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『On The Pallete』番外SSS。本編より少し未来のクリスマス。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「8切り」
「うわー、やられた!」
「クソ、出しときゃ良かった……」
「えっと……ええっと」
チカチカと煌めくツリーのすぐ傍で、わいわいと賑やかな声が響いている。
甘い香りの漂い始めたオーブンを覗き込みながら、
甘い香りの漂い始めたオーブンを覗き込みながら、
「少しは手伝ってくれても良いのになぁ……」
と呟いてみるも、頬は少しだけ緩んでしまう。
トランプを手にコタツの四方を囲んでいるのは、姉の月子、その恋人で幼馴染の紅登くん、紅登くんの弟の青斗くん、そして従姉の雪美ちゃん。全員が揃うのは久しぶりなのだ。過去に遡れば青斗くんと雪美ちゃんは元彼氏彼女で、別れた理由が青斗くんの姉への告白のためだった、という複雑な関係性を帯びたわたしたちでもあるのだから。
トランプを手にコタツの四方を囲んでいるのは、姉の月子、その恋人で幼馴染の紅登くん、紅登くんの弟の青斗くん、そして従姉の雪美ちゃん。全員が揃うのは久しぶりなのだ。過去に遡れば青斗くんと雪美ちゃんは元彼氏彼女で、別れた理由が青斗くんの姉への告白のためだった、という複雑な関係性を帯びたわたしたちでもあるのだから。
「革命」
「えええ本気!?」
「死んだ……オレ死んだわ」
「青斗先輩、イジワル過ぎませんかぁ?」
項垂れる皆をよそに一人顔色の変えない彼を見て、勝負の行方は既に決まったようなものだ、と苦笑する。昔から、青斗くんに勝てる人間はいなかった――と言い切ってしまえば、贔屓が過ぎると姉から小言を頂戴してしまうだろうか。
「上がり。月子、約束だよ。三回連続大富豪になったら連れ出して良いんだろ?」
「……門限、破んないでよ」
青斗くんを睨みながら唇を尖らせると、姉はカードを放り出し天板に突っ伏してしまった。
「オイ月子! まだゲーム終わってねぇだろ!
オレ大貧民脱したいんだよ、最後まで付き合えよー!」
オレ大貧民脱したいんだよ、最後まで付き合えよー!」
姉の頭を小突きながら文句を言う紅登くんに、雪美ちゃんはクスクスと笑っている。
彼女の瞳がチラリと私に向けられて――そうして優しく、頷かれてしまった。
彼女の瞳がチラリと私に向けられて――そうして優しく、頷かれてしまった。
「花香、行こう。お許しが出た」
戸惑うように動きを止めれば、いつの間にかすぐ傍まで来ていた青斗くんが、
ミトンを嵌めたわたしの手を捉えた。
ミトンを嵌めたわたしの手を捉えた。
「え……でも、まだケーキ」
「そんなの、あいつらにやらせりゃいいって」
いつものごとく辛辣な言い合いを始めた姉と紅登くんを見やり、悪戯に微笑む彼の表情(かお)に、頬が、耳が、体中が熱を帯びていく。
「待ってて……着替えてくる」
慌ててミトンを外し、エプロンを引っぺがすと、わたしは慌てて自分の部屋へと駆け出した。今日はクリスマスイヴ。青斗くんに気持ちを伝えてから初めての――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一番トランプやる姿が想像つく面子がコレだったので久々に書いてみました。
くっついてんのかどうなのか微妙なとこがミソ?です・・・(^^;
季節ものだし独立したネタで書くべきだったかなー。
でも楽しかった!@自己満足\(^O^)/
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「8切り」
「うわー、やられた!」
「クソ、出しときゃ良かった……」
「えっと……ええっと」
チカチカと煌めくツリーのすぐ傍で、わいわいと賑やかな声が響いている。
甘い香りの漂い始めたオーブンを覗き込みながら、
甘い香りの漂い始めたオーブンを覗き込みながら、
「少しは手伝ってくれても良いのになぁ……」
と呟いてみるも、頬は少しだけ緩んでしまう。
トランプを手にコタツの四方を囲んでいるのは、姉の月子、その恋人で幼馴染の紅登くん、紅登くんの弟の青斗くん、そして従姉の雪美ちゃん。全員が揃うのは久しぶりなのだ。過去に遡れば青斗くんと雪美ちゃんは元彼氏彼女で、別れた理由が青斗くんの姉への告白のためだった、という複雑な関係性を帯びたわたしたちでもあるのだから。
トランプを手にコタツの四方を囲んでいるのは、姉の月子、その恋人で幼馴染の紅登くん、紅登くんの弟の青斗くん、そして従姉の雪美ちゃん。全員が揃うのは久しぶりなのだ。過去に遡れば青斗くんと雪美ちゃんは元彼氏彼女で、別れた理由が青斗くんの姉への告白のためだった、という複雑な関係性を帯びたわたしたちでもあるのだから。
「革命」
「えええ本気!?」
「死んだ……オレ死んだわ」
「青斗先輩、イジワル過ぎませんかぁ?」
項垂れる皆をよそに一人顔色の変えない彼を見て、勝負の行方は既に決まったようなものだ、と苦笑する。昔から、青斗くんに勝てる人間はいなかった――と言い切ってしまえば、贔屓が過ぎると姉から小言を頂戴してしまうだろうか。
「上がり。月子、約束だよ。三回連続大富豪になったら連れ出して良いんだろ?」
「……門限、破んないでよ」
青斗くんを睨みながら唇を尖らせると、姉はカードを放り出し天板に突っ伏してしまった。
「オイ月子! まだゲーム終わってねぇだろ!
オレ大貧民脱したいんだよ、最後まで付き合えよー!」
オレ大貧民脱したいんだよ、最後まで付き合えよー!」
姉の頭を小突きながら文句を言う紅登くんに、雪美ちゃんはクスクスと笑っている。
彼女の瞳がチラリと私に向けられて――そうして優しく、頷かれてしまった。
彼女の瞳がチラリと私に向けられて――そうして優しく、頷かれてしまった。
「花香、行こう。お許しが出た」
戸惑うように動きを止めれば、いつの間にかすぐ傍まで来ていた青斗くんが、
ミトンを嵌めたわたしの手を捉えた。
ミトンを嵌めたわたしの手を捉えた。
「え……でも、まだケーキ」
「そんなの、あいつらにやらせりゃいいって」
いつものごとく辛辣な言い合いを始めた姉と紅登くんを見やり、悪戯に微笑む彼の表情(かお)に、頬が、耳が、体中が熱を帯びていく。
「待ってて……着替えてくる」
慌ててミトンを外し、エプロンを引っぺがすと、わたしは慌てて自分の部屋へと駆け出した。今日はクリスマスイヴ。青斗くんに気持ちを伝えてから初めての――
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一番トランプやる姿が想像つく面子がコレだったので久々に書いてみました。
くっついてんのかどうなのか微妙なとこがミソ?です・・・(^^;
季節ものだし独立したネタで書くべきだったかなー。
でも楽しかった!@自己満足\(^O^)/
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