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ほぼ対自分向けメモ録。ブックマーク・リンクは掲示板貼付以外ご自由にどうぞ。著作権は一応ケイトにありますので文章の無断転載等はご遠慮願います。※最近の記事は私生活が詰まりすぎて創作の余裕が欠片もなく、心の闇の吐き出しどころとなっているのでご注意くださいm(__)m
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これで疲れ目ともおさらば!\(^O^)/

拍手お礼文、今週来週と忙しかったり旅に出たりで更新できるかどうか
イマイチ自信が無かったので、一応早めにということで昨日更新させていただきました。
早速パチパチ押してくださった皆様、どうもありがとうございますm(__)m
今回拍手連載の神話シリーズ以外は既存作品の番外編もないし、
全体的に短いんですけど・・・(^^;
拍手お礼は1500字くらいがちょうど良い長さかな、と思っていて、
前回はどれも少し長過ぎたように感じていたので。
それにしても静御前のとかはちょっと短かすぎるかな・・・(-_-;

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拍手ログ。『まぼろしの仮面』番外編。イヴェット視点。

拍手[4回]


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その方とお会いしたのは、わたくしが十二になったばかりのときだった。ようやく皇宮に上がれる年齢(とし)を迎えたわたくしは、一つ年下の皇女殿下のお話し相手として皇宮の中庭に入ることを許された。
 
「やぁ、君が今日から姫のお相手を務めてくださることになっているディヴリー侯爵のご令嬢?」
 
まるで大切な宝物でも抱くように、その腕に皇女(ひめ)を抱えて現れた、キラキラと輝く黄金の髪にサファイアのような瞳の青年。まるでおとぎ話に出てくる王子様のようなその方が、皇太子セドリック殿下なのだ、と一目で分かった。殿下の言葉に、彼の腕の中の皇女の表情(かお)がパッと明るいものへと変化する。
 
「セドリック、降ろして。わたくしもう自分でご挨拶くらいできるわ」
 
「はいはい。イヴェット嬢に失礼のないように、きちんとご挨拶して仲良くしていただくんだよ、リリアーヌ」
 
ポンポン、と優しく皇女の頭を撫でる優しげな手つきに、わたくしは初めて誰かを妬ましいと思う感情を知った。
 
 
~~~
 
 
セドリック様の命は、まるで“まぼろし”のように儚く消え失せてしまった。隣国エステンの王、ゲオルクに敗れて。ゲオルクはリリアーヌを己が后とし、我が国を乗っ取った。初めはその事実に憤慨していた父も、ゲオルクが後宮を開いた話を聞いた途端に態度が急変した。
 
「のう、イヴェット、そなた新帝の後宮に入らぬか? あの男はヴィラールの血を欲していると聞く。もし万が一おまえが最初の男子を生めば、皇太后となれるかもしれんぞ?」
 
呆れ返りながらもその言葉に頷いたのは、それがまたとない機会(チャンス)だと思ったから。リリアーヌと、あの男に復讐するための。わたくし自身の“まぼろし”のように儚かった“恋”を弔うための。
 
 
~~~
 
 
『ねぇ、どうしてリリアーヌと結婚なさって一年も経ちますのに、未だお手を触れられませんの?』
 
閨の中で問いかけた言葉に、あの方は笑顔でこう答えた。
 
『リリアーヌはね、私にとって何よりも大事な娘(こ)なんだ。あの娘が幼いころからずっとこの手で慈しみ、その成長を見守り、先帝陛下、今は亡き皇太后陛下と共に大切に育んできた……。だから、そう簡単に手折ってしまいたくはないんだ。しかるべき時期に、ちゃんとしたかたちで妻にしたい。だから待っているんだよ、あの娘が花開くときが来るのを』
 
皇帝に即位したばかりのセドリック様と、関係を持つ女は何人かいた。けれどその中の誰一人として、“側室”として正式に後宮に招かれた者はいなかった。先帝ユルバン陛下と同じように、セドリック様の後宮に住まうのも皇后ただ一人。リリアーヌ。セドリック様が大切に、大切に慈しみ育てた花。その花が主を裏切るというのか? 他の男に向けて芳香をまき散らし、美しい花弁を開いてみせようというのか?
 
 
~~~
 
 
「……何の真似だ、これは」
 
『もう諦めて後宮を去れ。今ならばまだ他の嫁ぎ先が見つかる』
 
父からそんな手紙を受け取ったのは、リリアーヌが二人目の皇子を生んだころだった。
 
それならばお父様、わたくしが何をしても、どんな復讐を遂げようとも、もう文句はありませんわね?
 
閨の中、すっかり寝入ったゲオルクの胸元に懐剣を突きたてようとしたわたくしの気配に、ゲオルクはさっと起き上がってわたくしの腕を押さえつける。
 
「復讐ですわ。憎い、憎い……あの方を殺した仇!」
 
更に暴れ回ろうと試みるも、強い力で抑え込まれてしまっては敵わない。わたくしは己の運命(さだめ)が此処までであることを知った。
 
「おまえといい、リリアーヌといい……セドリックというのは余程の色男であったと見える」
 
「おほほほほ!」
 
わたくしは思わず笑い出した。皇后がゲオルクをセドリック様だと思い込んでいる、という噂は聞いていた。事実、最初の子を身籠った辺りからリリアーヌのゲオルクに対する態度は一変したし、金を掴ませて口を割った皇后付き女官のカミーユもそう証言していた。
 
けれど、違う……そうね、リリアーヌ。あなたはあなたの復讐を。わたくしはわたくしの復讐を。
だってリリアーヌ、あなた気づいていないのかしら? あなたのやり方では、いつかセドリック様をも傷つけることになる。ゲオルクだけではない、あなただけではない。自分だけを見つめ、自分だけを愛するようにあなたを育ててきたあの方の心にまで牙を、爪を食いこませ、深く傷つけても良いというの? だからあなたが嫌いなのよ、リリアーヌ。美しく傲慢な皇女様! わたくしが誰よりも慕うあの方が、何よりも愛した皇后様!
 
「何だ……? 一体何が、そんなにおかしい? イヴェット」
 
どこか怯えるようにこちらを見るゲオルクの瞳の中に垣間見えるかすかな揺らぎ。ああ、リリアーヌ。きっとあなたの復讐は成功するわ。最も理想的で、最も残酷なかたちで!
 
「いいえ、別に何も。リリアーヌと……皇后様といつまでも仲睦まじゅう」
 
そう微笑んだ瞬間、わたくしの首は切り落とされた。
 
 
~~~
 
 
「皇后様……イヴェット様が」
 
震えながらシルヴィが告げた報せに、わたくしは溜息を吐いて悲しむふりをした。ゲオルクの命を狙ってきた刺客に襲われたというイヴェット。きっと殺したのはゲオルクだろう。哀れなイヴェット。可哀想なイヴェット。わたくしと真実(まこと)の夫婦になる前、幾人かいたというセドリック様の愛人の一人。
 
「それが、あなたの復讐だったのね……」
 
静かに呟いた言葉を、聞いている者は誰もいない。腕の中の赤子をそっと揺らす。イヴェットはきっとわたくしのことを、間違っていると言うに違いない。真っ直ぐで情熱的で、いつもいつもわたくしと張り合い、嫉妬の感情を隠そうともしなかった彼女に、わたくしは好感を抱いていた。ともすれば、羨ましさを感じるくらいに。
 
「それでもわたくしは、この道しか選べない……」
 
中庭から見上げる空はあのころと同じ。けれどその空と同じ色をしていたはずのあの方の瞳を、近ごろのわたくしはすっかり思い出せなくなっていた。






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『雲と空・霧と風』続編。拍手ログ。

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風の町に生まれたセイと、空の国に生まれたアメは二歳違いの従兄妹同士であった。
二人の父にあたるキリとウンは仲の良い双子の兄弟であったので、
離れたところに住んでいても二人は幼いころより頻繁に顔を合わせていた。
ところが、二人の仲は極めて悪かった。
あけっぴろげで大雑把な性格のセイと、大人しく繊細なアメ。
正反対の気性と、二人の祖父母より贈られた雪の結晶の存在が、彼らの仲をこじらせていた。

「アメ、早くおまえの結晶を寄こせよ! それで俺の腕輪を作るんだから!」

「嫌よ、セイ。あんたこそ、その雪の結晶を寄こしなさいよ!
あたしはそれで耳飾りを作れるわ!」

それぞれの家に贈られた雪の結晶を取り合って、二人はいつも喧嘩をした。
幼いころから、年ごろを迎えてもそれは全く変わることは無かった。
そんなある日のことだった。


~~~


「アメ、僕と結婚してくれないか? 僕は将来この空の国を治めることになっている。
君のようにしっかりした人に、傍にいてほしいんだ」

空の国の伯父の元を訪れたセイは偶然、アメが求婚されている現場に出くわした。
アメに求婚していたのは、空の王子であるヨウだった。
セイはその光景に、ふつふつと滾るような苛立ちを感じた。

「…………」

黙り込むアメに、ヨウは微笑んで

「返事は急がないから、考えてみてほしい」

と告げて去っていった。俯いて何かを考え込むアメの横顔に、
隠れていたセイは何とも言えぬ焦りを感じ、思わず茂みから飛び出した。

「セイ!?」

驚いてこちらを見るアメに、セイが吐き出せたのはいつものような憎まれ口だけたった。

「フン、わざと見たんじゃないからな。たまたま通りかかったら、聞こえちまっただけだ。
良かったじゃないか、いずれは空の国のお妃様なんて。
まぁ、俺も風の町の長を継がないか、って今の町長様から打診されているけどな」

「覗き見するなんて酷いわ! 
私、まだヨウと結婚するって決めたわけじゃないのに……!」

そのとき、気丈なアメの瞳からポロポロと透明な雫が滴った。
その雫は雲を突き抜け、空の下の地上へと降り注ぐ。
初めて見るアメの涙にセイは慌て、何とか言葉を紡ごうとしたが、
乾いた唇からは何の音も出てこなかった。
アメはそのまま踵を返して走り去り、セイが風の町へと帰った後も、
地上にはしばらくアメの涙が降り続けていた。


~~~


「セイったら、アメに今度は何をしたの? 随分長いようだけど」

空から水の雫が降り始めて十日目、
心配そうに問うてきた母・フウの言葉に、セイは憮然として

「別にどうもしない。
アメが空の王子に結婚を申し込まれていたから、お祝いを言っただけだ」

と答えた。フウは息子の返事に驚いて思わず大声を上げた。

「まぁ! あなた、アメが空の王子と結婚してもいいのって言うの!?」

セイが首を傾げて母を見ると、彼女は苦笑して息子の頬を撫でた。

「あなたはどうして自分の雪の結晶を持っているのに、アメの雪の結晶を欲しいと思ったの?
アメだって、自分の分の結晶があるのに、あなたの結晶を欲しがったのは何故かしら?
腕輪や耳飾りは“建前”に過ぎないわ。セイ、もう一度よく考えてごらんなさい」

優しい母の言葉に、セイが普段は深く悩ますことのない頭を悩ませて丸一日。
ようやく出た答えに、彼は急いで空の国へと赴いた。


~~~


「アメ!」

暗雲が垂れこめる空の国では、アメとヨウの結婚の準備が着々と進んでいた。
アメがヨウに求婚されたことは空の国の民皆が知っていたし、
空の王子であるヨウの求婚を断る娘などいるはずがないと、空の民は信じていた。
花嫁衣装を前にしたアメの元に突然現れたセイに、アメは目を見開いて彼を見た。

「セイ! どうしてここに!?」

セイの予想通り、アメの頬からはキラキラと輝く透明な雫が滴り続けていた。
それをセイは初めて、雪の結晶よりも綺麗だと思った。

「空の王妃になるのはやめろ! 俺と一緒に行こう!
俺の雪の結晶をおまえにやるから……おまえの結晶を、俺にくれ」

セイの必死な叫びに、アメは十一日ぶりの笑顔を見せた。

「それならセイ、水の里のおじい様とおばあ様にお願いして、結晶を指輪にしてもらいましょう。
そうして、お互いの薬指に嵌めるのよ!」

可愛らしいアメの答えにセイは自ずから笑みがこぼれ、
二人は手を取り合って空の国を旅立った。
その日、天から地へと降り続けた雨はようやく止み、晴れ渡った空には
二人の未来を祝福するように大きな大きな虹の橋がかかっていた。


~~~


それから、一年の月日が経った。セイとアメは様々な土地を転々とし、
火の社と水の里の狭間の地にようやく腰を据えた。

「セイ、お腹の子の名前は決まったの?」

膨らんだ腹を撫でつつ問うた妻の一言に、セイは笑顔で答えた。

「ああ、“コウ”にしようかと思ってる」

「“コウ”だなんて! それは不吉な火の神の名前でしょう?
私たちもその血を引いていることになるけれど……」

眉根を寄せたアメに、セイは頭(かぶり)を振ってこう告げた。

「いいや、違う。コウは架け橋。火と水を繋ぐように、天と地を繋ぐように、
美しく大きな七色の虹の“コウ”だよ、アメ」

「“コウ”……虹……」

アメが空を見上げると、そこにはアメがセイの手を取り
空の国を出たあの日と同じように、大きな虹がかかっていた。
虹の袂には火の社。虹の果てには水の里。
どちらも、火の神の末である自分たちを快く歓迎してくれた。
昔はいがみ合っていた両者の間でも、近頃では祖父母の尽力もあってか
ポツポツと小さな交流が生まれ始めていると聞く。

「素敵な名前ね、セイ」

アメは微笑んだ。
腹の中の子も、母の内でまるで己が名を誇っているかのように大きく跳ねた。





→シリーズ完結編『紅と蓮』
 



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拍手ログ。『山の宝石』番外編。水姫の結婚。

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瑠璃族族長アントン・ラズトキンがその嫡子ロマン・ラズトキンにより暗殺された。
ロマンはそのまま族長の座を継ぎ、一族の者は皆彼の決定に従った。
そんな報せがもたらされて一月。
わたくしはかねてより用意していた黒毛の馬に自ら跨り、緑豊かな故郷を後にした。
 
「水姫様……くれぐれも、道中お気をつけて」
 
不安そうに餞別の美しい絹織物を差し出したのは、
これからわたくしの義妹となるユーリヤ・ラズトキン……いえ、四季ユーリヤ。
四年前にわたくしの従兄の元に嫁いできた、瑠璃族の娘。
わたくしは彼女が嫌いだった。
わたくしの愛する人を、わたくしの居場所をいとも簡単に奪い取っていった
異民族の女が、憎くて憎くて堪らなかった。
 
「ええ、もちろん分かっておりますわ。この一月、あなたに特訓していただいたおかげで
随分と馬も上手く乗りこなせるようになりましたし……。ほらこの通り、ご存じでしょう?」
 
騎乗したままくるりと一回転してみせれば、彼女は苦笑して少し俯いた。
 
「水姫様、あなたには本当に色々と……感謝しております。
春輝のことも、瑠璃族と四季族の講和のことも、兄上の……」
 
「それ以上はおっしゃらないで」
 
“わたくしにも誇りというものがあります”
目だけで訴えたわたくしの言葉に、彼女は深く頷き、礼をした。
わたくしは確かに、彼女が嫌いだった。
けれども今は、この亜麻色の髪も、瑠璃色の瞳も素直に美しいと感じる。
だからきっと、その兄の元に嫁いでも嫌悪を覚えることはないだろう。
 
「輿を用意すると行ったのに……」
 
馬上のわたくしに向かい、未だぶつぶつと呟く従兄の姿に笑みがこぼれる。
 
「鈍感ですわね、春輝兄様」
 
わたくしはユーリヤ様に負けてしまいたくはないのです。
あなたと共に在るために懸命に努力し、“族長の妻”として異民族に馴染んだ彼女に。
きょとん、とこちらを見つめる彼はきっと、気づくことのない女の意地。
 
「それではいって参ります。さようなら、春輝兄様、ユーリヤ様」
 
そしてさようなら、四季族。わたくしの愛するふるさと。
 
道中を付き添う火野の先導に従い、わたくしは馬を進めた。
異民族だからと言って、舐められたくはない。
少しだけ痛む尻を持ち上げ、わたくしは馬に鞭を振るった。
わたくしの生きる場所へ、わたくしの新しい務めが待つ土地へ――
 
 
~~~
 
 
「……驚きました。あのときは、他人(ひと)に抱えられて馬に乗っておられたあなたが、
お一人で馬を駆っておいでになられるとは」
 
初夜の床に現れた美しい男は、開口一番苦笑しながらこう告げた。
 
「瑠璃族の女子(おなご)は皆一人で馬を乗りこなすと伺いましたゆえ、
あなたの妹御にもご協力を仰いで練習致しましたの。どうでしたか?
わたくしは瑠璃族族長の正妻にふさわしく振舞えておりましたかしら?」
 
こちらをじっと見つめる瞳は、深い深い瑠璃色。
彫りの深い顔立ちは端正に整っているが、冷たさは少しも感じさせない。
彼ならば、きっと一族の良き指導者となるに違いない。
 
「十分過ぎるほどですよ、ミズキ……と名を呼んでもよろしいか?」
 
こくりと頷いたわたくしに、彼はにこりと微笑んでこう告げた。
 
「では私のこともロマン、と」
 
その言葉に考え込んで俯いたわたくしを、彼は不思議そうに覗き込んだ。
 
「瑠璃族は一夫多妻を取っていると聞き及びます。
あなたにも既に三人の妻がいると伺いました。
わたくしを第一夫人に据えたせいで、これまでの地位から下がられた方々は、
わたくしがあなたの名をお呼びしている様子を見れば
ご不快に思うのではありませんか?」
 
ユーリヤから聞いたロマンの三人の妻の存在。
それでも、族長の嫡男の妻の数としては少ない方なのだと言う。
文化も習慣も、何もかもが異なる民族。
だからこそわたくしは人一倍努力し、気遣わねばならないのだ。
男には男の戦場があるように、女には女の闘いがある。
 
「それは……名を呼ぶことを許していたのは、
先の第一夫人であったカテリーナだけだったが……。
ならばあなたが皆に認められるまで、
人前では私のことを“長”と呼ばれた方がよろしいでしょう。
けれど二人きりのときには……是非ともあなたに、名を呼んでいただきたい」
 
心を射るは深い瑠璃色、海の色。
わたくしの欲していたはずの黒ではない。
瑠璃とは、こんなにも美しい色であったのか!
わたくしがそう思ったときだった。
ロマンがそっとわたくしの髪に触れ、感嘆とした溜息を吐いた。
 
「それにしてもあなたの黒髪は……噂に聞いた通り、本当に見事なものですね。
元々は床に着くほどの長さだったのだと伺いましたが……
まるで夜の闇をそのまま閉じ込めたかのような、美しい漆黒だ」
 
「あなた方の一族には、夜の闇を厭う方の方が多いのではなくて?
視界の開けぬ夜は移動をするにも戦うにも不便でございましょう?」
 
褒め言葉に思わず頬を染めながら、宴の席であからさまに
わたくしへの嫌悪感を露わにしていた一部の臣たちを揶揄すると、
彼は真面目な様子で首を振ってみせた。
 
「確かに、我が一族の中にそういう者がいるのは否定しない。
けれど私は夜が好きだ。夜は星が空を彩る。
太陽は私たちを照らしをするが、導いてはくれない。
あなたはあのとき、私と我が一族を正しい方向へと導いてくれた。
本当に、感謝している」
 
真摯な眼差しはわたくしを真っ直ぐに捉え、告げられた言葉が胸に迫る。
きらきらと輝く金の髪が眼前に迫り来るのを前に、わたくしは呟いた。
 
「ご自分の方がよっぽど、星のように輝く素敵な髪をお持ちですのに……」
 
その言葉に嬉しそうに微笑んだ彼に、わたくしは今更ながら、
己がこの男を心の底から愛せるのではないかという可能性に気づいた。
何故、今の今までこうまで意固地になっていたのだろう。
族長との結婚は務めにしか過ぎぬと、
わたくしは第一夫人としての役割を全うすれば良いだけなのだと。
“人質”だからと言って、人を愛してはならぬと誰が決めたというのか。
わたくしは初めから知っていたではないか、春輝兄様とユーリヤの姿を。
そうして、本当は解っていたではないか。
あの日、あの場所で力強くわたくしに向かって頷き、己が父を手にかけるため
踵を返した、若く美しい男の姿が己の瞼から離れなかった理由を。
 
いずれ、混じり合う黒と金は夜空の闇に煌く星となる。
そうしていつの日か瑠璃に染まったわたくしは、
同じ色をした海に還り、彼の隣に眠るのだろう。





 


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昼間母の手伝いで工作してたら右手が腱鞘炎ぽくなってしまい、
土曜日だというのに何も打てなそうです。本当に申し訳ないm(__)m
工作とか大好きです。小3までいた学校は夏休みの工作を
展示するコーナーがあったので、張り切って色々作ってました。
あと理科の自由研究とかも好きで、友達の分まで一緒にやってたなぁ・・・
何故かそっちしかカウントされてなかったけど(笑)
やったら評定上がる自由課題みたいな感じで、私のもちゃんと廊下に
貼り出されてたのに、やった子たちに記念品配ります、って集められたとき
先生に「ケイトさんは○○さんの手伝いということだけど、一応あげるからね」
みたいなこと言われてハァ!?(゜∀゜;)となったんだよな・・・
もう評定出てる時期だったのに(^^;
大学受験のときも最後まで志望校友達と間違われてたし(1,3年と同じ担任で
志望校変えてなかったのに。笑)私ホント教師運なさすぎるな!\(^O^)/

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