なによそれ!」
 
「そこまで言うことないじゃない!」
 
「「じゃあもう今日のデートは中止!」」
 
「「……だな」」
 
交渉、決裂。
  
 
~~~
 
 
「大体さ、言ってほしいなら言ってほしいってもっと早く言ってくれればいいのよね!
マサくんて、どうしてあんなにわかりにくいっていうか、素直じゃないわけ!?」
 
「見たいっていうから連れてきただけでも俺はちゃんとアイツのこと考えて
努力してるんだよ! なんでそこをすっ飛ばしてちょっとばかり
居眠りしたからってあんな態度取られなきゃいけねんだよ!」
 
映画館の向かいにあるファーストフード店にやってきたのはリョウとユウ。
ひとしきり相手に対しての不満を述べた後で、ふと冷静になり、
お互いの顔を見てぷっ、と吹き出した。
 
「なんかリョウくんの前でマサくんの悪口言うとは思わなかったな~」
 
「ユウちゃんと二人でこんなとこ来んのとか、久しぶりじゃねえ?」
 
「そうだねえ。リョウくん、ミチちゃんと付き合いだしてから
マサくんとかともあんまり遊ばなくなったもんね」
 
「最近はマサとユウちゃんがいい感じになってきたのもあって、遠慮してたんだよ」
 
「あのねえ、リョウくん」
 
「なに? ユウちゃん」
 
「私ね、リョウくんのことが好きだったんだよ」
 
「え……?」
 
「さっきの喧嘩の原因って、実はそれなの。マサくんは、
未だに私がリョウくんのこと忘れてない、って思ってる……」
 
「でもユウちゃんは、今はマサが好きなんだろ?」
 
「……うん」
 
「ならそれをちゃんとアイツに伝えてやってよ。
ああ見えて人一倍、寂しがり屋で気にしいなんだ」
 
「……うん」
 
「もう、帰ろうか。帰りたそうな顔してる」
 
「リョウくんもだよ。早くミチちゃんに会いたい、って顔に書いてある」
 
「好きだ、って思ってくれてたこと、嬉しかったよ」
 
「……リョウくん」
 
「……ありがとう」
 
「うん……こっちこそ、ありがとう」
 
一つの恋の終わりを、雲が見ていた。
 
 
~~~

 
「行きたくないなら行きたくない、って始めから言えばいいじゃない!
付き合ってあげたなんて、随分押し付けがましいと思わない!?」
 
「あいつが俺に何も言ってくれないから不安になるのに、しつこいはねえだろ!」
 
駅前のコーヒーショップに、マサとミチはいた。
こちらもひとしきり不満をぶちまけた後、ふと我に返り赤面する。
 
「……私、マサくんには嫌われてるんだろうな、と思ってた」
 
「……そんなことないけど」
 
「だって、私がいると少し、空気が違う、っていうか……。
私のせいでリョウに、良くない影響を与えてるのかな、って……」
 
「……あいつがさ」
 
「え?」
 
「ユウちゃんが、好きだったの、リョウのこと」
 
「…………」
 
「ミチちゃんも何となく気づいてんのかな、って思ってたんだけど」
 
「うん、本当に何となくだけど……」
 
「だから俺は、ユウちゃんが嫌な思いするのを見てたくなかったの。
勝手な理由だけどさ。だから、リョウとミチちゃんにきついこと言ったりもした。
……ホントに、ごめん」
 
「いいよ、もう。……あの、もしかしたら今日の喧嘩って?」
 
「はぁ、そう。それが原因。何かどーしても……
未だにリョウと会うと、冷静じゃなくなるんだよなぁ」
 
「マサくん……」
 
「俺、ユウちゃんに一度も好きだ、とかハッキリした言葉もらったわけじゃねえからさ」
 
「でも、今日のユウちゃん、楽しそうだったよ?」
 
「え?」
 
「マサくんの隣にいて、今まで見たことないくらい可愛くて、幸せそうだった。
だから自信持って、いいんじゃないかな?」
 
「ミチちゃん……」
 
「なに?」
 
「ありがとう」
 
「いいえ、どういたしまして」
 
「出ようか?」
 
「うん!」
 
窓の外に広がる、厚い雲。けれどその上にはいつだって、輝く太陽と青空があるのだ。
 
 
~~~
 
 
「リョウ、ユウちゃん!」
 
「マサ、ミチ!」
 
駅で再び遭遇した二組。
 
「ごめんね。ちょっと言い過ぎた」
 
「俺の方こそ、無神経でごめん」
 
真っ先に歩み寄ったのはリョウとミチ。
遅れて顔を上げたマサと目を合わせた瞬間、ユウの顔は真っ赤に染まる。
 
「あのね、マサくん……」
 
照れくさいのか、後ろからそっと握られる手。小さな小さな囁き。
 
スキダヨ……。
 

 
“二人”が好きなもの。繋いだ手のひら。一緒に過ごす時間。二人で……見上げる空。
 
雨の日も、晴れの日も、雪の日も、風の日も、曇りの日も……
変わる天気、変わらない気持ち。ずっとずっと、君と一緒に。





Calm Day(先輩編、side:マホ)

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